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クコ (枸杞)

科・属名:ナス科・クコ属/原産地:中国/学名:Lycium chinense

分類: 落葉〜半落葉低木


寒さ: 強い
暑さ: 強い
分布: 日本全土
樹高: 1m〜2m
花色:
花径: 約 1cm
場所: 日向
増やし方: 挿し木、種まき
花芽分化: 新枝につく
用途: 庭木、鉢植え、薬草(実、葉)、野草
花言葉: お互いに忘れましょう、誠実
クコは中国が原産の赤い実が成る落葉から半落葉の低木です。実や葉は薬草として利用され、老化防止や美白などに効果があると言われ昔から実を果実酒、葉をお茶などにされています。帰化植物で日本にも分布しており、日当たりの良い河原や海岸などに自生している所があります。高さは2mぐらいになり茎にはトゲがあって横に広がりながら成長します。花は夏から秋にかけて紫色で1cmぐらいと小さく、秋から晩秋にかけて1、5cmぐらいの実が成ります。とても丈夫な植物なので育てるのも容易です。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花時期 開花
実期 実期
場所 日向
種まき 採り蒔き
植え付け 苗の植え付け 苗の植え付け
植え替え 植え替え
挿し木 挿し木 挿し木
剪定 剪定 剪定
肥料 肥料 肥料
鉢の水やり 控えめ 表面が乾けば与える(夏は毎日) 控えめ
クコの実 クコの実
クコの花
クコのトゲ
トゲ
クコの葉 クコの葉

健康、美容の薬草

クコの実はビタミン類やアミノ酸類などが含まれ健康、美容によいと好まれています。眼球疲労、滋養強壮、美白、老化防止などに効果があるそうで、女性は美肌に良いと、高齢の人は若返って長生きすると人気があります。実はドライフルーツにして売られている事があり、葉にも効果があってお茶の葉が売られている事があります。

クコ酒を作る

中国や韓国では不老長寿の薬酒としての歴史があります。材料はホワイトリカーなどのお酒、皮を軽く剥いたレモン2個分のスライス、甘いのが好みなら氷砂糖を一緒に入れます。作り方は果実酒と同じですが、実をそのままお酒に漬けても抽出するのに時間がかかるので、実を電子レンジで加熱して天日干すると抽出しやすくなるそうです。2ヵ月ぐらいしたらペーパーフィルターなどで濾して、飲用の容器に移したら出来上がりです。

お茶を作る

茎のついたまま風通しの良い日陰で乾かし、半乾きになった頃にハサミで細かく切ってザル等に入れ、カラカラになるまで陰干しします。湿らないようビニール袋の中に乾燥剤と一緒にいれて保存するとよいです。

クコの育て方

場所

日当たりの良い所で多く実が成ります。冬の寒さに強い落葉から半落葉の樹木なので、寒い地域では冬に葉を落としますが、暖地ではあまり落とさずに越冬します。

苗の植え付け

庭植え

庭では日当たりのよい所に水はけが良くなるよう、腐葉土と完熟牛糞などの堆肥を混ぜて植え付けるとよいです。
前年に挿し木した苗(クコ)
前年に挿し木した苗
庭へ苗の植え付(クコ)
庭へ苗の植え付け
苗の植え付けから約1年後(クコ)
苗の植え付けから約1年後

鉢植え

鉢植えの用土は普通の水はけのよい用土でよいです。市販されている花の培養土に、少し水はけが良くなるよう赤玉土(小粒)を2割ぐらい混ぜたり、赤玉土(小粒)7、腐葉土3など自分好みの標準的な土でよいです。

庭の管理

水やりは植えて根付くまでは水切れに気をつけますが、一度根付けば自然の雨だけで大丈夫です。肥料が多いと実付きが悪くなるので少な目でよいです。苗木は2月から3月頃に骨粉入りの固形油粕などを、大きく育っていたら与えなくてもよいです。

鉢植えの管理

鉢植えでは鉢土の表面が乾けば与えます。夏の日差しの下ではよく乾くので、毎日の水やりになります。冬はあまり水を吸い上げなくなるので控えめでよいです。 肥料は春の3月頃、初夏の6月頃に緩効性の化成肥料などを置き肥して、葉色が悪いようなら液体肥料を追肥するとよいです。

植え替え

2年を1回を目安に、根詰まりしているようなら植え替えます。時期は春の3月頃に行うとよいです。根鉢の周りを軽く壊して一回り大きな鉢に植え替えます。用土は植え付けの項目と同じです。必要なら剪定を兼ねて行います。

剪定

12月から3月頃に、伸び過ぎた枝や不要な枝があれば剪定します。生育が旺盛なので、もし大きく育てたくない場合は株元から20cmぐらい残して切り戻してもよいです。
剪定前(クコ)
剪定前
剪定後(クコ)
剪定後

増やし方

挿し木

挿し木で容易に増やす事ができます。時期は気温が高ければいつでも行えますが、春の5月から6月頃、秋の涼しくなった9月中旬から10月中頃に行うと着きやすいと思います。3、4節ぐらいの挿し穂を用意して、一番下の葉を取り除き、水の入ったコップに30分ぐらい浸けて水揚げします。葉の取った節が用土に埋まるように挿します。用土は売られている挿し木用の土でよいし、赤玉土(小粒)7、ピートモス3など標準的な土でよいです。発根して新芽が伸びてきたら小鉢に鉢上げします。数節残るように枝の先端を摘心すると、節から脇芽から伸びて枝の数を増やす事ができます。翌年の春になったら庭に植え付けたり、鉢植えで育てるなら植え替えるとよいです。その他は挿し木のページを参考にしてください。
3月下旬 11月上旬
秋に挿し木した苗(クコ)
秋に挿し木した苗
挿し木した苗の鉢上げと摘心(クコ)
挿し木した苗の鉢上げと摘心
挿し木した苗の約半年後(クコ)
挿し木した苗の約半年後

種まき

増やすのは挿し木が容易ですが、実の中に小さな種が入っているので、それを蒔いて増やす事もできます。種を採ったらポットなどに蒔いて、発芽するまで明るい日陰で用土を乾かさないように水やりします。

農薬の散布

トホシクビホソハムシの幼虫
トホシクビホソハムシの幼虫
トホシクビホソハムシの幼虫から葉を食害される事があります。幼虫は体に糞を引っ付けて身を守っています。見つけたら捕殺するか農薬を散布して駆除します。また葉に白いカビが生えるウドン粉病が発生する事があります。予防に対応した殺菌剤を散布しておくと安心です。
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