トップスイセン 花と観葉植物(葉っぱの岬)管理人の育てる環境

スイセン (水仙)

科・属名:ヒガンバナ科・スイセン属/原産地:地中海沿岸など/学名:Narcissus

分類: 球根植物
寒さ: 強い
暑さ: 葉が枯れて休眠する
草丈: 10cm〜50cm
花径: 1.5cm〜8cm
花色: 白、黄色など
増やし方: 自然分球
場所: 日当たりを好む
用途: 花壇、鉢植え、切り花
花言葉: 神秘、自己愛、自惚れ、愛をもう一度
ラッパ水仙(尊敬)、口紅水仙(詩人の心、高潔)、白(自己愛)、黄(愛にこたえて、感じやすい心)
その他: 有毒
通販店: 楽天市場にあり
スイセンは地中海沿岸周辺が原産の秋植え球根植物です。花の時期は12月頃から花を咲かせるタイプと、3月頃から花が咲くタイプがあり、秋に球根を植えておくと毎年のように花が咲いてくれます。初夏になって気温が上がると葉が枯れて球根だけで夏を超え、気温が下がると葉が伸びて花を咲かせます。球根もよく増えて毎年花の数が増えてゆき、庭では3、4年に1回ぐらい間引きするような感覚で植え直すぐらいで、その他の管理もあまり必要ないです。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花時期 開花(種類によって異なる) 開花
場所 日向 日陰(鉢植え) 日向
植え付け 植え付け
掘り上げ 掘り上げ
肥料 追肥 元肥
鉢の水やり 鉢土の表面が乾けば与える 鉢土の表面が乾けば与える
スイセン (水仙) スイセン (水仙)
スイセン (水仙) スイセン (水仙)

主なスイセンの種類

ラッパ、大杯系タイプ

一つの茎に1輪の大きな花を咲かせるタイプで多くの種類があります。寒さに当たる事で開花が促され、1月から2月頃に葉が出てきて3月頃から咲くものが多いです。
ラッパ水仙 大杯水仙 八重咲き水仙
ラッパ水仙
副冠(ラッパ)が花びらと同じかそれ以上長い
大杯水仙
副冠が花びらの3分の1以上ある
八重咲き水仙
八重の花を咲かせる

房咲きタイプ

日本水仙が代表するタイプで、芳香があり一つの茎からいくつもの小さい花を咲かせます。高い気温で花芽が形成され、涼しくなると葉が出て12月頃から花を咲かせます。
黄房水仙 ペーパーホワイト 八重房咲水仙
黄房水仙
日本水仙の黄花
ペーパーホワイト(水仙)
副冠が白くて香りが強い
八重房咲水仙
八重で房咲き

日本水仙について

日本水仙
日本の温暖な海沿いに自生しているのですが、地中海沿岸が原産です。イラン、インド北部から中国を経て室町時代以前に日本に渡って来て自生したと推測されています。どうやって渡って来たかは持ち込まれたという説と海を漂流して来たという説がありますが、海沿いに分布しているので、漂流して来たと思う方が自然なのかもしれません。晩秋頃に開花した切り花が売られている事がありますが、これは農家の方が開花を早めて売られています。

原種系

バルボコディウム(水仙)
草丈が30cmに満たない小型もあります。写真の原種のバルボコディウムは南ヨーロッパやアルジェリアなどに分布する野生種で、花の大きさは3cmぐらいで副冠が大きくペチコートとも呼ばれています。花期は1月から4月上旬頃に咲きます。

スイセンの育て方

よい花を咲かせるには

日当たりがよく水はけがよい所を好みます。できれば花後の夏は半日陰になる所、落葉樹の下などの方が球根が太ります。毎年球根を掘り上げずに2、3年は植えっぱなしの方がよく花が咲きます。芽が出た頃と開花後に肥料を与えるのを忘れないようにします。

植え付け

日本水仙などの房咲きは開花が早いので9月頃、その他の種類は9月下旬から10月頃に行うとよいです。ラッパズイセンなど大輪の花を咲かせるタイプは、植え付け前に球根を冷蔵庫の中に2週間ぐらい入れて低温に当てると開花が早まるものがあります。庭植えは毎年のように花を咲かせますが、鉢植えは球根が太り難くその年しか咲かない事があります。鉢植えにはミニ水仙というのが向いていて球根も小さいです。
房咲き水仙の蕾
12月の房咲き水仙の蕾
ラッパズイセン水仙の葉
2月のラッパズイセン水仙の葉

庭植え

苦土石灰、完熟堆肥、水はけが悪いようなら腐葉土を混ぜてやや深めに耕します。球根の3倍ぐらい覆土、間隔は15cmから20cmぐらいです。球根を埋める深さが浅いと分球しても太り難いので注意してください。

鉢植え

根の張るスペースが必要なので深めの鉢を利用します。用土は球根専用の土や自分で作る場合は赤玉土6、腐葉土3、パーライト1などの水はけのよいものを利用します。覆土は球根の高さぐらいに、間隔は球根1、2個分ぐらいスペースをあけて植えるとよいです。

水やり

秋の植え付け時期から葉が枯れるまでの間に水が必要になります。庭植えでは通常は自然の雨だけで花を咲かせますが、あまりにも雨が降らず乾き過ぎるようなら与えるぐらいでよいです。鉢植えは鉢土が表面が乾けば与えます。葉が黄色く枯れてきたら水やりを止めて雨の当たらない涼しい日陰に置いておくとよいです。

肥料

多く必要としないです。鉢植えでは秋の植え付け時期以外は、芽が出た頃と花後に緩効性の化成肥料を置き肥するとよいです。花壇では即効性の化成肥料を芽が出た頃、花後に与えるぐらいでよいです。

花がら取り

できるだけ花が咲き終わったら、花の部分だけを切り取っておくとよいです。茎は葉の代わりになるので球根を太らせるのに役に立ちます。切り花に利用する場合は短く切ってよいです。

病気や害虫

モザイク病という葉に黄色い筋が入る病気に感染する事があります。有効な農薬がないので抜き取って焼却処分するようにします。アブラムシが媒介するので、見つけたら殺虫剤で駆除します。

花後の管理

庭の植え直し

庭では2、3年は植えっぱなしの方がよく花が咲きます。ですが4年もすると球根が増え過ぎて太れず、花が少なくなってしまう事があります。4年を目安にするか花が少なくなったら、秋の植え付け付け時期にスコップなどで掘って植え直すとよいです。植え場所がないぐらい増えていたら、近所に分けてあげるとよいです。
水仙の植え直し
水仙の球根

鉢植え

花が咲き終わったら西日を避けた半日陰に置いた方が球根が太ります。小さい鉢なら花後に根鉢を壊さずに一回り大きな鉢に鉢増しすると、根の張るスペースが増えて球根が太りやすくなります。水やりは葉が黄色くなってきたら止め、雨の当たらない日陰に植え付け時期まで置いて休眠させるとよいです。植え替えは2年に1回ぐらい秋の植え付け時期に行います。

掘り起こして保存

掘り上げて乾燥させ秋にまた植える事もできます。葉先が3分の1ぐらい黄色くなったら掘り上げて、小さな球根はそのまま植えるか処分します。日陰で乾燥させて丁寧に1球ずつ分け、植え付け時期まで室内の涼しい場所にネットなどに入れて保管しておきます。

小さい球根

大きな球根は翌年も開花しますが、小さい球根は開花までに2、3年ぐらいかかるので、来シーズンは太らせる事だけを考えて植え付けるようにします。
関連リンク