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ペペロミア

学名:Peperomia
科・属名:コショウ科・ペペロミア属
原産地:熱帯アメリカ
分類:匍匐性から直立性の常緑多年草
寒さ:弱い(10度以上)
暑さ:強い
日照:明るい日陰
耐陰性:あり
花言葉:かわいらしさ、艶やか、片思い
通販:楽天市場にあり


ペペロミア

ペペロミアの尾状花序

ペペロミア・ハッピービーン

ペペロミア・セルペンス
熱帯アメリカ原産で昔から人気のある観葉植物です。種類は1000種類ほどがあると言われ、葉は肉厚で丸っこいものが多いですが、葉が細く別の種類ではないかと思うのもあります。花は細長い尾状花序を咲かせるものが多いですが、中には普通の花のように白い花を咲かせるフレイゼリというのもあります。とても種類の多い中で代表的なものではペペロミア・オブツシフォリアやペペロミア・アルギレイア(スイカペペロミア)が昔から観葉植物として育てられています。基本的な育て方はみな同じで強い日差しと過湿を嫌い、熱帯の植物なので寒さにはやや弱いですが、比較的育てやすいものが多いです。
作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
場所 室内のレースカーテン越し(10度以上) 明るい所 室内のレースカーテン越し
植え替え 植え替え
挿し木 挿し木
肥料 肥料
水やり 控えめ 表面が白く乾いたら 控えめ

ペペロミアの種類

種類が多く大まかに木立性、半つる性、叢生系(そうせいけい)に分けられています。木立性はやや立ち上がるように茎が伸び、地面を這ったり木に寄り添って登ります。半つる性は茎が横に伸びてこんもりした感じに、叢生系は株元から葉が伸びて株立ちします。

木立性

オブツシフォリア(Peperomia obtusifolia)が代表的な品種です。斑入りをしたキフペペロミア('variegata')もよく出回っていて生育はやや遅いです。 ヘゴ仕立てにされて売られている事がよくあります。

ペペロミア・オブツシフォリア

キフペペロミア

半つる性

グラベラ(Peperomia glabella)の園芸品種で斑入りのバリエガタ、小さい葉のペパースポット(Peperomia pepperspot)など沢山の種類があります。 葉がこんもりした感じになって、茎が横に伸びて垂れるので釣り鉢にも向いています。

ペペロミア・グラベラ ’バリエガタ’

ペペロミア・ペパースポット

叢生系(そうせいけい)


ペペロミア・アルギレイア(スイカペペロミア)
アルギレイア(Peperomia argyreia)、別名サンデルシーは昔からある観葉植物で、葉の模様からスイカペペロミアとも呼ばれています。株元から長い葉柄が伸びて先に大きな葉がついています。他の種類では葉にしわの入ったチジミペペロミア(Peperomia caperata)などもあります。

ペペロミアの育て方

置き場所

強い日差しが苦手な観葉植物なので、年間を通じて強い日差しの当たらない明るい所に置くとよいです。あまり暗いと節々があいて貧弱に育つので、適度な明るさは必要です。日差しの弱い時期の10月下旬から4月上旬頃はレースカーテン越しの日光なら平気なので、日の当たる窓際に置いても大丈夫です。冬の寒さに弱い観葉植物なので、秋の最低温度が15度を下回れば戸外のものは室内へ入れ、冬はできるだけ暖かい最低温度10度以上あるレースカーテン越しの日光から明るい日陰で管理します。その他は観葉植物の置き場所をご覧下さい。
4月中旬から10月中旬 室内または戸外の直射日光の当たらない明るい所。
10月下旬から4月上旬 レースカーテン越しの日差しから室内の明るい所。最低温度は10度以上で管理。

水やり

土の過湿を嫌い比較的乾燥には強いので、鉢土の表面が白くなってから与えます。秋の最低温度が20度を下回ってきたら、水をあまり吸わなくなるので、水やりの間隔も自然と減ってゆきます。真冬は生育をやめて水もあまり吸わなくなるので、鉢土の表面が白く乾いて更に3日ぐらい経って与えるぐらいで良いです。真冬に水を与え過ぎると根腐れする事があるので注意してください。その他は観葉植物の水やりをご覧ください。

植え替え

2年に1回を目安に行います。もし鉢の底から根が出て根詰まりしていたり、新芽の伸びが悪い場合は根腐れの可能性もあるので毎年でも植え替えます。時期は5月から6月頃に行うのが理想的ですが8月頃まで行えます。用土は観葉植物専用の土を利用したり、自分で作る場合は赤玉土(小粒)7、腐葉土3ぐらいでよいです。やや過湿を嫌うのでパーライトがあればいずれの土にも1割ぐらい混ぜて水はけをよくしてもよいです。その他は観葉植物の植え替えのページをご覧ください。

切り戻し

茎が伸びすぎてしまったり、冬の寒さで葉を落として姿が乱れる事があります。時期は4月から5月頃に切り戻すと節から新しい脇芽が伸びて夏頃には葉が茂ってきます。切った茎は挿し木や水挿しに利用できます。

木立性のタイプ

オブツシフォリアなどのヘゴ仕立ては、株元の方の葉が減って見苦しくなったり、長く伸びすぎてしまったら切り戻すとよいです。斑入りは生育が遅いので、伸びすぎた場合はやや控えめな長さに切った方が良いです。ヘゴ仕立てはないハッピービーンなども、高く伸びすぎて切り戻すと新芽が伸びてきます。
オブツシフォリア ハッピービーン

切り戻し後

切り戻し後

約2ヵ月半後

半つる性のタイプ

伸び過ぎてしまったら適度な長さに切り戻すとよいです。秋に切るとその後の生育期間が短くあまり伸びないので、夏までに終わらせた方が良いです。もし冬の寒さで葉が減って姿が乱れたら、春に株元から2、3節ぐらい残して短く切り戻すと、夏頃には茎の数も増えて葉が茂ってきます。もし鉢植えの株元が寂しい場合は、切り戻した先をスペースに直接挿し木すると、発根して根付きスペースが埋まることもよくあります。

冬を超えて姿が乱れてしまった

切り戻しと挿し木

容易に増やせる

茎を挿し木や水差するのが一番容易です。葉が大きいアルギレイアなどは葉挿しにも向いています。時期は5月から8月頃に行うのが理想的ですが、気温があればいつでも行え、4月でも室内が暖かいと根が出ます。

挿し木、水挿し

長さ8cmぐらいの挿し穂を用意して、土に埋まる部分の葉を取って土に埋めれば根が出てきます。沢山の苗が欲しい場合は、箱や平鉢などに沢山挿せばよいです。用土は赤玉土(小粒)7、ピートモス3などや市販されている挿し木用のものでよいです。水挿しはコップなどの高さにあった長さの挿し穂を用意して、水に浸かる部分の葉を取り除いて漬けるだけです。1ヶ月もすれば発根するので、複数本を一緒にまとめて定植すると簡単に苗ができます。茎の先端を摘心すると、脇芽の数が増えます。その他は挿し木のページを参考にしてください。
挿し木 水挿し

木立性のタイプ(数か月後)

半つる性のタイプ

小さいカップを利用

葉挿し

葉柄の長さを3cmぐらい切って、バーミキュライト7、ピートモス3などの用土を使って埋めれば、2ヵ月もすると芽が出てきます。葉が2、3枚になって大きくなったら小鉢に植えつければよいです。写真はアルギレイアの葉挿しですが、茎を挿し木する事もできます。
アルギレイアの葉挿し

葉柄を長さを3cmぐらいに

2ヵ月もすると芽が出てくる

鉢への植えつけ前(約3ヵ月後)

寄せ植えの素材

木立性ではないものは草丈が低くこんもりとした姿になるので、増やして寄せ植えの素材にするのに向いています。強い日差しを嫌うので、一緒に植えるのは直射日光に当てなくても育つ耐陰性のある観葉植物がよいです。
グラベラとプミラなどの寄せ植え
グラベラとプミラなど
アルギレイアとスパティフィラムなどの寄せ植え
アルギレイアとスパティフィラムなど

ヘゴ仕立て

オブツシフォリアやキフペペロミアなどの木立性はヘゴ仕立てに向いています。材料の苗は複数本を挿し木や水挿しで増やしたり、売られている苗を利用してもよいです。植え方は園芸店に売られているヘゴを鉢の中央に立て、苗を周りに植えるだけと簡単です。ペペロミアは木根を出さずヘゴに着いて登らないので、茎を針金やビニタイで括り上へ誘引させます。

素材のキフペペロミア

ヘゴ仕立ての材料

ヘゴ仕立て後

肥料

春から秋まで緩効性の化成肥料を置き肥したり、定期的に液体肥料を与えます。冬は生育せずに必要としないので与えないようにします。その他は観葉植物の肥料のページをご覧下さい。

冬の管理方法

寒さには弱いので、できるだけ暖かく明るい部屋に置いておきます。強い日差しを嫌いますが、冬は日差しが弱く直射日光に当たっても大丈夫です。この時期は寒さで成長せずあまり水も吸い上げないので、水やりは表面が完全に白く乾いて更に2、3日後と控えめにします。土がいつも湿った状態だと根腐れする事があるので注意してください。肥料は必要としないので与えないようにします。冬の寒さで葉が落ちて見苦しくなった場合は、春になったら切り戻すとよいです。その他は観葉植物の冬の管理をご覧下さい。

病気や害虫

カイガラムシ

ペペロミアのカイガラムシ
葉に丸い固まりのカイガラムシが付くことがあります。古くなった歯ブラシなどで落としてシャワーで洗い流し、スミチオン乳剤などを散布します。再発する事がよくあるので、早めに見つけてまた駆除します。その他は観葉植物の主な害虫をご覧ください。
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