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サボテン

学名:Cactaceae
科・属名:サボテン科
原産地:メキシコ、アメリカ南部
分類:常緑多肉植物
寒さ:やや弱い(0度以上)
暑さ:強い
日照:日当たりを好む
耐陰性:なし
開花時期:5月〜9月
草丈:5m〜500cm
花径:1cm〜20cm
花言葉:燃える心、情熱、暖かい心、内気な乙女
通販:楽天市場にあり



鑑賞用として丸い形をした球サボテンがよく売られています。砂漠などの乾燥地帯に生息して球に水を多く蓄えているので、とにかく乾燥に強いのがサボテンの特徴です。しかし鋭いトゲがあるものが多く刺さると痛く、抜けずに毛抜きを使ったりと少しやっかいな面もあります。このトゲがある理由は強い日差しから守るため、動物から食べられるのを防ぐためと言われています。トゲは白や赤など、形は真っ直ぐなものや曲がったもの、太いものや細いもの、中には退化してなくなったランポウ玉などもあります。花が美しいのも特徴で、光沢のある鮮やかな花を咲かせるものが多いです。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花時期 開花
場所 室内または戸外で霜よけ(0度以上) 日向(雨よけ・西日を避ける) 室内または戸外で霜よけ
種まき 種まき
植え替え 植え替え 植え替え
肥料 肥料 肥料
水やり 殆ど与えません 表面が完全に白く乾いてから与える 殆ど与えません

生息地

アメリカ南部からメキシコの乾燥地帯に約2500種類ほどが分布しています。沢山の園芸品種もあるのでかなりの品種があります。多くは砂漠に生息していますが、一部マダガスカルや東アフリカのジャングルにある樹木の上や岩場に着生する森林性もあります。葉が肥大して水分を沢山蓄える多肉植物ですが、サボテン類として分けられています。標高の高い所から低い所と広範囲に生息していて、比較的寒さに強いものが多いです。

分別と進化

以下のように大きく4つ分別されています。元々は木の葉サボテンのように茎と葉があったのですが、雨があまり降らない乾燥地帯に生息しているので、水を多く蓄えるよう茎が肥大して葉が退化してしまいました。より乾燥に耐えるよう表面積が小さくなり、下の@〜Cの順番に進化したと言われています。

@木の葉サボテン

進化の早い段階で、樹木のように原始的な姿をしています。葉の付け根にはトゲがあり、葉は肉厚で水分を蓄えています。代表的な品種に杢キリンというのがあり、このような姿から他のサボテンに進化したと言われています。

Aウチワサボテン

平たい茎が上に伸びてゆきます。カクタスリーフと呼ばれるメキシコ料理の食用サボテンがこの仲間になります。

B柱サボテン

柱のように上に伸びてゆき凹みがあるのが特徴です。高さが20m以上になる種類もあります。

ヤマカル柱

岩石獅子(がんせきじし)

C球サボテン

丸い形をしていて、中に多くの水分を含んでいます。直径50cm以上になるものもあります。

エキノカクタス・グルソニー

玉翁(たまおきな)

サボテンの花

花びらに光沢のある美しい花を咲かせるものが多いです。花を咲かせるには直射日光に当てる事がとても大切なので、室内の日陰に置いておくと咲きません。5月から9月頃の暖かい時期に咲かせるものが多いですが、中には玉翁のように冬の戸外で咲かせるのもあります。
サボテンの花 サボテンの花 サボテンの花

サボテンの育て方

初めてのサボテン

日が当たるのが好きなので、部屋では直射日光が当たる窓辺に置くとよいです。水やりは土の表面が白く乾き切って更に数日して与えます。水やりを少しぐらいさぼっても全然平気なので手間はあまりいらないです。逆にお花のように沢山与えていたら枯れやすいので注意してください。肥料は春の5月から6月頃と秋の9月頃に緩効性の化成肥料を控えめに置けばよいです。花を咲かせたい場合は直射日光によく当てる事が大切です。冬は生育をやめて休眠するので11月から2月は水やりをやめます。

置き場所

日光を好むので、日当たりのよい場所で育てます。真夏は日差しは強過ぎるので、30%ぐらい遮光するか午後からの強い日差しを避けて育てます。また多湿を嫌うので、雨には当てないように軒下などに置きます。室内の明るい日陰でも育ちますが、花の蕾はつき難くなり貧弱に育つので、できるだけ日光浴させた方がよいです。休眠期の10月下旬から3月はできるだけ日当たりのよい暖かい室内で育てます。耐寒性の強い種類は、霜の当たらない軒下などで越冬が可能で、凍りそうな日だけ日当たりのよい室内に移します。
4月から10月 日当たりのよい所(真夏は半日陰。長雨は避ける。)
10月下旬から4月上旬 室内の日当たりのよい場所(0度以上)。

水やり

乾燥地帯に生息している植物なので、多湿を嫌い乾燥にはとても強いです。成長期の5月から10月上旬頃は鉢土の表面が完全に白く乾いてからたっぷりと水を与えます。室内の明るい所に飾っているものは、日が当たらず土が乾きにくいので、過湿にならないように注意してください。10月中旬から3月中旬頃までの休眠期は1、2ヶ月に1回ぐらいの水やりにしてほぼ断水して越させます。多湿を嫌い、冬に水を与え過ぎると根元から腐ってくる事があるので注意してください。乾燥にはとても強いので、水切れの心配はほとんど要りません。春になって暖かくなると徐々に成長してくるので、少しずつ水やり回数を増やしてゆきます。

植え替え

2年に1回ぐらい、根詰まりしてきたら行います。時期は3月から9月上旬頃まで行えますが、梅雨などの長雨を避けた良い天気が続く時に行うのがよいです。また、蕾を持っているものや花の咲いているものは、花後に行うようにします。鉢から抜いたら古土をできるだけ取り除き、根を半分ぐらいの長さに切り詰めると、新しい根が出やすくなります。根の切り口が腐らないよう日陰で3、4日ぐらい乾かし、根を広げるように植え付けます。用土は水はけがよい土を好むので、売られているサボテン、多肉植物専用の培養土を使用するのがよいです。水はけのよい土ですが、鉢底石も忘れずに入れてください。棘のあるものが多く、手に刺さるととても痛いので、厚い手袋をして作業したり、小さなものは割り箸などで挟んで作業してもよいです。植え替え後は午前中少し日が当たるような所か50%ぐらい遮光して、1週間ぐらいしてから水を与え日に当てます。

鉢植え選び

ウチワサボテンは真っ直ぐ上に伸びない事が多いので、高くなると重みで倒れやすくなります。プラスチックの鉢ではなく、テラコッタなど重めの鉢植えを使うとよいです。植え替え後は茎の重みで傾き根が浮く事があるので、支柱を立て紐で傾かないよう支えておくとよいです。柱サボテンも高くなると倒れやすいので、重めの鉢植えの方がよいと思います。球サボテンは普通の鉢植えでよいです。

増やし方

子株の挿し木

種類によってよく子株が発生します。ある程度大きい苗を作りたい場合は好みの大きさになってから挿し穂にするとよいです。

ウチワサボテンの子株

球サボテンの子株
取ったら根元が完全に乾くまで日陰で数日間から1週間ぐらい乾かします。用土は鉢植えと同じ水はけのよい土を利用し、水やりは控えめにします。水やりが多いと腐りやすく、たまに2日ぐらい完全に乾かした方が水を求めて発根しやすいようです。置き場所はできるだけ明るい日陰か、午前中少し日が当たるような所に置き、発根したら日向に置くようにします。時期は植え替え時期と同じです。

大き目の挿し穂

小さい挿し穂

挿し木後 約2年

種取り、種まき

花が咲いたら綿棒におしべを着け、別の種類の花のめしべに受粉させます。しばらくすると花がしおれて割れてきたら、それをガーゼなどに包んで水洗いし、種だけをとって乾燥させて使うそうです。時期は5月から7月頃、用土は川砂などを、鉢は浅鉢がよいと思います。種を上に乗せるだけで覆土はしません。直射日光に当てないよう、上に50%ぐらいの遮光ネットを敷くとよいです。水やりは霧吹きで与えます。発芽して2、3か月ぐらいしたら、浅鉢に1cmぐらいの間隔で移植して、肥料はごく薄い肥料を春や秋に数回与えます。翌年の3月から9月上旬頃、引っ付くぐらい大きくなったら定植します。
6月下旬(種まき後、約25日)
サボテンの発芽 サボテンの発芽

肥料

多く必要ありません。春の5月から6月頃と秋の9月頃に、月1、2回、2000倍ぐらいに薄めた液体肥料を与えるぐらでよいです。濃い肥料は根を痛めるので注意してください。

冬の管理方法

乾燥に強く、寒さにも比較的強いので、水さえ与え過ぎなければ比較的容易に越冬できます。冬に水を与えすぎると根元から腐ってくる事があるので、冬の水やりがよく分からない場合は完全に水を切った方が安全です。置き場所はできるだけ日当たりのよい窓辺に置きます。

胴切り

長くなり過ぎてしまったサボテンは短く切って新しい子株を発生させたり、根腐れしてしたものを生きている部分だけを切って挿して再生させる方法があります。挿す場合は切り口が腐りやすいので、株の大きさによって1週間から3週間ぐらいかけて完全に乾燥させて、軽く湿らせた用土の上に乗せて発根を待ちます。時期は4月中旬から5月頃、水やりが多いと腐れやすいので、完全に白く乾いてから2日ぐらいして与えるぐらいでよいです。

元の親株

挿し木

3〜4か月後

親株から子株はよく発生しますが、挿し木は腐れやすく失敗する事が多いです。もし成功して発根したら9月上旬頃までに植えますが、時期が遅くなった場合は来年の春に植えるとよいです。写真のように挿し穂が腐って失敗しても子株が発生する事があるので、取って土に挿せば苗が出来ます。

親株から子株が発生

挿し穂から子株が発生

接木サボテン


接木サボテン
お店に行くと、緑の茎の上が橙色をしたものが売られている事があります。これは台木の上に別の種類が接ぎ木されたものです。このように行われる理由は、根が弱く栽培の難しい品種を丈夫な台木を利用して栽培する事、成長や開花を早くさせる事、増やす目的で行われる事もあります。台木には根の強い品種が使われ、お互いを部分的に切り、切断面の中心にある形成層が合わさるように重ねなれ、切断面が離れないよう糸やテープで巻きつけられます。雨の当たらない日当たりのよい所に置いておくと、うまくいけば1週間から2週間で活着するそうです。写真は台木に三角柱が利用され、上に乗った橙色のはヒボタンという品種になります。他に台木として利用されるのは、竜神木、袖ヶ浦、宝剣、短毛丸、杢キリンなどが使われるそうです。
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