庭木は剪定せずに放置しておくと、隣の家や道路に枝が出たり、高くなると庭の日当たりが悪くなる事があります。また四方八方に枝が伸びて樹形も乱れるので、定期的に剪定して形が整えられています。また古い枝は切られて、新しい枝が伸びるので生育もよくなります。樹木によって適した時期や切り方もあるので、性質を知っておく事も大切です。
知っておきたい注意点
- 一年中葉のある常緑樹と冬に葉が落ちる落葉樹では剪定の時期が異なります。
- 花木は剪定する時期を間違えると花が咲かなくなる事があります。
- 桜など切り過ぎると枯れてしまう樹木もあります。
剪定時期について
剪定カレンダー(暖地基準) |
月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
常緑樹 |
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落葉樹 |
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花木
花の咲く前の年から見えない花芽を持っているものがあるので、知らずに切ると花が咲かなくなってしまいます。剪定は花後すぐに行うとまだ花芽がないので安全です。また花芽が膨らんで見て分かる時期なら、確認しながら避けて切る事もできます。
常緑樹
常緑樹なら春の3月から4月上旬と5月中旬から6月頃、秋の9月中旬から10月中頃がよいです。春の4月中旬から5月上旬頃が抜けているのは、この時期は新芽が固まるので、切るとダメージがあると言われているので、出来れば避けた方がよいです。
落葉樹
落葉樹は葉が落ちた11月から3月頃に行えます。 葉がないのでやりやすく、蕾を持っている樹木も見分けやすいです。休眠中なのでとても安全です。
針葉樹
自然樹形で育てるので剪定は軽く形を整える程度です。時期は常緑樹と同じ頃ですが、春に葉が美しくなるものがあるので、芽を吹く前の2月から3月頃に行った方がよいものもあります。ハサミなどの金属で切ると切り口が赤くなるので、小さな枝は手で摘むとよいです。
花芽について
花木の種類によって花芽のつく時期が異なり、園芸では花芽分化期と呼ばれています。つき方や位置もいくつかのタイプがあります。草花のように新しい枝(新梢)にそのままつくものや、前年に伸びた枝に花芽がついて、翌年そこに花を咲かせるもの、花芽の所が新梢となって伸びて先に花を咲かせるものなどがあります。樹木の性質を知っておくことも大切です。
必要な道具
細い枝を切るには剪定バサミを、太い枝を切るのはノコギリが必要になります。ハサミはやや太い枝を切る事が多いので、刃が大きめのタイプを使います。高くて届かない場合は三脚が必要になりますが、高枝バサミという高い所に届くタイプもあります。もし、生垣を手入れするのであれば刈り込みバサミが必要になりますが、電動バリカンというのも売られていて早く作業が行えます。
主な方法
切り戻し剪定
伸び過ぎた枝を短く切る一般的な方法です。全体的に樹形を小さくしたり好みの形になるように切ってゆきます。切った所の枝数も増えます。
間引き剪定
込み入った枝を剪定して、日当たりと風通しよくします。日当たりがよくなると花や実のつきがよくなります。風通しがよくなると湿度が下がり、夏に蒸れて枯れるのを予防してくれます。また病気や害虫の発生も少なくなります。
刈り込み剪定
枝を選んで切るのではなく、刈り込みバサミを使って面を作るように行います。よく生垣で行われる方法で、他にツツジなどが丸く刈られる玉仕立てなどがこの方法で行われています。
時期は3月から4月上旬と5月中旬から6月頃が適期ですが、秋に伸び過ぎたら9月中旬から10月中頃にも行われる事があります。
芽を残して切る方法
位置と切り方
芽とだいたい同じぐらいの高さに切るとよいです。角度は斜めでも水平でもやりやすい方で切ればよいです。芽の下を切り過ぎると枯れ込みやすく、また枝を残し過ぎても枯れ込みやすいので注意してください。
内芽と外芽
枝の長さを短くする場合は、芽の出ているすぐ下で切るとよいです。枝には内芽と外芽と呼ばれるものがあるので、外芽を残すように切ると伸びた時に自然な感じになります。
枝の切り方
不要枝
1本だけ飛び出した邪魔な枝などです。切る場合は枝が残らないよう根元から切るようにします。余分に残してしまうと腐ってしまったり、途中から枝が伸びてくる事があります。
ノコギリで切る場合
太い枝を切っていると、枝の重みで裂けてしまう事があります。下に1ヵ所切れ込みを入ると裂けずに落ちるので、後は残った枝を元から切ります。
対象の枝
はじめて剪定する時はどの枝を切ってよいか分からないと思います。切る対象になる枝には名称がつけられているので、その部分を覚えておくとよいとよいです。
@徒長枝
節と節の間隔が異常に広く、長く伸びた枝を徒長枝と呼びます。付けていてもよい花は咲かないので切り取ります。
A下がり枝
下に向かって伸びた枝は見かけが悪いので切り取ります。
Bふところ枝
幹の内側近くから延びる枝は日当たりと風通しが悪くなるので切り取ります。
C交差枝
枝が交差して邪魔なので切り取ります。
D胴吹き枝
幹の途中から延びた枝は不要なので切り取ります。
Eひこばえ
木の株元から延びた枝は元から切り取ります。
F車枝
同じ位置から何本も伸びた枝は、1本だけ残して切り取ります。
G逆さ枝
木の内側に向かって伸びる枝は切り取ります。
H重なり枝
平行枝とも呼ばれ、2本以上の似た枝が同じ方向へ伸びたもので、どちらかを根元から切り取ります。
切り口の保護
太い枝を切った後は、病気が入ったり腐らないように癒合剤を塗っておくと安心です。特に桜などは枯れ込みやすく、全体が枯れる事もあるので必ず塗っておいた方がよいです。癒合剤は園芸店などで販売されていますが、もし通販でのお求めなら
楽天市場

にもあります。
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