初夏の管理(5月から6月)
5月を過ぎて気温が高くなると本格的な観葉植物のシーズンが始まります。春の草花のシーズンは4月頃からなので、1カ月ぐらい遅いスタートになります。この時期になると戸外へ置く事もでき、生育も始まるので肥料を与え、水やりも通常通り与るようにします。植え替えと株分け
この季節は寒い冬を乗り超えて衰えた観葉植物をリフレッシュする最適な季節になります。植え替えは比較的寒さに強いものは5月上旬から、高温で育つものは5月中旬頃になってから行った方がよいです。2年に1回を目安に行えばよいですが、鉢底から根が出て根詰まりしているもの、葉を落としたり痛みの酷いものは根腐れかもしれないので植え替えるようにします。また株分けできるもで大きくなりすぎた場合は一緒に行うとよいです。鉢は大きすぎると土が乾き難く根腐れの原因に、小さすぎると根詰まりしやすくなってしまうので適度な大きさのを鉢を選びます。用土は普通の種類なら観葉植物の培養土でよいですが、多肉植物などは専用の培養土を使います。植え替え後はすぐ直射日光に当てると葉が萎えたり焼けたりする事があるので、1週間ほど明るい日陰に置き、直射日光には徐々に成らすようにします。肥料もすぐには与えず、新芽が伸びてきたら与えるようにします。切り戻し、整枝
1年以上育てると樹高が高くなりすぎてしまったり、下葉が減ったりして樹形の乱れる事も少なくありません。切り戻しや剪定をして樹形を整えるとよいです。切り戻しは葉が茂るまでに少し時間が必要なので、早くやり終えた方がよいです。切り戻し |
挿し木や取り木
増やせるものが数多くあります。時期は梅雨頃が最適になります。年数が経ち剪定しても樹形が整わない場合は、挿し木や取り木から作り直した方がよい場合もあります。挿し木が出来るものは取り木が出来る事が多いので、樹高が高くなり過ぎて早く大きい苗を作りたい時は取り木が有利です。挿し木 |
葉焼けに注意
半日陰を好むものに強い日差しを当てると葉が焼けるので注意してください。また、日光の好きな観葉植物でも日の当たらない所で育てていたものは葉が薄く、まだ弱いと思われがちな5月の日差しでも葉が簡単に焼けてしまう事があります。当てて育てる場合は午前中の弱い日光から徐々に慣らせるようにしたり、日差しの弱い時期から当て続け慣らせた方がよいです。日照不足について
日当たりを好む観葉植物を日陰で育て、急に強い日差しに当てると葉が焼ける事があります。それならずっと日陰に置いて育てた方がよいように思えますが、日照不足になると葉が薄くなり節々の間隔も広くなって見た目が悪くなるものがあります。また、病気や害虫の被害も多くなりがちになるので、できるだけ日照不足にならない所で丈夫に育てた方がよいです。夏の管理(7月から8月)
多くの観葉植物がもっともよく生育する時期は6月と9月頃で、梅雨開け後の日本は30℃を超えて少し暑すぎ生育が鈍るものもあります。それでも冬と比べると快適でよく水を吸い上げるので、管理もいろいろ必要になってきます。強光に注意
日の好きな観葉植物でも葉が焼けてしまう事があるので、レースカーテン越しの日光に当てたり、午前中の弱い日光に当てるぐらいにします。木の下などに生息している観葉植物は、元々強い日差しが嫌いなので当てないようにします。戸外で日当たりのよい所しかない場合は、50%ぐらいの遮光ネットが園芸店に売られているので利用してもよいです。遮光ネット |
水切れに注意
高温で 鉢土も乾きやすく、体温を下げようと盛んに水を吸い上げるので、日の当たる所では朝と夕方の2回与える事もあります。特に夏の日差しの下で水切れさせると葉が焼けやすいので注意が必要です。室内の明るい日陰に置いているものは渇きが緩やかなので、種類によっては毎日与えなくてもそう乾かない事があります。与え過ぎて根腐れさせないよう注意してください。濃い肥料に注意
生育するものは肥料を与えて育てますが、真夏はエネルギーを多く必要とするので、中には生育が衰えてあまり伸びなくなるものがあります。肥料が少ないと思い、沢山与えて根を傷めないように注意してください。もし与え過ぎの心当たりがある場合は沢山の水を与えて肥料分を洗い流すようにします。植物は光を使って水と二酸化炭素を原料に光合成をして生きています。肥料は補助的なもので、よく生育してほしい場合は植物が好む環境でよく光合成させるとよいです。冷房の効いた部屋
冷房の効いた部屋では空気が乾燥して葉に痛みが出やすくなります。植物によっては冷風で葉が丸まるのもあるので、直接風が当たる所へは置かないようにします。葉の乾燥を防ぐため、一日何回か霧吹きで葉水をして保湿してあげるとよいです。水挿し
この時期の挿し木は高温で腐れやすくなりますが、中には水を入れたコップに挿し穂を浸けておくだけで根が出て生育するものがあります。日の当たる所は水が高温になってしまうので、明るい日陰に置いて水が汚れたら交換します。そのまましばらく観賞したり鉢に植え付けてもよいです。夏の植え替え
梅雨開け後は気温が高く、根を切り過ぎると葉が萎える事があるので、できるだけ6月一杯までの行った方が安全です。根詰まりしてやもえず行う場合は、根鉢の周りをあまり壊し過ぎないように注意して、一回り大きな鉢に植え替え、しばらく強光を避けた明るく涼しい所に置き、新芽が伸び出してから肥料を与えます。挿し木の鉢上げ
初夏に挿し木して新芽が伸びているものがあれば、根を切らないよう鉢に植え付けるとよいです。急に大きな鉢に植えずにはじめ小鉢に植え、冬までに根を張らせるようにします。夏は日差しが強いので明るい日陰で管理し、秋になって少しずつ日に慣らるとよいです。秋の管理と冬支度(9月から10月)
残暑が残る日もありますが、秋のお彼岸ぐらいになると涼しくなってきます。その頃になると暑さで生育が鈍っていた観葉植物もまた生育するようになります。強い日差しを避けていたものは、葉焼けしないよう少しずつ秋の柔らかい日に慣らせ、肥料を与えて冬を乗り切れる丈夫な観葉植物に仕上げるようにします。室内へ入れる
10月になれば更に涼しくなり、戸外で育てている寒さに弱いものは早めに室内へ入れるようにします。10月下旬になると更に秋が深まるので、寒さに強いものでなければ室内へ入れてしまいます。入れる際は鉢底にナメクジがいないか、土に虫がいないかをチェックしておきます。整枝
春から生育し続けると枝が伸びたり樹高が高くなるものですが、この時期に深く剪定してしまうと、休眠してしまう11月まで枝や葉が伸びきれず、樹形の悪いまま冬を迎えてしまいます。この時期は不要な枝を元から切ったり、伸び過ぎて邪魔な枝を軽く切るぐらいにします。深い剪定は来年の春になって行った方がよいです。秋の植え替え
生育に適した時期なので植え替えによさそうですが、残りの生育期間が10月一杯までと少なく根があまり張れないので避けた方がよいです。冬を根張りの悪い状態で迎えると、土が乾き難くなって根腐れしやすくなります。もしやもえず行った場合は、できるだけよい環境で根を張らせるようにします。初夏から夏に挿し木したものがあれば、9月一杯までに植え付けるようにします。冬の管理(11月から2月)
ほとんどの観葉植物は冬のない所に生息しているので、この頃になると気温が低く生育が止まってしまいます。水はあまり吸わなくなり、肥料は必要としないので、秋に置き肥していたものが残っていれば取り除きます。冬は寒さで葉を落としやすいので、春まで今の状態を出来るだけ保たせるように管理します。室内の暖かい所
寒さに弱いので暖房の効いた日当たりのよい窓辺に置くのがよいです。夜間の窓際は冷え込むみやすいので、カーテンから少し離した所に移動させるとよいです。種類によって耐寒温度は異なりますが、できるだけ10度以下にならない所がよいです。寒さに弱い種類は冷え込む日の夜間だけ段ボールを被せたり、ビニール温室があると越冬させるのが少し楽になります。ビニール温室 |