学名:Pulsatilla cernua
科・属名:キンポウゲ科・オキナグサ属
原産地:日本、朝鮮半島、中国
分類:宿根多年草
寒さ:強い
暑さ:やや弱い
草丈:15cm〜40cm
花径:3cm〜5cm
花色:赤紫、黄色
ヨウシュオキナグサ(紫、白、赤、黄色など)
増やし方:種まき(採りまき)
場所:日当たりを好むが、夏は半日陰
用途:花壇、鉢植え
花言葉:清純な心、背信の恋
通販店:楽天市場にあり
4月上旬
3月下旬
4月上旬、自宅の鉢植え
種
5月上旬
オキナグサは北海道を除く日本の草原や河原などに生息していましたが、今は数が減って絶滅危惧種に指定されています。生息場所が減った事や園芸用に採られたり、生育が遅いのもあって数を減らしたようです。名前の由来は花後の花柱が長く伸びて白くなり種を作り、それが老人の白髪に見えるので、翁(男の老人)草と呼ばれるようになったそうです。草丈は15cmから20cmぐらいですが、花茎はそれ以上に伸びて暗い赤紫色の花を咲かせます。冬は葉が枯れて宿根して越冬し、暖地では早春の2月中頃から芽が伸びはじめて3月下旬から4月上旬頃に花を咲かせます。花弁が散ると花柱が伸びて次第に白い毛が生えて髭のような種が出来て風で飛んで増えます。同じ仲間でヨーロッパに自生するヨウシュオキナグサという紫や白花を咲かせるのもあって、花が上向きに咲くので違いが分かります。育てるのは暑さを嫌うので山野草に準じて、水はけのよい土に植えて、夏の暑さを避けるようにするとよいです。
オキナグサの育て方
暖地での生育サイクル
冬は地上部の葉が枯れて越冬して、春の2月中頃になると新芽を吹いてきます。ある程度葉が伸びると花茎も出てきて3月下旬頃になると花を咲かせます。4月中頃になると花が咲き終わり、5月下頃になると種が熟します。秋が深まってくると寒さで葉が枯れて越冬します。
2月下旬 |
植え付け
種まきから育てられたポット苗が春や秋に出回る事があるので、入手したら植え付けます。根鉢を壊されるのを嫌うので、できるだけ壊さないようにした方がよいです。
鉢植え
用土は高温多湿を嫌う植物なので水はけのよい土を好みます。市販されている山野草の培養土を使ったり、自分で作る場合は赤玉土(細粒硬質)3、鹿沼土(細粒硬質)3、パーライト2、腐葉土2などを使用するとよいです。普通の花の培養土を使うと暑い時期に根腐れしやすくなります。直根で根が下に長く伸びるので浅い鉢は避けた方がよいです。
庭植え
夏の強い日差しを避けた所がよいです。落葉樹の下なら冬から早春は葉がないので日当たりが良く、夏になると葉が茂って強い日差しから守られるので理想的です。植える時は水はけがよくなるように腐葉土をすき込むとよいです。
場所
日当たりのよい所で育てます。しかし、強い日差しと高温を嫌うので、夏は午前中の弱い日光が当たる半日陰で育てます。棚などの風通しのよい所に置いて、50%ぐらいの遮光ネットを利用してもよいです。暖地では暑さを嫌う植物を夏に枯らせてしまう事がありますが、これは比較的容易に超えてくれます。冬の寒さには強く、地上部の葉が枯れて宿根して越冬します。
水やり
鉢植えでは鉢土の表面が白く乾けば与えればよいです。冬に葉がない時期も乾かし過ぎないように与えます。 庭では葉のある時期にあまり雨が降らないようなら与えるぐらいでよいです。
肥料
あまり多く必要ありません。花後の4月頃と秋の9月下旬頃に緩効性の化成肥料などを置き肥するぐらいでよいです。
鉢の植え替え
1、2年に1回を目安に、根詰まりしているようなら毎年行います。時期は秋の涼しくなった9月下旬から10月上旬頃に行うとよいです。直根で根鉢を壊されるのを嫌うので、軽く周りの土を壊すぐらいにして一回り大きな鉢に植え替えるとよいです。株分けもできますが、根が分け難く傷みやすいので慣れていない人は注意が必要です。
増やし方
種まき
5月中頃からタンポポのような種ができるので、採れたらすぐにまきます。保存してまく事もできますが、種が高温にさらされると発芽し難くなるので、5度以下の低温貯蔵しないといけません。採ってすぐの方がよく、浅鉢やセルトレイを使って蒔いて軽く覆土します。髭がついていると種が浮いて乾燥してしまうので、短く切ってまいた方がよいです。水やりは鉢底給水、高温だと発芽しにくいので、できるだけ涼しい所で行った方がよいです。苗からの寿命が短いので、種まきから育て直した方がよいです。
花茎切り
花の咲き終わった花茎は切り取りますが、種を採りたかったり観賞したい場合は残しておきます。