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クレマチス

別名:テッセン(鉄線)
科・属名:キンポウゲ科・クレマチス属/原産地:地中海沿岸、中国、日本/学名:Clematis

分類: 常緑または落葉多年草
つる性または木立性

寒さ: 強い
暑さ: やや嫌う
花径: 種類によって3cm〜25cmぐらい
花色: 白、紫、青、ピンクなど
場所: 日向(夏の鉢植えは半日蔭)
増やし方: 挿し木
用途: 鉢植え、花壇、切り花
花言葉: 心の美しさ、たくらみ、高潔、旅人の喜び
通販店: 楽天市場にあり
世界の温帯地域に約300種類が分布しています。イギリスでは蔓性植物の女王と言われ、アーチ、ポール、フェンスなどに這わせ植えられます。日本では中国から入ったテッセンや日本原産のカザグルマが江戸時代からよく栽培されていたそうで、ヨーロッパでは19世紀以降に色々な原種が集められ、新しい園芸品種が作られるようになったようです。種類の多くは春から秋に咲く四季咲きですが、春にだけ花を咲かせる一季咲き、冬に咲く常緑クレマチスというのもあります。花は開いて咲くものが多いですが、小さなベル咲きで一見すると別の花のように見える種類もあります。

クレマチスの系統

下記は一部ですが、いくつかの系統に分けられています。新しく伸びた当年枝に花が咲くもの、前年枝の古い枝に花を咲かせるもの、また新枝、古枝両方に花が咲くものと系統によって異なります。また開花時期が異なるものも少なくありません。

パテンス(カザグルマ)

日本の秋田県から九州、朝鮮半島に自生していて、数が減って日本では絶滅危惧種に指定されています。花色は白から薄紫色で5月頃に花を咲かせま、一重咲きと八重咲きがあります。前年枝から伸びた枝の節に花を咲かせ、一季咲きの性質が強いです。

ラヌギノーサ

中国原産で薄紫色の大輪の花を咲かます。前年枝、当年枝から伸びた枝に花を咲かせ、5月頃から開花する四季咲きの性質が強いです。

ビチセラ

南ヨーロッパからアジア南西部に自生しています。前年枝、当年枝から伸びる枝に花を咲かせ、5月下旬頃から開花する四季咲き性の性質が強いです。

ジャックマニー

イギリスのジャックマンという人がラヌギノーサとビチセラを交させてで作った品種です。5月下旬頃から開花する四季咲きで、前年枝、当年枝から伸びた枝にも花を咲かせます。花色が濃く多花性の性質があります。

テキセンシス

アメリカのテキサス州からメキシコに自生しています。花は赤系のベル咲きで6月頃からと遅咲きです。四季咲き性の性質が強く、当年枝に花を咲かせます。

フロリダ

中国原産で白色の花を咲かせ、テッセン(鉄線)と呼ばれる品種です。名前は針金のように硬い蔓をしているのでこう呼ばれています。前年枝、当年枝から伸びる枝に花を咲かせます。5月頃から開花する四季咲き性で春と秋に花を咲かせますが、春の花後に2番花が咲くよう剪定した方が秋に花が咲きやすいです。

アーマンディ

中国原産の常緑で花は白色で芳香があり多花性です。花期は3月から4月頃の一季咲き、前年枝の節に複数の蕾を着けて沢山の花を咲かせます。剪定はあまり必要としないですが、伸び過ぎたら花後に適度な長さに切るぐらいでよいです。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花時期 四季咲きクレマチス
場所 日向(夏の鉢植えは半日蔭)
植え付け 植え付け 植え付け
植え替え 植え替え 植え替え
挿し木 挿し木
剪定 花後の剪定
肥料 肥料
鉢の水やり 控えめ 鉢土の表面が乾けば与える 控えめ

クレマチス(紫)
5月上旬、自宅の庭

クレマチス(白)
5月上旬、自宅の庭

クレマチス・アーマンディ
4月上旬、植物園

ベル咲きのクレマチス
6月下旬、植物園

クレマチスの全体
5月中旬、自宅の庭

八重咲きクレマチス
6月下旬、植物園

クレマチスの育て方(四季咲き)

クレマチスは種類が多く、剪定方法などが若干異なります。下は大輪の花を咲かす四季咲きの育て方になります。

場所

日当たりがよく風通しのよい所を好みます。やや夏の暑さを嫌うので、庭植えでは株元が半日蔭ぐらいになる所で、フェンスなど葉や茎の這う所にはよく日が当たる所に植え付けるとよいです。夏の鉢植えは午前中は日光に当てるぐらいにするか、35%ぐらい遮光して育てるとよいです。

植え付け

時期は落葉期の11月から3月頃まで行えます。寒い地域では真冬の1月から2月中旬頃は避けた方がよいです。花壇の植え付けの際は苦土石灰、元肥として堆肥と腐葉土などを混ぜ込んで植え付けます。鉢植えでは花の培養土や自分で作る場合は赤玉土(小粒)7、腐葉土2、ピートモス1(酸度調節済み)などに、あればマグァンプK(中粒)などの緩効性の元肥を混ぜて植え付けます。蔓が伸びるので支柱もつけます。
2月下旬に鉢植えを庭に植え付け 5月上旬に開花

植え替え

鉢植えの植え替えは毎年行います。時期は2月下旬から3月頃、秋の9月中旬から10月中旬頃に根鉢を崩さずに一回り大きな鉢に植え替えます。植え替える際に土の中に株元から1節から2節埋めて植え替えると株立ちがよくなります。用土や肥料は植え付けの項目と同じです。蔓が伸びるのでアンドン仕立てなどにして支柱をつけます。その他は花の植え替えのページを参考にしてください。

水やり

四季咲きで大輪の花を咲かせる種類は水切れを嫌うので、鉢土を乾かさないように水やりをします。冬は鉢土の表面が乾けば与えます。花壇では特に与える必要はありませんが、あまり雨が降らないようなら与えます。

肥料

肥料を好みます。鉢植えでは3月から10月まで緩効性の化成肥料や液体肥料などを与えます。花壇では3月頃、5月頃、7月頃、秋の10月頃に骨粉入りの固形油かすなどを与えます。その他は花の肥料のページを参考にしてください。

剪定

一季咲き性は前年枝に花芽がつくものが多く、四季咲き性は前年枝や新しく伸びた枝の新梢に花芽がつくものが多いです。大輪を咲かせる四季咲き性は花後に剪定すると、新しい枝に再びよい花がつきます。大輪を咲かせる種類は深く剪定すると花の数が減りますが大輪になり、浅く剪定すると花の数が増え小ぶりになります。剪定して開花するまでは60日ぐらいで、うまくいくと3番花まで花を咲かせることができます。

剪定の方法

  1. 1番花が終わったら、蔓の節を二節は残して半分ぐらい切り戻します。節から脇芽の蔓が伸びてその新梢に2番花を咲かせます。
  2. 2番花が咲き終わったら、1と同じように蔓の節を二節は残して半分ぐらいに切り戻し3番花を咲かせます。

増やし方

挿し木

剪定した枝を挿し木にして増やすことができます。時期は5月から6月頃に行うのが理想的です。頂芽2、3節分の挿し穂を用意して30分ぐらい水揚げします。一番下の葉を取って、あれば発根促進剤をつけてパーライトなどに挿します。平鉢などを利用して挿し、2、3カ月ぐらいしたらポットに仮植えして、翌年の春になったら適度な大きさの鉢に植えつけます。その他は挿し木のページを参考にしてください。

挿し木後約4ヶ月

病気や害虫

アブラムシが発生したら殺虫剤で駆除します。予防にはオルトラン粒剤などを利用するとよいです。また、うどんこ病やさび病が発生する事があるので、ダコニール1000やダイセンなどの殺菌剤を利用して予防するとよいです。
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