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シャクナゲ (石楠花)

別名:セイヨウシャクナゲ(西洋石楠花)
科・属名:ツツジ科・ツツジ属/原産地:日本、中国、ヒマラヤなど/学名:Rhododendron hybridum

分類: 常緑低木
寒さ: 強い
暑さ: やや弱い
樹高: 1m〜5m
花径: 5cm〜8cm
花色: 桃色、紫、白、赤、黄色など
場所: 半日蔭
水やり: 乾燥、過湿とも嫌う
肥料: 固形油粕などを。
増やし方: 挿し木、接ぎ木、種まき(春)
作業: 花がら摘み、芽摘み
用土: 酸性土壌を好む
花芽分化: 6月頃〜
用途: 庭木、鉢植え
その他: 有毒
花言葉: 威厳、荘厳
通販店: 楽天市場にあり
ツツジの仲間で無燐片シャクナゲと分類されているものが一般的に呼ばれています。原種は大変多く300種とか800種とか明確に分かっていないぐらい多くあるようです。また交配でできた園芸品種もあるので相当な数があると推測できます。高山の涼しく空中湿度の高い所に生息していて、主に北半球の中国南西部からヒマラヤ地方に多くが分布しています。日本にも標高の高い所にいくつかの種類が自生していていますが、一般に庭に植えられたり鉢植えにされたりされた歴史は浅く、明治時代になってヨーロッパで品種改良された西洋シャクナゲが入ってからの事です。日本原産もあるので、それが庭に植えられなかったのが不思議ですが、深山に生息して目につかなかった事や神聖な木とされてあまり一般の庭には植えられなかったようです。古木がお寺によくあって、今では名所になっている所が沢山あります。

西洋シャクナゲ

18、19世紀頃に中国南西部などから収集したものが主にヨーロッパで品種改良されて日本に入ったものがこう呼ばれています。明治時代から売られたのですが、暑さに弱くあまり普及しなかったのが、昭和になってから暑さに比較的強い品種が選ばれて売られるようになってから普及してきたようです。花色は鮮やかで美しく、庭植えしやすい品種が多いです。樹高は1mぐらいの矮性のものから5mぐらいになるものもあります。

日本シャクナゲ

日本の標高の高い冷涼な所に自生しているので、夏の暑さに弱く暖地では育て難いのが特徴です。大まかに十数種類がありますが、自然交配したものもあるのでかなりあるようです。北海道から九州の標高の高い所に生息しているので、平地では暑さ対策のため鉢植えにして育てられる事が多いです。下記で紹介しているのは一部だけです。

アズマシャクナゲ

東北から中部地方の高山に分布しています。花色は主にピンク色で美しく、中には白色もあるようです。樹高は3mぐらいになります。 宮城県の御嶽山(標高483m)、群馬県の草津白根山(2160m)の石古根山に生息しているものは国の天然記念物に指定されています。

キバナシャクナゲ

北海道から中部地方の高山に分布しています。花色は薄い黄色をしていて樹高は30cmぐらいと低いです。他に白花や薄いピンク色の花色もあるようです。 長野県の八ヶ岳(2899m)に自生しているものは国の天然記念物に指定されています。

ツクシシャクナゲ

紀伊半島から九州にかけて分布しています。花色は薄いピンク色で樹高は4mぐらいになります。福岡県と大分県にある犬ヶ岳(標高1131m)、長崎県の多良岳(996m)に自生しているものは国の天然記念物に指定されています。

ハクサンシャクナゲ

北海道から中部地方、四国に分布しています。花色は白から紅色で樹高は3mぐらいになります。群馬県の草津白根山(2160m)の殺生河原周辺に生息しているものは国の天然記念物に指定されています。

ホソバシャクナゲ

静岡県から愛知県の比較的標高の低い所に生息しています。葉が細いのでこの名前になっているようで、花色はピンク色と白があり樹高は3mぐらいになります。数が少なく絶滅危惧種に指定されていて、両県の天然記念物にも指定されています。

ホンシャクナゲ

ツクシシャクナゲの変種と言われています。花色はピンク、白花で樹高は3mぐらいになります。岐阜県の笙ヶ岳(標高908m)、滋賀県の鎌掛谷(標高350m)にあるものは、国の天然記念物に指定されています。

ヤクシマシャクナゲ

屋久島の標高1000m以上の高い所に生息しています。花色は白からピンク色をしており、樹高は50cmから150cmぐらいです。日本からイギリスに贈られたものが注目を浴びた美しい種類です。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花時期 開花
場所 日向〜半日蔭 半日蔭 鉢は風通しがよく明るい日陰 半日蔭 日向〜半日蔭
植え付け 植え付け 植え付け
植え替え 植え替え
挿し木 挿し木 挿し木
肥料 肥料 肥料 肥料
鉢の水やり 鉢土の表面が乾けば 表面が乾く前に 鉢土の表面が乾けば

シャクナゲ
4月中旬、植物園

シャクナゲ2
4月下旬、植物園

シャクナゲの全体
4月中旬、東山動植物園(名古屋)

シャクナゲ(濃いピンク)
4月下旬、植物園

シャクナゲ(淡いピンク)
4月中旬、植物園

赤いシャクナゲ
4月中旬、東山動植物園(名古屋)

西洋シャクナゲの育て方

鉢植え

樹高が高くならない矮性の品種が向いています。用土は酸性土壌を好むので、鹿沼土6、酸度未調整のピートモス4などを利用するとよいです。夏は半日陰に置いて乾かし過ぎないように水やりします。涼しくなった秋から春は表面が乾いてから与えます。植え替えは2年に1回を目安に根鉢の周りを3分の1ぐらい壊して行います。時期は秋の9月下旬から10月頃です。

庭植え

暑さを嫌うので、夏の西日を避けた所、または冬に葉が落ちる落葉樹の下に植え付けるとよいです。植え付け穴の土に腐葉土をよく混ぜ込んで、10cmから20cmぐらい盛り土をして浅めに植えつけます。根が細く乾燥を嫌うので枯れ葉や腐葉土などで敷いてたっぷりと水やりします。その後はしばらく水切れさせないように注意して、夏は雨が降らず乾き過ぎるようなら与えます。

肥料

鉢植え、庭木ともに寒肥として1月から2月頃、花後と秋の9月頃に骨粉入りの固形油粕などを蒔いておくとよいです。

花がら摘み

花の咲き終わった花がらは摘み取ります。種の形成に養分が使われて、新しく伸びる新芽と花芽を成長させる妨げにならないよう行います。

剪定

自然の樹形で育てるのが一般的なので必要ありません。切る場合は元から切るようにします。枝の途中を切っても脇芽がでなかったり、出ても弱かったりします。

芽摘み

5月から6月頃、花の咲かなかった枝先を見ると一つだけの芽があります。そのまま放置するとそれだけ長く伸びて樹形が乱れてしまうので手で摘み取ってしまいます。しばらくするとその周辺から複数の新芽が出て分岐し樹形も整います。

病気や害虫

グンバイムシ、ハマキムシなどの被害があるので、5月頃にスミチオンなどの殺虫剤を散布しておきます。
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