花と観葉植物(葉っぱの岬)

観葉植物の挿し木、挿し芽、取り木

※花木や草花も基本的に方法は同じなので参考にしてください。

気温

気温が20度〜25度が適期の気温で、日が長い方がよく、梅雨頃が一番いい条件になります。あまり気温が高くなると蒸散作用が盛んになり弱ってしまうので、夏季はできるだけ涼しい場所で行います。落葉樹は、気温が低くても芽の出る3月頃も適期になります。

置き場

日差しが強いとしおれてしまうので、明るい日陰に置きます。根を出すにはある程度の明るさが必要なので、あまり暗い場所は避けるようにします。それと、風に当ててもいけませんので、風の当たらない場所に置きます。真夏は暑さで根がつき難い場合が多く、できるだけ涼しい場所に置きます。もし、一週間ぐらいでしおれてしまう場合は、切り口を切りなおして、水を吸わせた後、発根促進剤をつけて、もう一度挿してみます。日中しおれていて、夜になると元気になる場合は大丈夫です。

水やり

毎日、もしくは1日2回、土を乾かないように管理します。水の変わりにメネデールを適正な量で薄めて使用すると挿し穂が弱り難く、発根率がよくなる効果があります。メネデールとは園芸用の活力剤で、挿し木、株分け、植え替え、種まき、弱った植物の回復、切り花の水揚げ、ハイドロカルチャーの水などに利用でき、挿し木の場合は挿し穂が弱り難く発根率がよくなる効果があります。

もし、メネデールお求めなら楽天市場 にあります。クリックするとそちらのページへジャンプします。

メネデール

湿度

梅雨時期は湿度が高く蒸散作用が少なくなり一番によい時期です。梅雨以外の時期は、霧吹きで湿度を与えて管理すると、指し穂が弱り難くなります。

肥料

一切は与えてはいけません。

用土

普通の植物

排水性、保水性の優れたもので肥料分のない土を利用します。挿し木用の用土が売られているので、これを利用すると手軽でよいと思います。自分で作る場合は赤玉土(小粒)7、ピートモス3ぐらいを混ぜて利用すればよいと思いますが、もし、バーミキュライトがあれば1割ぐらい入れた方が成果がよいように思えます。 容易につくものは庭土の黒土でもつきますが、赤玉土(小粒)や鹿沼土(小粒)を混ぜて使った方がよいと思います。

過湿に弱い植物

パーライト7、ピートモス3を使用すると腐れ難くてよいように思えます。他に鹿沼土だけを利用してもよいと思います。鉢も平鉢に挿した方が水はけがよく腐れ難くてよいと思います。

葉挿し

バーミキュライト7、ピートモス3ぐらいを混ぜて利用するとよいと思います。気温が25度以上と高い時は、パーライト(小粒)を2割ぐらい混ぜて使用した方が腐りにくくてよいと思います。

その他

他に写真のようなオアシスミニベッド挿し木用やロックウールブロックというものも売られています。水持ちと通気性がよく腐れ難くできているようで、着き難い挿し穂が比較的簡単に着く事があります。使い方は穴に挿し穂を挿して乾かさないようにするだけです。後は根が出てきたらたまに液肥を与え、根が張ったらそのまま定植します。他にこのままハイドロカルチャーに利用しても便利で楽です。

オアシスミニベッド挿し木用

ヨウシュコバンノキ
もし、挿し木用の用土をお求めなら楽天市場 にあります。ロックウールブロックをお求めならこちら にあります。

鉢上げ

植物によって挿し木から鉢上げの期間は異なりますが、大体30日から50日を目安に鉢上げします。大体それぐらいすれば多くの観葉植物は新芽が伸び始めたり、葉が増えたりして根が張ってきます。新芽の出が遅いものは、真夏は暑さのために休眠状態になる観葉植物が多いので、涼しくなる秋の9月中旬を過ぎて行います。明確に夏もよく生育する観葉植物は夏に鉢上げしてもかまいません。用土は赤玉土6、腐葉土4を基準に、用土の多湿を嫌うものはパーライトを1ぐらい混ぜ、用土の多湿を好むものはピートモスを1ぐらい増やすとよいです。

挿し木の例

1、葉の多く充実した若い枝をさし穂に選びます。

挿し穂の長さは3、4節分を目安に、長さ5cmから10cmぐらいにします。
樹木
多年草

2、葉を調節する

葉が多いと呼吸、蒸散作用が盛んで葉がしおれやすいので、葉が多いものは葉の数を減らし、ゴムの木など大きな葉のものは葉をくるくると丸めて紐などで括り、葉からの蒸散を少なくしてやります。パキラなど葉を丸められないものは、葉を半分ぐらい切って面積を減らします。葉は一枚もないと根が出難いので、必ず残すようにします。
樹木
多年草

3、切り口を処理する

樹木の場合

樹木の場合、切り口は必ず節のすぐ下で切ります。そこが一番根が出やすいからです。切り方には斜め切りと水平切りがあります。水平切りは発根のスピードが遅いのですが、根が多く出ます。斜め切りは水平切りよりも発根スピードが速いですが、根の量は水平切りよりも少ないです。充実した根を作りたい場合は水平切り、早く根を出したい場合は斜め切りをします。通常は斜め切りで行う事が多いです。用土はピートモス3、赤玉土(小粒)7ぐらいでよいです。
樹木の場合

斜め切り

水平切り

多年草のようなタイプ

つる性のポトス、プミラ、ワイヤープランツなど、3、4節分の挿し穂の一番下の節の葉を取り、その節が完全に土に埋るようにして、次の葉がついた節が土に少しだけ刺さるぐらいに挿します。用土はバーミキュライト6、ピートモス4ぐらいを基準に、気温が25度以上と高くなった場合はパーライト(小粒)を2ぐらい増やすと茎が腐れ難くなると思います。茎が伸びて葉が3枚以上増えたら、先を摘心して枝数を増やします。
多年草タイプ

一番下の葉を取る

4、水揚げ

水を入れたコップなどに20分程入れて吸わせます。水で薄めたメネデールに漬けて挿すと葉が弱り難くなる効果があります。

5、土に挿す

鉢の中央には水が残り、通気性が悪いので、木のタイプは鉢の隅の方に挿した方が腐り難いです。多年草タイプは中央に挿しても比較的大丈夫です。切り口に売られている発根促進剤をつけると、根が出やすくなり、水はメネデールを使用すると水の吸い上げがよくなり萎れにくくなります。その後は発根して新芽が出るまでは土を乾かさないよう注意してください。

発根促進剤
樹木の場合

木は鉢の隅に挿した方がよい

1ヶ月弱

定植して約1年
多年草の場合

多年草

挿し木50日後

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天頂を挿す方法

切り戻した先を直接挿す方法もあります。葉からの蒸散を防ぐため、葉の枚数を減らしたり、葉の面積が大きい場合はハサミで切って赤玉土などに挿します。下のは定植用の用土に直接挿して手間を省きましたが、葉が伸びてきたら用土を交換して定植すればよいです。
2006/5月上旬
葉の面積を減らした
2006/8月下旬
葉が伸びてきた
2006/9月中旬
根鉢を壊さずに植え替え

水挿し

水を入れたコップなどに浸けるだけで容易に根が出る観葉植物も少なくありません。長さ5cmから10cmほどの挿し穂を用意して、下の方に葉があるものは取り除き、節が水に浸かるようにするだけです。うまく行くと1ヶ月ぐらいで根が伸びるので、鉢植えにしたりハイドロカルチャーの素材にも向いています。

水挿し

茎伏せ

茎伏せという方法で増やすこともできます。方法はある程度太い節のある茎の挿し穂を用意します。長さはポットなどの鉢に入る長さに、挿し穂を横に寝せて茎の表面が出るように埋めればよいです。小さい苗ができやすいので、ミニ観葉植物やハイドロカルチャーの素材によいです。また節の分だけ沢山の苗ができます。
茎伏せ

挿し穂

茎伏せ

2ヶ月ほど

取り木

観葉植物の種類によっては取り木ができます。樹形の下葉がなくなって見苦しく感じたり、背が高くなり過ぎたら行います。挿し木よりも早く大きく出来ることが最大のメリットです。方法は節のすぐ下が発根しやすいで、節の下あたりにカッターを使って皮に切り込み入れ、長さ2cmぐらい皮を剥ぎ取ります。そこに湿らせた水苔を巻いて、ビニールで2周ほど巻いてしっかり覆い、水分が抜けないよう両端をしっかり紐などで結びます。普通は2ヶ月もすれば発根するので、親株から切り取って巻かれた水苔を軽く取って植え付けます。切り取られた元の親株からは、葉のつけ根の節付近から新芽が出てきます。例外としてテーブルヤシのように発根するのに1年以上かかり、元の親株からは新芽が出てこない種類もあります。時期は4月下旬から6月頃に行うのが理想的で、水苔に染み込ませるのにメネデールを利用するともっとよいと思います。下の写真はシェフレラの例で、本当は水苔を倍ぐらい多くした方がよいです。秋に行って春に鉢に植えつけたので、冬の間に葉が無くなっています。

取り木の例

1、節の下に長さ1cmから2cmぐらいカッターなどで軽く皮に切込みを入れてはぎ取ります。

2cmぐらい皮を剥ぐ
2、濡らした水蘚で覆い、水分が逃げないようにビニールでしっかり覆い紐でしっかりくくります。

水ゴケを巻いてビニールで覆う
3、種類によって発根までの期間は異なりますが、発根すると根が見えてきます。

取り木の発根
4、根が出たら親株から切り取り、軽く水蘚を取り除きます。根を切るといけないので、軽くでよいです。

軽く水蘚を取って植え付け
5、観葉植物の用土などに植え付けます。しばらくすると芽が伸びてきます。

植え付け後1ヶ月半
6、翌年には葉が茂ります。

翌年

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葉挿し

ベゴニアなど、種類によっては葉挿しで増やす事ができます。葉茎の根元をしっかりと用土に埋めて、用土を乾かさないように日陰に置いておきます。芽が出て葉が増えたら鉢に定植します。元の葉は切っても付けたままでもかまいません。用土はバーミキュライト7、ピートモス3などを利用します。

セントポーリアの葉

セントポーリアの葉挿し

芽が出てきた

定植できる大きさに

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