世界の温帯地域に約300種類が分布しています。イギリスでは蔓性植物の女王と言われ、アーチ、ポール、フェンスなどに這わせ植えられます。日本では中国から入ったテッセンや日本原産のカザグルマが江戸時代からよく栽培されていたそうで、ヨーロッパでは19世紀以降に色々な原種が集められ、新しい園芸品種が作られるようになったようです。種類の多くは春から秋に咲く四季咲きですが、春にだけ花を咲かせる一季咲き、冬に咲く常緑クレマチスというのもあります。花は開いて咲くものが多いですが、小さなベル咲きで一見すると別の花のように見える種類もあります。
クレマチスの系統
下記は一部ですが、いくつかの系統に分けられています。新しく伸びた当年枝に花が咲くもの、前年枝の古い枝に花を咲かせるもの、また新枝、古枝両方に花が咲くものと系統によって異なります。また開花時期が異なるものも少なくありません。
パテンス(カザグルマ)
日本の秋田県から九州、朝鮮半島に自生していて、数が減って日本では絶滅危惧種に指定されています。花色は白から薄紫色で5月頃に花を咲かせま、一重咲きと八重咲きがあります。前年枝から伸びた枝の節に花を咲かせ、一季咲きの性質が強いです。
ラヌギノーサ
中国原産で薄紫色の大輪の花を咲かます。前年枝、当年枝から伸びた枝に花を咲かせ、5月頃から開花する四季咲きの性質が強いです。
ビチセラ
南ヨーロッパからアジア南西部に自生しています。前年枝、当年枝から伸びる枝に花を咲かせ、5月下旬頃から開花する四季咲き性の性質が強いです。
ジャックマニー
イギリスのジャックマンという人がラヌギノーサとビチセラを交させてで作った品種です。5月下旬頃から開花する四季咲きで、前年枝、当年枝から伸びた枝にも花を咲かせます。花色が濃く多花性の性質があります。
テキセンシス
アメリカのテキサス州からメキシコに自生しています。花は赤系のベル咲きで6月頃からと遅咲きです。四季咲き性の性質が強く、当年枝に花を咲かせます。
フロリダ
中国原産で白色の花を咲かせ、テッセン(鉄線)と呼ばれる品種です。名前は針金のように硬い蔓をしているのでこう呼ばれています。前年枝、当年枝から伸びる枝に花を咲かせます。5月頃から開花する四季咲き性で春と秋に花を咲かせますが、春の花後に2番花が咲くよう剪定した方が秋に花が咲きやすいです。
アーマンディ
中国原産の常緑で花は白色で芳香があり多花性です。花期は3月から4月頃の一季咲き、前年枝の節に複数の蕾を着けて沢山の花を咲かせます。剪定はあまり必要としないですが、伸び過ぎたら花後に適度な長さに切るぐらいでよいです。 |