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シェフレラ(カポック)

学名:Schefflera arboricola
科・属名:ウコギ科・シェフレラ属
別名:ヤドリフカノキ
原産地:台湾、中国南部
分類:常緑低木
寒さ:弱い(5度以上)
暑さ:強い
日照:日向(夏は半日蔭)
耐陰性:あり
通販:楽天市場にあり

シェフレラ 斑入りのシェフレラ
シェフレラの仲間は熱帯から亜熱帯地域に150種類ぐらいが分布しています。シェフレラという名前で売られているのはこのページで紹介しているカポックという種類で台湾、中国南部に分布しています。葉は手を広げたような姿で光沢があり、自生地では高さが3mから4mになる低木の樹木です。観葉植物として昔から人気があり、寒さにも比較的強く育てやすいです。よく出回っているのはシェフレラホンコンという園芸品種です。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
場所 室内の日向(5度以上) 日向 半日陰 日向 室内の日向
植え替え 適期 可能
挿し木・取り木 挿し木・取り木
切り戻し 切り戻し
肥料 肥料
水やり 控えめ 鉢土の表面が乾けば与える 控えめ

いろいろな品種

原種は葉の先端が尖り枝が多く分岐します。よくお店に出回っているのは園芸品種のシェフレラホンコンで、原種に比べると葉が厚くて先端は丸く、全体的にまとまった姿をしています。また斑入りの品種も葉の先が丸いタイプと尖ったタイプがあり、生育が穏やかな感じがします。その他にも園芸品種で小枝の多いコンパクタ、ホンコンの実生で出来た葉先の形が不規則なレナータなどもあります。いずれも育てやすさにあまり違いはないです。

シェフレラホンコン

葉の先端が丸いタイプの斑入り

葉の先端が尖ったタイプの斑入り

シェフレラ(カポック)の育て方

春の管理

この時期は日当たりの良い所に置くのが理想的です。耐陰性があるので明るい日陰でも育ちますが、室内では窓辺などできるだけ明るい所に置いた方が育ちがよいです。水やりは鉢土が白く乾けば与え、肥料は5月頃から緩効性の化成肥料を置き肥したり、液体肥料を与えます。

切り戻し、剪定

生育が早いので樹形が大きくなりやすいです。もし樹形が大きくなり過ぎた場合は、枝を好みの長さに切り戻すとよいです。時期は4月中旬から6月頃、切った付近から新芽が伸びて2ヵ月ぐらすると葉が茂ってきます。写真は冬に霜の当たらない戸外に置いたものが、氷点下の寒さで葉が落ちて枝先が枯れたものを切り戻しました。寒さで部分的に枝が枯れても、根が生きていればまた葉が茂ってきます。切った先は挿し木にして増やす事もできます。

冬の戸外で枝先が枯れた

切り戻し後

植え替え

根の張るスピードが早いので2年すると鉢底から根が出て根詰まりする事も珍しくないです。根が詰まると生育が悪く、夏に水切れしやすくなったり、冬になると葉が沢山落ちる事もあります。時期は春の4月下旬から6月頃に行うのが理想的ですが、9月上旬頃まで行えます。用土は市販されている観葉植物の培養土、自分で作る場合は赤玉土(小粒)6、腐葉土4など、標準的な自分好みの配合でよいです。伸びすぎた根は短く切り、根鉢の周りを軽く壊して一回り大きな鉢に植え替えます。もし鉢を大きくしたくない場合は、根鉢の周りの土を多めに取り除いて植え替えるとよいです。写真は冬に枝が傷んだものを切り戻して植え替えました。その他の基本的な事は植え替えのページを参考にしてください。

根鉢の周りを崩しました

前より小さい鉢に植え替えました

約45日後には葉が増えました

夏の管理

日光は好きですが、強い日差しに当たると葉が焼ける事があります。午前中の弱い日光が当たる所から明るい日陰に置くとよいです。室内の日が当たる窓辺ではレースカーテン越しに当たる所がよいです。またエアコンの冷風は空気が乾燥して葉が傷むので、直接当たる所は避けます。水やりは鉢土の表面が白く乾いてきたら与え、肥料は春と同じように緩効性の化成肥料を置き肥したり液体肥料を与えます。

葉焼けに注意

戸外の玄関など、春から直射日光に当てれば葉が厚くなり夏の日差しでも葉が焼けません。しかし、日陰で育ったものを夏の日差しに急に当てると葉が焼ける事があります。もし日陰で育ったものを日の当たる所に移動させる場合は、午前中の弱い日光から当て始め、日の当たる長さを徐々に伸ばすように慣らせます。日差しの下では水を多く吸い上げるので水やりは毎日、水切れすると葉が焼けるので注意してください。

戸外のコガネムシ対策

戸外ではコガネムシが鉢植えの土に卵を産み、孵化した幼虫が根を食べて生育が悪くなる事があります。株元にオルトランDX粒剤を7月中旬と8月中旬に散布しておくと予防する事ができます。寒さに弱く秋の終わり頃に室内へ入れますが、それまでに薬剤が残らないよう遅くならないよう散布した方がよいです。

秋の管理

9月の日差しもまた強いので、日陰で育ったものを急に直射日光に当てると葉が焼ける事があります。当てる場合は徐々に慣らせてゆきます。水やりは鉢土が白く乾けば与え、秋の始めは生育が旺盛なので肥料も春から夏と同じように緩効性の化成肥料を置き肥したり液体肥料を与えます。

生育が鈍る10月下旬

熱帯から亜熱帯地域の植物なので10月終わり頃になって気温が下がると水の吸い上げが遅くなり生育が鈍ります。土の乾きも遅くなるので、水やりの間隔も日があくようになります。肥料は止めて戸外で育てているものは室内の日当たりのよい所に置きます。

冬の管理

冬は室内の日当たりがよく朝の気温が5度以上ある所に置きます。湿度の高い所を好むので、冬は空気が乾燥して葉が傷みやすいです。特にエアコンの乾いた風が直接当たる所は避け、昼間などの暖かい時間帯に霧吹きで葉水を与えると葉が傷むのを予防する効果があります。冬は寒さで生育が完全に止まるので、肥料は与えず水やりは控えめにします。冬に水やりが多いと根が腐れやすいので、鉢土の表面が完全に白く乾いて、更に2、3日後に与えるぐらい控えめでよいです。その他、冬の管理については観葉植物の冬の管理をご覧下さい。

暖房による寒暖の差

暖房のある部屋は、暖房を切った時間との寒暖の差が大きく、少し暖かくなる初春になると葉が一気に落ちる事があります。シェフレラは暖地の戸外で越冬するほど比較的寒さには強いので、気温が5度以下にならない暖房の効いていない部屋に置いた方が葉が落ち難いです。葉が落ちるだけで枯れる事はないですが、葉が茂るまで寂しい姿になってしまいます。

葉が落ちる前

冬に葉が落ちてしまった

暖地では戸外で越冬可

冬に凍らないぐらいの暖かさのある暖地では、霜が当たらない軒下で越冬が可能です。暖地でも氷点下の日か何日が続くと、枝が部分的に枯れる事があるので、大きくて部屋に入らないなど仕方のないものを除けば、できるだけ室内で越冬させた方が無難です。

冬を越えたシェフレラ

うまく冬を超えると多少葉が落ちるぐらいです。もし、葉が多く落ちてしまった場合は、水の与えすぎによる根腐れや根詰まりをしている事があります。多少の根腐れでも全体が枯れる事は少ないので、4月下旬頃になったら剪定を兼ねて、腐った根を取り除いて新しい土で植え替えるとよいです。

年間を通じて霧吹きを

湿度の高い所を好むので、年間を通じて霧吹きで葉水を与えると葉の痛みが少ないです。冬は室温ぐらいに温めた水を利用した方がストレスを与えなくてよいと言われています。春から秋の暖かい時期は、たまに戸外で全体にシャワーをかけると、葉に着いたホコリなどが取れて葉色も美しくなります。

増やし方

挿し木

挿し木で容易に増やす事ができます。長さ10cmぐらいの挿し穂を用意して、先の葉を2枚ぐらい残して他は取り除きます。葉の面積が広いのでハサミで半分ぐらいに切ると挿し穂が弱り難くなります。小鉢に赤玉土(小粒)7、ピートモス3などの土を入れ、葉の取った節が土に埋まるように挿します。葉の重みや風で倒れそうな場合は、細い支柱や割り箸などを立ててヒモやビニタイで固定しておきます。時期は5月から8月頃まで、明るい日陰に置いて水やりします。うまくいくと2ヵ月ぐらいで定植できるので、5号鉢に2株を目安に植え付けます。定植時期が9月を過ぎてしまった場合は翌年の春に植えます。

挿し穂

小鉢やポットに挿し木

取り木

下葉がなくなって見苦しく感じたり、樹形が大きくなり過ぎたら取り木をする事が出来ます。挿し木よりも早く樹形を大きく出来るのがメリットです。2ヶ月もしたら根が出てくるので切って植え付けます。親株の切った付近からも新芽が出てきます。その他は取り木のページを参考にしてください。
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