ハイドロカルチャーは小型で場所をとらず、ミニ観葉植物として楽しむ事ができます。目の届く机の上などにちょんと置いておくだけでも、ちょっとした癒しにもなります。
ハイドロカルチャーに向く植物
ハイドロカルチャーに向く観葉植物は、日陰でもよく育つものが適しています。ハイドロカルチャーは真夏の直射日光に長く当てると、容器の中が高温になって蒸れる事、外で育てると雨で水が貯まり、根が酸欠で弱る理由で、室内でもよく育つ観葉植物が適しています。
観葉植物
パキラ、ポトス、ドラセナ、コンシンネ、ユッカ、コルジリネ、サンデリアーナ、オリヅルラン、シュガーバイン、ワイヤープランツ、トックリラン、ペペロミア、ガジュマル、ヘデラ、クロトン、アグラオネマ、スパティフィラム、セローム、プミラ、ペペロミア、クワズイモ、コーヒーの木、ヒポエステスなど
ハイドロカルチャーの作り方
用意するもの
ハイドロボール
ハイドロコーンなど |
保水性と通気性のよい丸い発泡煉石です。中に空気が入っていますので、根が酸素不足で腐る事がありません。最近は、カラフルな色のついたものもあります。 |
内鉢 |
ハイドロカルチャー用の内鉢で、通常の鉢に比べて穴が多く開いています。別になくてもかまわないのですが、水の分量が確認できる事、イオン交換樹脂が交換出来るので便利です。 |
容器 |
内鉢、水、培養液を入れる穴の開いてない容器です。ガラス製、陶器製など、自分好みの容器を利用すればよいです。 |
イオン交換樹脂、
ミリオンA |
根腐れ防止、水腐れの防止に利用します。イオン交換樹脂肥料という肥料入りもあります。 |
水位計 |
容器が透明ではない場合、水がどのくらい入っているかを見るためのものです。 |
培養液 |
イオン交換樹脂肥料なら必要はありませんが、イオン交換樹脂だけの場合は、ハイドロカルチャー専用の培養液やメネデールなどを使用します。 |
容器 |
観葉植物の材料 |
容器と内鉢(ハイドロコーン中粒 |
ハイドロカルチャーを作る材料は、基本的にハイドロコーンやハイドロボールなど、イオン交換樹脂やミリオンA,、容器、観葉植物の材料があればハイドロカルチャーは出来ます。内鉢と水位計は必ず必要ではありませんが、あった方が便利です。内鉢は容器の水量を簡単に見られ、交換樹脂の交換も簡単にできます。また、容器を交換すればデザインも変えられます。水位計は内鉢を使用せずに無透明な容器を使うと、水の入っている量が分からないので、水位計があると便利です。
材料に使う観葉植物
オアシスベットに挿し木 |
- ハイドロカルチャーとして売られている株や専用の苗が売られているのでそれを使用する方法。
- 水挿しをして根を出したものを使う方法
- オアシスベッド、ロックウールブロックなどに挿してそのまま使う方法。
- 土に植えられた鉢植えを利用する方法。
4の土に植えられた鉢植えを使用すると根の環境が変わり、観葉植物によって一時的に痛みが出てしまう事があります。鉢植えのものを利用する場合は、鉢植えから株を抜き、根を痛めないよう、水で土を綺麗に流し落とし、伸びすぎて邪魔な根があれば適度に切り、固まった根は広げるようにして植えます。植えたらしばらく、霧吹きで葉水を与えた方がよいです。
内鉢を利用する場合
内鉢を利用すると水の管理がしやすく、イオン交換樹脂やミリオンAの交換ができ、容器のデザインも飽きれば交換する事ができます。
内鉢を作る
- ハイドロカルチャー専用の内鉢に、ハイドロボール(中粒以上)などを鉢の3分の1ぐらい入れます。小粒では内鉢のすき間から土が出てしまいます。
- 植え込み材料の観葉植物を中に入れます。固まった根は広げるように、内鉢に根ができるだけ触れないよう入れます。
- 残りの隙間にハイドロボールを入れて内鉢を完成させます。
容器を作る
底にミリオンA |
- 容器が透明だと内鉢が丸見えでなので、透明ではない容器がよいです。底にイオン交換樹脂やミリオンAを入れます。
- イオン交換樹脂肥料などを利用する場合は水、それ以外は培養液を15%ぐらい入れます。
- 容器の中に内鉢を入れ、必要なら水位計を立てて完成です。
内鉢を利用しない場合
内鉢を利用しない場合は、透明なガラス容器を利用すると水の量がわかりやすく、最近は色のついた土もあり、色を組み合わせて楽しむ事もできます。透明な容器を使用しない場合は、水の入っている量が分からないので、水位計を利用するとよいです。
- 容器の底にイオン交換樹脂やミリオンAを入れます。
- ハイドロボールを3分の1ぐらい入れます。
- 植え込み材料の観葉植物を中に入れます。固まった根は広げるように、容器に根ができるだけ触れないよう入れます。
- 必要なら水位計を立て、残りの隙間にハイドロボールを入れます。
- イオン交換樹脂肥料などを利用する場合は水、それ以外は培養液を15%ぐらい入れて完成です。
コルジリネ&プミラ |
水で土を洗い流した |
底にミリオンAを入れた |
培養液にメネデール使用 |
コルジリネとプミラを寄せ植え |
環境の変化でプミラの葉が減った |
茎が垂れたペペロミア |
約 1ヵ月後のペペロミア |
植え付け後は根の環境が変わり、しばらく葉が落ちたりする事があります。1、2週間ぐらい霧吹きでこまめに葉水を与え、葉からの蒸散を減らすようにすると、ある程度葉の落ちるのを予防する事ができます。上のハイドロカルチャーの写真はコルジリネとプミラの寄せ植えした時の写真です。土に植えられた苗を材料にしましたが、プミラの根は細く痛みで葉が減ってしまいました。最初の1,2週間ぐらいは葉が落ちましたが、その後は落ち着きました。写真は土に植えられたペペロミアをハイドロカルチャーにしたものですが、その日に根の環境の変化で茎が垂れてきました。葉の蒸散を防ごうと穴を開けたビニール袋で覆ったのですが、蒸れて茎が1本腐ってしまいました。ビニール袋を外して、その茎をハイドロの中に挿したら無事つきました。土に植えられた苗をハイドロにする場合は、根が細く水挿し出来るものは、水を多めに入れて水挿し感覚で行った方がよいように思えました。行った時期は5月上旬で、真夏に水を多く入れると蒸れて根腐れするかもしれないので注意してください。
ハイドロカルチャーの管理
置き場所
直射日光の当たらない、明るい日陰に置きます。真夏の直射日光に長く当てると、容器内が高温になり、蒸れて植物が弱ってしまうので注意してください。また、透明な容器は日向に置くと藻が発生するので注意してください。
水やり
植え付け後は1、2週間、葉からの蒸散を減らすために、霧吹きでこまめに葉水を与えるようにします。水を貯める量は15%ぐらいに、生育期の春から秋は水がなくなってから2、3日してから与えます。その間はハイドロボールが水分を含んでいるので、水が入ってなくても大丈夫です。秋を過ぎると気温が下がり、観葉植物は水をほとんど吸い上げなくなります。真冬の間はハイドロボールが少し湿っている程度で、容器に水を貯めてはいけません。
肥料
肥料はイオン交換樹脂肥料なら有効期限が切れるまで必要ありませんが、それ以外の場合は、ハイドロカルチャー専用の培養液を4月中旬〜9月中旬頃まで与えます。ハイドロカルチャーは、根が直接肥料に触れるので、濃い肥料は根を痛めるので注意してください。もし、普通の液体肥料を使う場合は、通常の倍に薄めて使用してください。置き肥はいけません。
水の入れ過ぎ
ハイドロカルチャーは水や培養液を入れ過ぎると、根が酸欠状態になって弱ってしまいます。水や培養液の入れ過ぎには注意してください。量は容器の15%ぐらい入れてください。しかし、真冬の間はハイドロボールが少し湿っている程度で、容器に水を貯めてはいけません。根腐れの原因になります。
植え替え
イオン交換樹脂やミリオンAの効果が薄れるので、1年に1回植え替えます。新しいイオン交換樹脂やミリオンA、ハイドロボールに植え替えます。根が増えて内鉢や容器に収まり難いものは一回り大きなものに植え替えます。時期は春の5月から6月頃が理想的です。交換して古くなったハイドロボールは洗って乾燥させれば再利用できます。
5月上旬 |
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少し寂しいので、予め切り戻して水挿ししておいたものと一緒に植える事にしました。 |
できるだけハイドロボールの根鉢を壊さないようにしました。 |
新しいミリオンAを底に入れ、新しいハイドロボールを足して、植え替えました。(約2週間後) |
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