トップエリカ 花と観葉植物(葉っぱの岬)管理人の育てる環境

エリカ

科・属名:ツツジ科・エリカ属/原産地:南アフリカ、ヨーロッパ/学名:Erica

分類: 常緑低木


寒さ: 南アフリカ原産(やや弱い)
ヨーロッパ原産(強い)
暑さ: 嫌う〜やや嫌う(種類による)
樹高: 30cm〜2m
花径: 0.2cm〜0.8cm
花長: 〜5cm
花色: 桃色、白、朱色、黄色など
増やし方: 挿し木
場所: 日向
花芽分化: 冬・春咲き(6月頃〜)
夏咲き(4月中頃〜)
用途: 鉢植え、庭木(暖地・ジャノメエリカ)
花言葉: 幸運、孤独、博愛、裏切り
エリカは原種だけでも数百種類がある常緑の樹木です。花色、花の形もいろいろで、ベル型をしたもや細長いものをしたものなどがあり、小さい花を沢山つけてとても美しいです。大まかに冬から春咲き、夏咲き、不定期咲きがあり、よく冬に花が咲いたものが出回っています。原産地は南アフリカで半耐寒性、ヨーロッパ原産で耐寒性に強いものがあり、主に南アフリカ原産のものが出回っています。

乾いた荒れ地のヒースと呼ばれる地域に生息するので、日本にある梅雨の高温多湿を嫌います。寒さに弱い種類がある事と、梅雨を嫌うので鉢植えで育てられるのが一般ですが、暖地で庭植えできる種類もあります。植物園ではジャノメエリカ、エリカ・ホワイトディライトが庭に植えっぱなしに、うちもエリカ・ダーレンシスというのを庭に植えて5年ほどが経っています。

暖地なら何でも庭植えできる訳ではなく、自分は開花株を早春頃に植えて、梅雨頃に枯れてしまったものもあります。下の植物園で撮った花壇に植えられたものは、植えっぱなしで育っているものと、秋からの開花時期だけ花壇に植えつけているものがあります。種類は他に葉を楽しむ近縁種のカルーナというのもあります。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
冬・咲き 開花(冬・春咲き) 開花(冬・春咲き)
夏咲き 開花(夏咲き)
場所 日向(霜よけ) 日向 遮光30% 日向 日向(霜よけ)
植え付け 苗の植え付け 苗の植え付け
植え替え 夏咲き 冬・春咲き
挿し芽 挿し芽 挿し芽
剪定 夏咲き 冬・春咲き 夏咲き
肥料 肥料 肥料

エリカ・ホワイトディライト
11月上旬、植物園の花壇(植えっぱなし)

エリカ
2月上旬、植物園の花壇(春に掘り上げ)

ジャノメエリカ(蛇の目エリカ) 耐寒温度:-5度)
2月上旬、植物園の花壇(植えっぱなし)

エリカ(黄色)
10月下旬、植物園の花壇(春に掘り上げ)

エリカ・ファイヤーヒース
2月中旬、植物園の温室内

ベル型のエリカ
9月中旬、植物園

夏咲きエリカ
7月下旬、植物園の花壇(植えっぱなし)

スズランエリカ
3月中旬、植物園

エリカの育て方

開花株の管理

秋から冬に開花株がよく売られています。室内では室温が高くない、暖房の効かない日当たりのよい所に置きます。暖地では霜の当たらない軒下に置いて、凍るような寒い日は室内に入れるとよいです。日照不足になると、花が落ちる事があるので注意してください。水やりは鉢土の表面が白く乾いてきたら与えます。開花中の肥料は必要ありません。根が詰まっている事が多いので、春になったら植え替えます。
あわだちエリカ

苗の植え付け

主に秋から冬にかけてポット苗が出まわる事があります。夏の暑さと高温多湿に弱いので、鉢植えで育てるのが一般ですが、暖地では半耐寒性のジャノメエリカなど、庭植えができる種類もいくつかあります。

鉢植え

鉢植えの用土は弱酸性土を好み根が細いので、鹿沼土(小粒)8、酸土調節していないピートモス2などを使って植え付けます。

庭植え


植え付け
植え付けの適期は春の3月から4月頃です。場所は夏の西日を避けた日当たりと風通しがよい所に、酸性土壌になるよう鹿沼土を混ぜ込んで植え付けるとよいと思います。写真はエリカ・ホワイトディライト、エリカ・ダーレンシスを庭に植えつけた時のもので、株間が狭すぎたので30〜40cmぐらいは開けた方がよいと思います。

暖地で冬だけの庭植え

暖地では、比較的寒さに強い冬から春咲きの種類を、開花時期だけ庭植えにしたり、大型のコンテナに花と寄せ植えして楽しむ方法もあります。そのまま植えたままでは、梅雨の長雨や暑さで枯れてしまう事があるので、花の咲き終わった3月から4月頃に掘り上げて、鉢に植えて夏を越させます。植え付けの間隔は後で掘り上げるので、20cmから30cmぐらいでよいと思います。
秋から初春だけ庭植え

鉢植えの置き場所

日当たりのよい場所で育てます。夏は日差しが強すぎるので30%ぐらい遮光するか、強い日差しを避けて育てます。また、高温多湿を嫌うので、梅雨時期は雨が当たらない軒下などに置いて、長雨に当てないようにします。南アフリカ原産の種類は寒さにあまり強くないので、暖地では10月から3月は戸外の霜の当たらない日当たりのよい所、寒地では室内の日当たりのよい窓辺などに置きます。

水やり

根が細いので、乾燥も多湿にはあまり強くありません。鉢土の表面が少し白くなったらたっぷりと与えます。夏の8月上旬から中旬頃は乾燥気味に管理すると花芽がつきやすくなりますが、乾燥にも弱いので、葉をしおらせないように注意してください。また、夏の水やりは昼間は避けるようにします。庭植えでは植えつけ後、しばらく乾かし過ぎないように注意しますが、その後は雨が降らず、乾き過ぎるようなら与えるぐらいでかまいません。

肥料

春の4月から5月頃、秋の9月下旬から10月頃に緩効性の化成肥料を置き肥するか、液体肥料を2週間に1回ぐらい与えます。春の植え替え後は、しばらくしてから与えます。庭では骨粉入りの固形油粕などを蒔いておきます。

鉢の植え替え

春になれば根がいっぱいに回っているので、毎年植え替えを行います。根鉢のまわりを軽く崩して一回り大きな鉢に植え替えます。時期は冬・春咲きでは花の咲き終わった4月中旬〜5月中頃に行います。夏咲きは花が咲いていない3月頃に行います。植え替え後の1週間ぐらいは明るい日陰で育てます。用土は植え付けの項目と同じです。

剪定

伸びすぎて樹形が乱れたら樹形の3分の1程度刈り込んで剪定します。込み過ぎた枝は根元で切り取ります。時期は花後の植え替えと一緒に行います。

増やし方(挿し芽)

芽の咲を3cmぐらいの長さで切った挿し穂を用意して、下の方の長さ1cmぐらい分の葉を取り除きます。鹿沼土を入れた平鉢に、葉の取った所を埋めて挿せばよいです。 時期は春の5月頃、秋の9月下旬から10月頃にも行えます。
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