花と観葉植物(葉っぱの岬)

ホトトギス


学名:Tricyrtis spp.
科・属名:ユリ科・ホトトギス属
原産地:日本
分類:多年草
寒さ:強い
暑さ:強い
草丈:40cm〜80cm
花径:約 3cm
花色:赤、紫、黄、白
場所:半日蔭
種まき:採りまき、春まき
増やし方:挿し木、株分け
用途:花壇、鉢植え
花言葉:永遠にあなたのもの
通販店:楽天市場にあり

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ホトトギスの花

ホトトギスの花の全体

ホトトギスの花のアップ

名前の由来は鳥のホトトギスから名づけられています。日本に10種類が分布していますが、その中で紫色の模様をした種類が鳥の胸羽根に似ているので名づけられました。花色は他に単色の白や黄色を咲かせるものもあり、花のつき方は種類によって節々に花が咲くものと先端に花をつけるものがあります。また葉茎の伸び方は茎が上へ立つ直立型と垂れる懸崖型があり、日本のホトトギスは両方が混じったように伸びます。強い日差しの当たらない明るく湿った所を好む植物で、日本の山や沢に自生しているものが多いです。一部崖に自生している懸崖型で花が下向きに咲くものもあります。秋が深まると地上部の葉が枯れて根だけで越冬し、春になって暖かくなると葉が伸びてくる宿根多年草になります。

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作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花時期 開花
場所 半日蔭 明るい日蔭 半日蔭
種まき 種まき
植え付け 苗の植え付け 苗の植え付け
植え替え 植え替え
株分け 株分け
挿し木 挿し木
肥料 肥料 花後
鉢の水やり 控えめ 表面が乾いたら 乾いてきたら 表面が乾いたら 控えめ

いろいろなホトトギス

東アジアに20種ある中で日本に10種ぐらいが自生しています。その中でホトトギスと呼ばれるのは学名が(T.hirta)というもので、主に関東のから西日本に分布しています。紫色に模様が入った種類は他にもヤマホトトギス(T.macropada)という中部地方から西日本に分布するものや台湾や沖縄の西表島に分布するタイワンホトトギス(T.formosana)などいくつの種類があります。花色は紫色に模様が入っものだけではなく純白の花を咲かせるものや黄色の花を咲かせるものもあります。花は上向きに咲きますが、ジョウロウホトトギスという花が下向きに咲き、葉茎が下垂れする懸崖型で育てるのが難いのもあります。自然のものは数を減らして絶滅危惧種に指定されているものもあります。

タイワンホトトギス

日本のホトトギスは葉茎が垂れたようになり節々の付け根に10月頃から花が着きます。タイワンホトトギスは葉茎が上へ立つ直立型で花は9月頃から茎の先端から枝分かれして沢山の花が咲きます。また花茎が長く伸びるので切り花にも向いています。根が横に広がって群生し、日向にも耐えるので西日の当たらない庭にもよく植えられています。日本のものと交配された品種も出回っていています。

タイワンホトトギス

花の着き方の違い

ホトトギスの育て方

植え付け

春や秋に苗が売られている事があります。適期は2月下旬から5月頃、9月下旬から10月頃になります。ジョウロウホトトギスを除けば庭植えにした方がよく育ちます。

鉢植え

用土は赤玉土(小粒)6、腐葉土3、パーライト1など水はけのよい用土がよいです。茎が長く伸びると倒れやすいので、支柱を立てておいてもよいです。
ジョウロウホトトギス
鉢植え向きで山野草の培養土などに植えるとよいです。葉が下垂れするので高さのある鉢を利用して、底にゴロ石を多めに入れて排水性がよくされて植えられる事があります。排水性のよい土を好みますが、日陰でも水が切れると葉が痛みやすいです。

庭植え

強い日差しが当たらない、やや湿った半日陰を好みます。朝日が当たるぐらいの木陰に植えるとよいです。タイワンホトトギスは日向にも耐えるので、西日が当たらない所に植えられます。腐葉土を混ぜて水はけをよくし、元肥に完熟牛糞などを混ぜて植えるとよいです。
ホトトギスの植え付け

鉢植えの置き場所

強い日差しを嫌います。春と秋は午前中の日光が当たる半日陰、6月から9月一杯は明るい日陰に置くとよいです。夏に日陰がない所では60%前後の遮光ネットを利用してもよいです。

水やり

やや湿った所を好むので、鉢植えは水切れしないよう表面が乾いてきたら与えます。夏はよく乾くので乾かし過ぎないように注意して、全体と葉裏にもシャワーするとよいです。ジョウロウホトトギスは乾かし過ぎると葉が簡単に痛むので注意してください。庭では通常は必要ありませんが、雨が降らずに乾きすぎるようなら与えます。

肥料

あまり多く必要ないです。春の3月から6月頃に緩効性の化成肥料や骨粉入りの固形油粕などをまいておくとよいです。その後は、秋の花後に液体肥料を与えるぐらいでよいです。

植え替え

根詰まりすると調子が悪くなるので、鉢植えでは1、2年に1回は行います。時期は早春の2月下旬から3月頃に植え替えるのが理想的です。10月頃にも行えますが、丁度花が咲く時期なので増えすぎたなど仕方のない場合を除いて避けた方がよいです。庭でも3年を目安に株分けをして植え替えます。

増やし方

株分け

3年もすると根が張るので株分けを兼ねて植え直した方がよいです。土の中にランナーが発生して新芽が出て増えるので、3芽が1株になるように分けて植えるとよいです。庭でも3年を目安に行った方がよいです。

挿し芽

時期は5月から6月頃、2節分のさし穂を用意して一番下の葉を取り除き、その節が用土に埋まるように挿します。大きめの平鉢に鹿沼土の単用などを利用して、葉が大きい場合はハサミで半分ぐらいの面積になるよう切るとよいです。2ケ月もすると根が伸びているので小鉢に鉢上げするとよいです。
ホトトギスの挿し芽
挿し芽(6月下旬)
挿し芽の発根(ホトトギス)
挿し芽の発根(9月下旬)

種まき

花後には実が成って種が出来ます。茶色くなったら中から採ってすぐにまいてもよいし、保存しておいて早春にまいてもよいです。方法は箱まきやポットまきなどで行って、ごく軽く覆土をして乾かさないように水やりします。早ければそのシーズンに開花するそうです。

ホトトギスの実

その他の管理

葉茎が垂れて地面に倒れる事があるので、支柱で支えておくとよいです。害虫の被害は少ないですが、葉を食べられる事があるので、殺虫剤を月に2回ぐらい散布して予防しておくと安心です。冬は寒さで地上部の葉が枯れて越冬するので、見苦しいので元から切り取っておくとよいです。

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