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パキポディウム

学名:Pachypodium
科・属名:キョウチクトウ科・パキポディウム属
原産地:マダガスカル、南アフリカ
分類:多肉植物
寒さ:弱い
暑さ:強い
日照:日向
耐陰性:なし
通販:楽天市場にあり

パキポディウム パキポディウムの棘
パキポディウムの仲間は主にマダガスカルに20種ほど、南アフリカに数種類が生息しています。大きく分けると2タイプがあって一つは根茎が丸く膨らんで先の枝にトゲがある小型のP.brevicaule(恵比寿笑い)やP.gracilius(グラキリス)など、もう一つはトックリのような樹形で高くなるP.lamerei(ラメレイ)やP.rutenbergianum(ルテンベルアヌム)などがあります。鋭いトゲがあるのが特徴で、現地では美しい花を咲かせるものが多いです。乾燥地帯に生息している多肉植物で幹に水分を蓄えて乾燥にも耐えるようになっています。現地では乾季になると葉を落としますが、日本でも冬になると気温が低く水が吸えなくなり葉を落として越冬します。写真はラメレイという比較的育てやすい種類で、現地では高さが6mぐらいになり、芳香のある白い花を咲かせます。とてもよく似たP.geayi(亜阿相界)というのもあって一見すると同じものに見えますが、葉色が薄く葉脈が赤いので見分けられます。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
場所 室内の日向 日向 室内の日向
植え替え 植え替え
種まき 種まき
肥料 肥料 肥料
水やり 月に1回 控えめ 表面が白く乾いてから与える 控えめ 月に1回

パキポディウムの育て方

葉が落ちる植物

現地では雨が降らない乾季になると、水を吸えずに葉を落とす性質があります。日本の冬も寒さで生育が止まり水を吸わなくなり葉が落ちます。秋が深まると葉を落とし始め冬には全てが落ち、春になって暖かくなると新芽が出てきます。

置き場所

年間を通じて日当たりのよい場所で育てます。室内では日の当たる窓辺がよく、もし戸外に置く事が可能なら春から秋は日の当たる風通しのよい外に置いた方が元気に育ちます。熱帯の植物で寒さには弱く、耐寒温度は種類によって異なります。戸外に置いているものは秋の最低気温が15度を下回ったら室内の日当たりのよい場所に置き、冬はできるだけ10度以下にならない日当たりのよい所に置くとよいです。
4月下旬から10月中旬 できるだけ戸外の日向
10月下旬から4月中旬 室内の明るい日向。できるだけ10度以下にならない所。

春から秋の水やりと肥料

一般の種類

P.lamerei(ラメレイ)やP.geayi(亜阿相界)など夏に生育する一般の種類は春から秋は鉢土が白く乾いてから与えます。夏の日差しの下では乾きが早いので毎日の水やりになります。肥料は春から秋まで暖効性の化成肥料や液体肥料を月に2回ぐらい与えればよいです。濃い肥料は根を痛めるので注意してください。

標高の高い所に生息する種類

P.brevicaule(恵比寿笑い)など標高の高い所に生息しているものは、夏の暑さを嫌うので風通しのよい棚の上などがよいです。日本では生育するのは初夏と秋だけと短いです。水やりは春と秋は表面が白く乾いてから与えればよいですが、夏は休眠するので鉢土の表面が完全に乾いてからの水やりと控えめにします。肥料は春と秋の生育期に暖効性の化成肥料や液体肥料を月に2回ぐらい与えればよいです。

冬の水やり

秋が深まってくると水を徐々に吸わなくなってくるので、水やりも自然と日の間隔があいてきます。冬は葉を落として休眠しほとんど水を必要としないので、月に1回の水やりでかまいません。冬は土が乾燥した状態が長く続いても平気で、逆に湿った状態が長く続くと根腐れして枯れやすくなります。

植え替え

底から根が出て根詰まり気味か2年以上植え替えていないものは行うとよいです。時期は夏に生育する普通の種類なら春の5月から6月頃、標高の高い所に生息する種類は4月頃に行うとよいと思います。水はけのよい土がよいので市販されている多肉植物の培養土を利用すとよいです。棘が鋭く刺さると痛いので、厚手の手袋をして作業してください。

植え替え前


植え替え後

増やし方

種まき

花後にタンポポのように風で飛ぶ種が出来ます。鉢植えで育ててもなかなか花が咲きませんが、海外から輸入された種が販売されている事があります。発芽温度は25度ぐらと高めなので6月になってまくと安心です。方法は小型の平鉢や小鉢に種まき用の土などを利用して、土をかぶせないように蒔きます。芽が出るまで乾かさないよう、鉢底の受け皿から水を与えるとよいです。本葉が揃ったら多肉植物用の土を入れた小鉢に根を切らないよう2cmぐらいの間隔をあけて移植します。翌年の4月下旬から5月頃になったら一鉢ずつ定植します。小さい頃は茎に水をあまり蓄えられないので、冬もあまり乾かし過ぎないようにします。

挿し木

種類によって挿し木で増えるものもあります。試しに枝分かれした不要な枝を挿し穂にしてみてもよいと思います。日陰で切り口を乾燥させてから挿します。時期は6月頃で用土は多肉植物の培養土など水はけのよいものを使用するとよいです。水を与え過ぎると腐れ易いので、土が乾いてきたら与えるぐらいでよいです。

冬の管理方法

寒さに弱く葉がなくなっても茎で光合成をするので、室内のできるだけ暖かい日当たりのよい所に置いておきます。真冬は成長が止まってあまり水を吸わないので、月に1回と控えめに水を与えます。多肉植物で茎に水分を蓄えているので乾燥には強いですが、反対に土がいつも湿っている状態を嫌うのでそうならないように注意してください。
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