マングローブは、熱帯や亜熱帯の海と川が混ざる場所(汽水域)に生える植物の総称で、満潮時には水に浸かり、干潮時には地面に現れるという独特な環境で育ちます。根の形は種類によってさまざまで、タコの足のような形や、膝のように曲がった形、板のような形をしているものもあり、これらの根は波や流れから植物自体を守る役割も果たしています。また、複雑に絡み合った根は、魚やカニ、貝など多くの生き物たちの住みかや隠れ場としても重要な役割を担っています。日本南部には、ヒルギ科のオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギなどの種類が生えており、これらは細長い種から育ちます。種子の長さは20〜30cmほどで、木の上で根を出し、熟すと地面に落ちて根付いたり、海流に流されて別の場所で成長したりします。観葉植物としてマングローブの種子が販売されることもありますが、寒さに弱く、適切な日光や水温の管理が必要なため、育成には工夫が求められます。また、マングローブは環境保護の面でも重要で、海岸の侵食を防いだり、二酸化炭素を吸収して地球温暖化を緩和する役割も持っています。そのため、マングローブの保護や植林活動は、世界中で注目されている取り組みの一つです。 |