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デンファレの育て方

デンファレ (デンドロビューム・ファレノプシス)

■学名:Dendrobium phalaenopsis
■科・属名:ラン科・デンドロビウム属
■原産地:ニューギニア、北オーストラリア
■分類:多年草、着生蘭、非耐寒性
■開花期:5月〜7月頃(冬の最低温度15度以上)、9月〜10月頃(冬の最低温度7度前後)、冬(温室)
■草丈:60cm〜80cm
■花径:5cm〜8cm
■用途:鉢植え、切花
■花言葉:お似合い、わがままな美人

デンファレの紹介

デンドロビュームのファレノプシス系の花です。別に胡蝶蘭と交配して作られたランという訳ではありません。ただ花の姿が胡蝶蘭に似ているという事だけでファレノプシス系と名づけられたものです。ノビル系のデンドロビュームは花を咲かせるのに手間がかかりますが、こちらは比較的簡単に花を咲かせる事ができます。デンファレはニューギニア、北オーストラリアなどが原産で、胡蝶蘭に似たかわいらしい魅力的な花です。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花時期 開花(温室育ち) 自然開花
場所 室内の日向(10℃以上) 日向 遮光(20〜30%) 日向 室内の日向
植え替え 植え替え
株分け 株分け
高芽取り 高芽
肥料 肥料
鉢の水やり 控えめ 鉢土の表面が乾けば与える 控えめ


デンファレの育て方

開花株の管理

開花株は年間を通じて売られています。場所は出来るだけ明るい窓辺などで育てます。6月から9月頃に直射日光の当たる場所では、日差しが強すぎるのでレースカーテン越しの日光に当てるぐらいにします。冬に入手したものは寒さに弱いので、暖房の効いたできるだけ暖かく日当たりのよい所で育てます。水やりは生育温度のある5月から10月頃なら表面が乾いてきたら与えます。その他の気温の低い時期に入手したものは控えめに、表面が完全に乾いてから与えます。冬は暖房の温風の当たらない所に置き、空気がよく乾燥するので、暖かい時間帯に霧吹きで葉水をしてあげるとよいです。開花中の肥料は必要ありません。

花後のデンファレ

贈り物などで売られているデンファレは、数株のポット苗が寄せて植えられてる事があります。寄せ植えされたまま管理すると根が腐りやすく育て難いので、花が終わったら各一株ずつにして育てるようにします。花が終わった時期が5月から6月頃なら、一鉢ずつにして植え替えますが、それ以外の時期の場合は各ポット苗を出して、一鉢ずつ育てるようにして、春の5月から6月頃になったら植え替えます。

ノビル系との違い

デンファレはノビル系のデンドロビュームより育てやすい洋蘭です。以下にノビル系との育て方の違いを書いていますので、参考にしてください。
  • 夏の間が成長期であることは両方とも同じですが、成長開始がデンファレの方が1カ月から2カ月ぐらい遅く、5月〜6月からになります。
  • 肥料はデンファレの方が沢山必要とし、ノビル系のデンドロビュームのように7月で肥料を打ち切る必要がなく、最低気温が15度以下になる秋まで肥料を与え続けてかまいません。
  • ノビル系のデンドロビュームは秋から水を少なくしないと花芽がつきにくくなりますが、デンファレは成長期に水、日光、肥料を十分に与えていれば自然に花芽がつきます。

置き場

最低温度が15度以上になれば半日以上直射日光が当たる風通しのよいところに置きます。夏は葉焼けするので20〜30%ぐらい遮光します。購入したばかりのものは、6月頃の日差しでも葉焼けを起こす事があるので、急に当てずに少しずつ慣らすようにします。最低温度が15度以下になれば日当たりのよい室内に入れます。冬は暖房の効いた日当たりのよい窓辺などに置いて10度以上で育てます。 冬に葉がなくなっても、茎のバルブが青々としていれば、夏になると新芽が伸びてきます。
株元からの新芽

水やり

生育期の春から秋は植え込み材料の表面が乾けばたっぷり与えます。乾燥には比較的強い方で、冬の水やりは表面が白く乾いてから更に2〜3日後の暖かい午前中に与えます。もし10度以上を保てない場合は、植え込み材料の渇きが悪いと根腐れしていまう事があるので、開花していないものなら月に1回ぐらい軽く与える程度にして、乾燥気味に越冬させるとよいです。暖房中の室内では、暖かい時間帯に時々霧吹きなどで湿度を与えて育てるとよいです。

肥料

春の新芽が伸び始めた頃から秋まで、固形肥料などを置き肥して、液体肥料なども定期的に与えます。真冬は気温が低くてあまり活動していないので、一切与えません。しかし、最低温度が15度以上ある温室内などで生育している場合は与えます。

植え替え

デンファレの植え替え後 根が鉢一杯になったら植え替えを行います。デンファレは急に大きな鉢に植えると成長が止まる傾向があるので小さな鉢に植えつけます。小さい鉢に植えつけるので1、2年もしたら根が詰まるので、古い水蘚と腐った根を取り除いて植え替えます。時期はノビル系のデンドロビュームよりも成長開始期が遅いので、新芽が出てくる5月〜6月頃に行います。用土は水ゴケかバークに軽石の入った洋蘭用の土などを利用します。鉢は水蘚を利用した場合は素焼きを、バークを使用した場合はプラ鉢や化粧鉢などを使用するのがよいと思います。その他、植え替えについては洋蘭の植え替えをご覧ください。

株分け

鉢が大きくなり過ぎた場合は株分けします。方法は植え込み材料を出来るだけ取り除き、腐った根は切り除きます。バルブを2、3個つけて丁寧に根をできるだけ傷めないようにハサミで切り分けます。時期は植え替えと同じ春に行います。

高芽とり

夏頃に高芽が出てくる事があります。そのままつけておくのはよくないので、夏に出てきたものは秋の9月中旬から下旬頃に、水蘚などを使って植えつけます。
デンファレの高芽

高芽の植え付け

支柱立て

デンファレの支柱立て
デンファレに支柱

その後の開花
バルブが傾くと鉢の安定性が悪く、見かけも悪いので支柱で支えておきます。花茎も長く伸びると倒れてくるので、支柱で支えておくとよいです。花は明るい方に向いて咲くので、咲かせたい方向が明るくなるように置きます。

花茎切り

花は下から上に向かって咲きます。他の洋蘭と同じく花はいつまでもつけておかずに、先端の花が開いて、はじめに咲いた花がしおれたら花茎の付け根から切り取ります。切り取った花は切り花に利用できます。花茎は胡蝶蘭のように途中から切っても、2番花が咲くような事はありません。ノビル系のように高芽がつく事があるので、秋頃に切りとって植え付けて増やす事ができます。高芽はいつまでも切り取らずにほっておくと株に悪影響がありますので、必ず切り取ってください。