別名:マンジュシャゲ(曼珠沙華)
学名:Lycoris radiata
科・属名:ヒガンバナ科・ヒガンバナ属
原産地:中国
分類:球根植物(鱗茎)
寒さ:強い
暑さ:強い
草丈:30cm〜60cm
花序:10cm〜15cm(花径:3cm〜5cm)
花色:赤
増やし方:分球
場所:日当たりのよい所〜半日陰
その他:毒草(球根)
用途:花壇、鉢植え、切り花
花言葉:悲しい思い出
通販店:楽天市場にあり
長い雄しべ
水田のあぜ道に咲くヒガンバナ
ヒガンバナは別名でマンジュシャゲとも呼ばれ、秋のお彼岸頃に花が咲くのでこの名前になっています。目が覚めるような赤い花は、4つから6つの小花が集まったもので、長い雄しべが花を際立たせています。夏は暑さで葉が枯れて球根だけで暑さを乗り切り、秋になって涼しくなると地面から花茎だけが伸びて花を咲かせます。球根には有毒なアルカイドのリコリンを含んでいるので、自生している地域では親が子供に毒があるので食べてはいけないと教えます。田のあぜ道でよく見かけ、これは球根の毒が雑草を抑え、野ネズミやモグラ避けの効果もあって植えられる事が多いようです。稲がよく生育する期間は、丁度ヒガンバナが休眠するので、稲の養分を奪わずによいという事もあるらしいです。
花がよく似た仲間
リコリスの仲間は20種類ぐらいがあります。ヒガンバナもその中の一つで、花色が違うだけに見える種類が二つあります。一つは黄色い花を咲かせるショウキズイセン(Lycoris
aurea)で花数が多く全体的に大きいです。もう一つは白からクリーム色の花を咲かせるシロバナヒガンバナ(Lycoris albiflora)でヒガンバナとショウキズイセンの雑種と言われています。ヒガンバナは種が出来ないのですが、姿が同じで種が出来るコヒガンバナ(Lycoris
radiata var. pumila)というのもあります。いくつかの園芸品種もあって、八重咲きもあります。
ショウキズイセン |
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ヒガンバナの育て方
育てるポイント
葉は花後の秋から春の間で、6月から7月頃は葉が無くなって球根だけになります。植え付けは丁度この時期が適期になります。植える所は水はけが良く西日を避けた日当りのよい所から午前中の日が当たる半日蔭です。根は葉が無い夏でも伸びるので、毎年植え替えると阻害してうまく花が咲かなくなります。2年以上は植えたままにして、植え替えは球根が込み入った時のみ行うようにします。それだけ気をつければ、病気や害虫に強く育てるのは容易です。
植え付け
球根の植え付けは6月から7月頃、ポット苗はそれ以降でも植えられます。庭では夏の西日を避けた日当たりのよい所から半日陰、球根を植える深さは肩が隠れるぐらいです。植える間隔は15cmから30cmぐらい、狭く植えると早く密集して咲くようになりますが、球根が早く込み入るようになり、空ければその逆になります。庭では植え付け前に水はけが悪いようなら腐葉土、元肥に完熟牛糞などを混ぜ込んで植えるとよいです。鉢植えの用土は市販されている花の培養土を使ったり、自分で作る場合は赤玉土(小粒)7、腐葉土3などを、6号鉢に4球前後が目安です。
球根を植えた年は咲かない
乾燥した球根を植えると花が咲くのが来シーズンになる事が多いです。ヒガンバナは球根だけでも根が伸びますが、植えた年は伸びる期間が短く、球根の養分だけでは花が咲く事ができないと思われます。
年間の管理
鉢植えの置き場所
夏を除いて日当りの良い所に置くとよいです。夏は葉が無いので強い日差し避けた半日蔭から明るい日陰でよいです。日陰に置く場合は、花が咲く前になったら日の当たる所に移動します。
水やりと肥料
鉢植えの水やりは鉢土の表面が乾いたら与えます。葉のない時期も球根を乾燥させないよう、鉢土の用土が白く乾いたら与えます。花壇では与える必要はなく自然の雨だけで大丈夫です。肥料は多く必要ないので、葉のある冬に緩効性の化成肥料などを与えておくとよいです。
植え替えと分球
植えっぱなしでよい球根植物と言われています。植え替えは2年以上して球根が込み合った時のみ、分球を兼ねて植えなおすとよいです。時期は葉が無くなる6月から7月頃です。
その他
花後の花がらは見苦しいので切っておくとよいです。病気や害虫には強いので、農薬の散布は必要としない事が多いです。