キブシの花序は小さな花の集まりなのですが、遠くから見ると小さな実が成っているように見えます。華やかさがなくあまり見栄えのしない花で、春に山の中でよく見かけます。紅色の花を咲かせるキブシもあり、こちらは少し華やかで生け花に使われることがあります。キブシという名前は、ヌルデの木に黒いアブラムシが寄生した虫コブができ、この虫コブはタンニンが多く含まれ、鉄分と結びつくと黒い染料ができ五倍子(フシ)と呼ばれます。キブシの実にもタンニンが多く含まれ、五倍子の代用に使われたことからこの名前になったそうです。染め物の他、お歯黒や白髪染めなどにも使われていたそうです。秋に実が成りますが、雌雄異株なので雌株だけに実を着けます。 |