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シコンノボタン (紫紺野牡丹)

別名:ノボタン、スパイダーフラワー
科・属名:ノボタン科・シコンノボタン属/原産地:ブラジル/学名:Tibouchina urvilleana

分類: 常緑〜落葉小低木(3度以上)


寒さ: 弱い
暑さ: 強い
樹高: 1m〜4m
花径: 約 10cm
花色:
増やし方: 挿し木
花芽分化: 7月頃〜(新枝につく)
場所: 日当たりを好む。冬は室内へ。
用途: 鉢植え
花言葉: 平静、自然
シコンノボタンはブラジル原産の熱帯花木です。花は鮮やかな紫色の大輪で、朝咲いて翌日に散る1日花ですが、次から次へと花を咲かせます。また葉は薄い軟毛が密集したやわらかい感じで、観葉植物としても楽しめます。寒さに弱い熱帯植物なので、鉢植えにして冬を室内で育てられます。寒さで葉がすべて落ちる事がありますが、春になって暖かくなると葉が茂ってきます。自生地では4m以上と大きくなるので、売られているものは矮化剤という樹高が高くならない薬がつけられ売られている事が多いです。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花時期 開花
場所 明るい室内(3度以上) 日向(西日は避ける) 室内の日向
植え替え 植え替え
挿し木 挿し木 挿し木
剪定 剪定 花後
肥料 肥料
鉢の水やり 控えめ 鉢土の表面が乾けば与える 控えめ
シコンノボタン シコンノボタンのアップ
シコンノボタンの葉 シコンノボタンの全体

シコンノボタンの育て方

植え付け

シコンノボタンのポット苗
ポット苗
春から夏にポット苗が売られていることがあります。根張りが良いので二回りぐらい大きめの鉢に、用土は赤玉土(小粒)5、鹿沼土(小粒)2、腐葉土3など、水はけのよい弱酸性土を好むので、鹿沼土を混ぜて利用するとよいです。水切れを嫌いますが、あまり保水性の高い土は嫌います。

場所

春から秋

日当たりを好むので、日に当てた方がよく花が咲きます。しかし夏の暑さがやや苦手なので、夏は西日を避けた所に置くとよいです。

寒さが苦手なので、11月からの寒い時期になったら室内の日当たりの良い所に置きます。凍らないぐらいの寒さで越冬し、8度以下の低温で落葉します。落葉しても春になって暖かくなるとまた葉が茂ってきます。

水やり

生育期の春から秋までは鉢土が乾いたら、鉢底から水が出るまでたっぷりと与えます。夏の日差しの下ではよく乾くので、毎日の水やりになります。秋が深まると鉢土の表面の乾きが遅くなるので、水やり間隔が徐々に長くなってきます。冬は寒さであまり水を吸わなくなるので、鉢土の表面が乾いて2、3日してから水やりします。

肥料

肥料を好みます。元肥を入れていない場合は、生育期の春から秋まで暖効性の化成肥料などを与えます。夏はよく成長するので肥料切れには注意してください。その他は肥料の使い方を参考にしてください。

植え替え

根張りが良いので、翌年の夏には根が詰まってきます。根詰まりすると花数が減り、また夏に土が乾きやすくなるので毎年植え替えるとよいです。方法は根鉢の周りを2分の1から3分の1ぐらい壊して植え替えます。時期は4月から5月頃に行います。用土は植え付けの項目と同じです。

水切れする時の鉢増し

夏に根が詰まってすぐに水切れする事があります。一回りから二回り大きな鉢に鉢増しするとよいです。鉢増しとは植え替えですが、根鉢の周りを壊さないで行う方法です。花の咲いている時期に根鉢を壊すと、せっかくの蕾が傷んでしまいます。

剪定

売られているものは、矮化剤という草丈が高くならない薬が散布されているので節々の間隔が狭いです。ですが翌年には薬の効果が切れて節々の間隔が広く高くなります。樹高を低くする剪定は秋が深まり花が終わった頃か春の芽を吹く4月頃、新芽を残して好みの高さに剪定するとよいです。花の咲く時期に剪定すると花芽を切るので行わないようにします。

挿し木が容易

数年して大きく育ちすぎた場合は、挿し木から作り直してもよいです。時期は5月から6月、9月頃に行うと容易に行えます。写真は10月に行ったもので、適期よりやや遅くなりました。

方法

2、3節ぐらいの挿し穂を用意して、一番下の葉を取って30分ぐらい水に漬けて水揚げします。水を吸わせると挿し穂が弱り難くなります。土に赤玉土(小粒)7、ピートモス3などを利用して、葉を取った節が土に埋まるように挿します。容器は平鉢などに複数本挿すとよいです。明るい日陰で水切れしないように水やりします。

挿し穂の水揚げ

平鉢に挿し木

鉢上げから定植まで

40日ぐらいで発根するので、ポットや小鉢に仮植えします。真夏は50%ぐらいの遮光ネットで日よけした所に置くとよく生育します。5月から6月頃に挿した場合は秋に定植、9月に挿した場合は翌年の春に定植するとよいです。写真は10月下旬と遅い時期の挿し木だったので、秋の仮植えはできず、春になってそのまま定植しました。葉の数が7、8枚になったら先端をピンチすると枝数を増やす事ができます。枝数が増えれば樹形がこんもりして花の数も増やせます。

翌年の5月

定植

6月下旬の開花前

花壇で楽しむ


花壇に植えつけ(6月下旬)
霜が降りず凍らない地域なら花壇で越冬しますが、そうでない地域は冬に枯れてしまう事が多いです。挿し木の苗なら枯れても惜しくはないので、前年に挿した苗を春から初夏に植えて楽む事ができます。植える所は日当たりがよく西日を避けた所、堆肥と化成肥料を混ぜて植え付けます。乾燥に強くないので、雨が降らず乾くようなら水やりも行います。冬になると花壇では枯れてしまう事が多いですが、10月中頃までに掘り上げて鉢に植え、日当たりがよく暖かい室内で育てれば冬を越させる事ができます。掘り上げる時は今シーズンの花をあきらめて、鉢の大きさに合わせて枝を短く剪定しないといけません。

害虫や病気

病気には強いですが、アブラムシなどの害虫が発生する事があります。葉の汁が吸われて葉色、生育も悪くなるので、見つけたら早めに殺虫剤を散布して駆除します。
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