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イベリス

別名:キャンディタフト
科・属名:アブラナ科・イベリス属/原産地:イベリア半島〜地中海沿岸/学名:Iberis

分類: 一年草、多年草
寒さ: 強い
暑さ: 一年草は暑さで枯れる
草丈: 20cm〜40cm
花序: 3cm〜6cm
花色: 白、桃色、赤、紫
種まき: 秋まき
発芽温度(20℃前後)
直まき、ポットまきなど(移植を嫌う)
場所: 日当たりを好む
用途: 鉢植え、花壇、切り花
花言葉: 甘い思い出
イベリスはイベリア半島から地中海沿岸に40種類ぐらいが自生しているアブラナ科の草花です。一つの花は4枚の小さな花びらで、無数に集まって花序になっています。日本で主に育てられているのは3種類あって、大別すると一年草タイプと多年草のタイプがあります。花色は白が多いですが、ウンベラータはピンク、紫、赤もあります。草丈の高いものと低いものがあって、高いものは切り花にも利用されています。英名のキャンディタフトは砂糖菓子の房のようだからとか、カンディア(Candia)という町のtuft(房)と言われたりしています。カンディアは地中海に浮かぶクレア島の旧都市名で今のイラクリオンです。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花時期 種類による
場所 日向 半日蔭(センペルビレンス) 日向
種まき 種まき
植え付け 植え付け 植え付け
肥料 肥料 肥料
鉢の水やり 鉢土の表面が乾けば与える

イベリス
6月上旬、自宅の庭

イベリス(紫)
6月上旬、自宅の庭

一年草と多年草のタイプ

一年草タイプ

秋に種を蒔いて苗が作られます。4月から6月頃に花を咲かせ、夏になると暑さで枯れます。主に流通しているのは以下の2種類です。

ウンベラータ(I. umbellata)

イベリス・ウンベラータ
花は小輪ですが分岐が多く、花色は白の他にピンクや紫、赤もあります。草丈は40cmぐらいですが、密集して植えるともっと背が高くなる性質があるので、これを利用して切り花栽培される事があるそうです。

アマラ(I. amara)

大輪で白花を咲かせます。草丈が低い30cmぐらのものと、高性の60cmぐらいになる品種があります。

多年草タイプ(センペルビレンス)

イベリス・センペルビレンス
センペルビレンス(I. sempervirens)が流通していて、挿し芽から苗が作られている事が多いです。草丈は20cmぐらいと低く、小輪の白い花を咲かせます。花の時期は3月頃からと早く、次から次へと咲かせ続けます。石灰岩の水はけのよい所に自生していてので、水はけのよい土を利用して鉢植えにされたり、庭ではロックガーデンにされたりします。高温多湿に弱く夏に枯れてしまう事がありますが、置き場所と土に配慮すれば超えてくれます。

イベリスの育て方

センペルビレンスの植え付け

イベリス・センペルビレンス
秋から春にポット苗が出回る事があるので、手に入れたら植え付けます。庭の黒土などに植えると夏に枯れやすいので、越させたい場合は鉢に植えた方がよいです。鉢植えの土は普通の草花用では保水性が良すぎて夏に根腐れしやすいので、水はけのよい山野草の土などに植えるとよいです。寒さには強いですが、早春頃の開花株は霜が当たらない日当たりのよい所に置くとよいです。 写真は同じ水はけのよい土を好む植物同士を寄せ植えしたものです。

一年草タイプの種まき

ウンベラータやアマラの種が売られている事があります。時期は9月下旬から10月中頃に、方法は移植を嫌うので直まきポットに蒔くとよいと思います。覆土は種が隠れるように行います。移植を嫌いますが、箱まきも本葉が2、3枚の小さな頃、根を痛めないよう丁寧に行えば大丈夫です。

定植

花壇では酸性土壌を嫌うので苦土石灰、牛糞などの堆肥、水はけが悪いようなら腐葉土などを混ぜ込んで25cmぐらいの間隔で定植します。寒さには強いですが、秋に植える場合は霜柱で根が切れてしまう事があるので、簡単に霜よけしておくと安心です。鉢植えの用土は水はけの良い用土、例えば赤玉土(小粒)6、腐葉土3、パーライト1などを利用するといです。 直根で根鉢が壊されるのを嫌うので注意してください。
11月中旬 2月1日 4月上旬

ポットに種を蒔いた苗を定植

少し大きくなりました

開花 約 1ヵ月前

場所

よい花を咲かせるには、できるだけ日当たりのよい所に置きます。冬の寒さには強く暖地では戸外で越冬します。夏の高温多湿を嫌うので、花が咲く頃に長雨が続く時は、鉢植えを雨の当たらない軒下などに移動するとよいです。夏になると一年草のタイプは枯れてしまいますが、センペルビレンスは雨の当たらない風通しのよい半日陰に置くと越させる事が可能です。

水やり

過湿を嫌います。鉢植えでは鉢土の表面が乾けば与えます。花壇では植え付け後はしばらく乾かし過ぎないように注意しますが、その後はあまり雨が降らずに乾き過ぎるようなら与えるぐらいでよいです。

肥料

肥料はあまり多く必要としません。鉢植えでは緩効性の化成肥料を置き肥するぐらい、花壇では堆肥を混ぜ込んで植えつけ、生育が見ながら即効性の化成肥料を追肥するとよいです。

センペルビレンスの手入れ

涼しい所を好むので、暖地では3月から4月頃によく花を咲かせ、5月頃になって気温が上がると咲き終わります。

花茎切り

花の咲き終わってきた花茎は切り取ります。元の方には花芽が出ている事があるので、残しておくとまた花が咲きます。
3月下旬

咲き終わってきた花茎

花茎切り

茎の途中から伸びる花芽

植え替え

暑さを嫌い気温の高い時期は避けます。花後すぐの4月下旬から5月上旬頃に行うか、暖地では秋の涼しくなった10月頃に行うと安全に行えます。直根で根鉢を壊されるのを嫌うので、周りの土を軽く取り除くぐらいにして植え替えます。写真は10月に寄せ植えをしていたものを、各バラバラにして植え替えたものです。用土は山野草の培養土です。
10月下旬

根鉢の周りを軽く壊しました

同じ鉢に植え替えました

切り戻し

花後に伸びすぎた枝を切り戻しておきます。葉を残さずに切ると枯れやすいので注意してください。切った先は挿し芽に利用できます。芽はゆっくりとしたスピードで伸びてゆきます。

挿し芽

時期は春の5月頃、秋の10月頃に行えます。長さ5cmぐらいの挿し穂を用意して、下の方の数枚の葉を取ってその節が用土に埋まるように挿します。用土は酸性土壌を嫌うのでパーライトや川砂を混ぜて挿すとよいと思います。1ヶ月もすると芽が伸びてくるので、春に挿した場合は10月頃に鉢上げして翌年に開花させるようにします。秋に挿した場合は早春に鉢上げしますが、生育がゆっくりなので花が多く咲くのは再来年からになると思います。
5月上旬 6月中旬

挿し穂

ポットに挿しました

芽が伸びてきました

数年すると樹形が乱れます


3年経って樹形が乱れたもの
多年草ですが数年すると樹形が乱れやすいです。また夏の高温多湿で枯れる事があるので、毎年挿し芽をして苗を作っておくとよいです。
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