トップスミレ 花と観葉植物(葉っぱの岬)管理人の育てる環境

スミレ (菫)

別名:コスミレ(小菫)
科・属名:スミレ科・スミレ属/原産地:世界の温帯地域/学名:Viola

分類: 多年草、野草


寒さ: 強い(沖縄などの種類は除く)
暑さ: やや弱い(特に北国、高山性)
草丈: 7cm〜20cm
花径: 2cm〜3cm
花色: 紫色、青、白、黄色
場所: 日当たりを好むが夏は半日蔭
種まき: 採り蒔き
平鉢、ポットまき
増やし方: 根伏せ、株分け(平地性)など
用途: 花壇、鉢植え
花言葉: 誠実
白(無邪気な愛を、誠実、謙遜)、ピンク(愛、希望)、紫(ささやかな幸せ、誠実、真実の愛)、黄(慎ましい幸福、牧歌的な喜び)
スミレは春に咲く身近なおなじみの草花です。世界に数百種類あり、日本に50種類以上が分布しています。野草として春になると道端や山などで紫色のものをよく見かけ、秋に咲いているのを見かける事もあります。おおまかに無茎種という地上茎がない立ち性と、有茎種とい地上茎に丸い葉があって、横に匍匐するタチツボスミレなどがあります。園芸店では芳香のある品種や葉がギザギザしたものなどもあります。生息域が広く北海道や高山に生息するものは暑さに弱く、沖縄に生息するものは寒さに弱いなど、種類によって育つ環境が異なるので注意が必要です。

種の出来方

花の蕾は開花時期には開きますが、それを過ぎると蕾のまま開きません。閉鎖花と呼ばれるもので、そのまま自家受粉で実が熟し種が弾けます。開花したものも実が成り、別の種類との交配も行えますが実の成る確率が低いそうです。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花時期 開花
場所 日向 半日蔭 日向
種まき 種まき(保存) 採り蒔き
植え付け 苗の植え付け 植え付け
植え替え 花後 植え替え
根伏せ 根伏せ 根伏せ
肥料 肥料 肥料
鉢の水やり 表面が乾いたら 表面が白く乾いてきたら 表面が乾いたら

スミレ
4月上旬、山の斜面

スミレ2
3月下旬、自宅の庭

紅花ナンザン
3月下旬、自宅の鉢植え

ニオイスミレ(八重咲き)
3月上旬、自宅の鉢植え

春と勘違いしたスミレ
11月下旬、山

スミレの全体
4月上旬、不明

白花のスミレ
3月下旬、川の土手

白花のスミレの全体
3月下旬、川の土手

スミレの育て方

場所

種類によって日当たりのよい所や木陰に自生しているものがあります。どちらも日差しの強くなる6月から9月頃は風通しのよい半日陰に置いたり60%ぐらい遮光して、その他の時期は日当たりのよい所で育てるとよいです。北の寒い所や高山性の種類は特に夏の暑さを嫌うので、風通しのよい棚の上などに置いて育てた方が良いです。冬は地上部の葉が枯れる宿根多年草がほとんどです。

植え付け

春に苗が売られているので、購入したら植え付けます。鉢は深め、用土は北の寒い所や高山性の種類は夏の暑さに強くないので、山野草の土に植え付けるとよいです。道端などに生える丈夫な平地性のものは、普通の花の培養土に赤玉土を2割ぐらい混ぜて水はけをよくするとよいと思います。

庭植え

北の寒い所や高山性の種類は暖地の庭植えは難しいですが、道端などに生える丈夫な平地性のものは植えてもよく育ちます。

植え替え

1、2年に1回、根詰まりしているようなら植え替えます。時期は開花後の5月頃か秋の9月中旬から10月頃に一回り大きな鉢に植え替えます。用土は植え付け用土と同じです。平地性の丈夫な種類は株分けも行えます。

水やり

生育期の春から秋は鉢土が白く乾いてきたら与えます。冬は鉢土の表面が白く乾いたら与えます。庭では日照り続きで雨が降らず、乾き過ぎるようなら与えるぐらいでかまいません。

肥料

生育期の春の2月から6月頃、秋の9月中旬から10月頃に緩効性の化成肥料を与えたり、液体肥料を定期的に与えます。庭植えした道端などに生える丈夫な平地性のものは春と秋に骨粉入りの固形油粕などを少量蒔いておけばよいです。

増やし方

種まき


スミレの種(紅花ナンザン)
5月上旬、自宅
下を向いていた種袋は、熟すと上を向いて自然に弾けて散乱します。斜め上向きから真上になったら、切って封筒などに入れて自然に弾かせて種を採るとよいです。晩春から秋まで発生するので、採ってすぐに蒔いた方が発芽率がよいそうです。発芽温度は22℃から25℃ぐらいなので、5月から6月頃に実った種を蒔くのが適しています。うまくいくと1週間から2週間ぐらいで発芽しますが、中には休眠してすぐに発芽しないものもあり、それは4℃ぐらいの低温に2、3週間ぐらい当たり、春になって暖かくなると発芽します。適温でない時期に採った種を冷蔵庫に保存しておいて、1月から2月頃に蒔いて春に発芽させる事もできます。この場合は採り蒔きよりも発芽率が下がるようです。平鉢ポットなどに蒔き、好光性なので覆土はしなくてもよいですが、乾かさないようごく薄くしてもよいです。水やりは上から与えると種が流れるので、鉢底の受け皿に水を入れて吸引させるとよいです。本葉2、3枚になったら3号鉢に3、4株植えます。ポット蒔きでは5粒ぐらい蒔いて、発芽したら元気なのを3つぐらい残すように間引きします。

根伏せ

株元に近い所から長さ5cmぐらいの太めの根を用意して、上下間違えないよう、切り口が軽く出るぐらいに植えつけます。 時期は植え替え時期に、用土は定植用の用土と同じです。

株分け

高山性の種類など、根鉢を壊されるのを嫌う種類があるので、株分けは一般的ではありませんが、平地に生える丈夫なものは株分けして増やす事ができます。 時期は植え替え時期と同じです。

交配

他の種類との交配で別の品種を作る事もできます。花が咲いてから2,3日ぐらい経ったものがよいです。ピンセットの先に花粉を集めて乗せ、他の品種の雌しべの先端(柱頭)の中に押し入れます。上手くいくと3週間から1カ月ぐらいで種ができます。
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