アヤメの仲間はとても種類が多く、陸地で育つものから水辺で育つ種類があります。こちらで紹介しているハナショウブは水辺に近い湿った所に生息して育つ仲間です。花の咲く時期は梅雨頃で、菖蒲園に行くと沢山植えられた花が一斉に咲いている姿はとても見事です。特に梅雨の曇り空の中に咲いている紫色のハナショウブはとても美しく見えます。
原種はノハナショウブという紫色の花を咲かせる種類で、江戸時代から品種改良が続けられ、今では5000以上の種類があるそうです。主な品種は江戸種、伊勢種、肥後種、長井古種に分けられており、長井古種は原種に近い花の形をしていて、昔の絵に描かれているようなすっきりした姿をしています。その他の品種は花びらが広く丸っこい感じで、江戸種は花びらが短い感じ、伊勢種は花びらが長い感じ、肥後種は花びらが重なった感じにみえますが、似ているので見分けが難しいです。
アヤメの仲間とハナショウブの見分け方
全てのハナショウブの品種は花びらの根元が黄色くなっています。花びらの付け根が白いアヤメの仲間はイチハツやカキツバタなどがあり、同じ花びらの元が黄色い仲間はジャーマンアイリス、アヤメなどがあります。ジャーマンアイリスは花弁の根元にヒゲ状の毛のようなものが生えているので見分ける事ができ、アヤメの花弁の元は紫の網目になっているので見分ける事ができます。また、黄色い花を咲かせる’愛知の輝’という、キショウブとハナショウブとの交雑種もあって、花の姿がそっくりです。見分け方はキショウブの花色は鮮やかな黄色に対して花色が薄いです。 |