花と観葉植物(葉っぱの岬)

観葉植物の病気や害虫

主な害虫

アブラムシ

日本だけで700種類ぐらいいると言われています。体長は種類によって2mm前後で緑、黄色、黒いものもいます。茎や葉に密集して発生する事があり、つくと汁を吸われて葉色が抜けたり縮れたりして生育が止まってしまいます。病気を運んでくる害虫とも知られ、周囲が黒くなるスス病なども一緒に発生する事があります。主に春と秋に発生して高温時期には少なくなり、放置すると大繁殖するので早めに殺虫剤を散布しておきます。よくある害虫なのでアブラムシに対応した殺虫剤が多く売られています。

ハダニ

葉の汁を吸って害を及ぼします。主に葉の裏に付き、葉の色が抜けて白っぽくなります。大きさは0.5mmぐらいととても小さく、葉の裏に発生するので気が付かずに葉の色が抜けて気が付くことがよくあります。葉が乾燥すると発生し易いので、葉水を表と裏に散布して予防します。発生した場合の殺虫剤は何でも効きそうですが、ハダニに対応していないと効果が薄いので注意してください。薬剤はアブラムシにも効果のあるベニカXファインスプレーやベニカR乳剤などがあります。

ハダニに吸われた葉

アカハダニ(約 0.5mm)

カイガラムシ

多くの種類がいて大まかに殻で覆われたものと、蝋のようなもので覆われた白いコナカイガラムシ類がいます。いずれも普通の殺虫剤が効きにくいので厄介な害虫です。観葉植物の場合は温室で発生する事が多いので、購入した時に紛れ込んでいる事が多いです。症状は葉に黄い班が出て、葉が排泄物でベタベタして床にも落ちてしまう事があります。酷くなると排泄物の辺りが黒くなってすす病が発生する事があります。普通の殺虫剤は効かないのでカイガラムシエアゾールなど対応した殺虫剤を使用しますが、もし使用しない場合や効果のない場合は全体にシャワーで水をかけ、ティッシュや古歯ブラシなどで擦って取るようにします。それでも幼虫は残りますが殺虫剤が効くので、1週間おきに3、4回ベニカXファインスプレーやベニカ水溶剤などを散布しておきます。葉の裏や重なった所にもいるので散布しておきます。 卵には薬剤が効かないので、しばらくしてまた発生したら同じ作業を繰り返します。

コナカイガラムシ(約 3mm)

ヒラタカカイガラムシ(約 3mm)

ナメクジ

戸外で育てていると新芽を食害される事があります。昼間は鉢底などに隠れて夜になると餌を求めて這いまわります。地面にばら撒いて駆除するものが売られているので、戸外の鉢の周りに散布しておくとよいです。秋に戸外で育てていたものを室内へ入れる際は、鉢底に隠れている事があるのでチェックしておいた方がよいです。

コガネムシの幼虫

春の植え替えの時に土の中にいて、根が食べられている事があります。これは前の年、戸外に置いているものに成虫が卵を産んでふ化したものです。戸外に置いて育てているものにはオルトランDX粒剤を7月中旬と8月中旬に株元に散布して予防しておくとよいです。1カ月ぐらい効力があり臭うので、室内に入れる1カ月半ぐらい前までに散布を終えていた方がよいです。

主な病気

炭そ病、斑点病

カビによるもので葉と茎に発生します。いずれも褐色の斑点ができます。枯れかけた葉などに病気が発生する事が多いので、できるだけ取り除くようにします。予防にダコニール1000、ジマンダイセンなどの殺菌剤を定期的に散布しておくとよいです。

スス病

カイガラムシが発生してベトベトした排泄物の所に発生する事があります。ススがついたように黒くなるので観賞価値が大きく下がってしまいます。早めにカイガラムシを駆除して、広がらないよう黒くなった所を取り除くようにします。初期症状ならベンレート水和剤やトップジンM水和剤が有効です。

病気や害虫の予防

日当たり、通風、温度、湿度などできるだけ植物が好む環境で育て、根詰まりしないよう定期的に植え替えると丈夫になり、病気や害虫の被害も少なくなります。それでも発生する事があるので、ある程度予防しておいた方がよいです。

枯れ葉の除去

枯れ葉を放置すると病気の発生源になる事があるので取り除くようにします。また、土に落ちた葉も取り除くようにします。

薬剤で予防

4月から10月に月1、2回、予防に散布しておくとよいです。散布は必ず戸外で行うようにします。

古土の利用は避ける

古土には病原菌がいる事があるので、新しい土で植え替えるようにします。古土を再利用する場合は日光消毒と土壌改善をしてから使うようにします。土のついた鉢も洗って日光消毒した方がよいです。

薬剤の使用

薬剤について

一つて全ての病気と害虫に効果がある薬剤はないので、沢山の種類が売られています。殺虫剤はアブラムシなどの虫を、殺菌剤はカビなどの病気をなくすものです。殺虫剤の中にはアブラムシに効いてもハダニには効かなかったり、殺菌剤では炭そ病に効くけど斑点病には効かないなどがあります。薬剤は水で薄めて噴霧器で散布するものと、初めから薄められて、そのまま利用できるものがあります。

あったらよい薬剤の紹介

全ての病気や害虫に効果のあるものを揃えようとすると、とても多くの数が必要になってしまいます。最低限あったらよい薬剤はアブラムシとハダニが発生した時に駆除するベニカR乳剤など、病気を予防するダコニール1000があるとよいです。薄めずにそのまま使えるものならアブラムシ、ハダニに対応したベニカXファインスプレー、欲を言うと炭そ病などに対応したモスピラン・トップジンMスプレーもあるとよいです。

噴霧器

水和剤や乳剤を購入して水で薄めて使う場合に必ず必要になります。普通の霧吹きでもかまいませんが、長いノズルがついている方が葉の裏や込み入った所にも散布がしやすいです。

水和剤や乳剤の希釈

乳剤のものと粉剤のものがあって、説明書通りの倍率に水で薄めて使います。乳剤はピペット(スポイト)などで量り水で薄めます。もし1cc取って500ccの水で薄めると500倍、0.5ccなら1000倍になります。粉剤のもので0.5g×10袋に小分けしているものは、一袋を500ccの水で薄めると1000倍、1リットルの水なら2000倍ができます。お徳用の粉剤で100g〜300gぐらい入っているものは目的の倍率になるよう計量スプーンなどで量って水で薄めます。倍数は説明書通りに薄めらばよく、濃すぎると葉に班が入ったりする薬害が出る事があるので注意してください。異なる薬剤を混ぜて散布できますが、厳密には相性があるので調べて混ぜた方がよいです。

展着剤

水で薄めて作る場合、葉につかず流れ落ちてしまう事があります。展着剤を混ぜると葉に着きやすくなるので効果が高まります。いくつか製品がありますが、ダインと言うのがポピュラーです。特に高価なものではないので混ぜて作った方がよいと思います。

散布について

室内は避け、手につかないようゴム手袋を、口に入らないようマスクをして行った方がよいです。風の強い日は自分に掛かったり、周辺にも迷惑をかける事があるので避けたほうがよいです。時間は気温の高い時に行うと薬害が出る事があるので、朝か夕方に行うのがよいです。しかし、冬の夕方は乾き難いので避けます。病気は発生場所だけではなく、まだ潜んでいる事もあるので全体的に葉裏にも散布した方がよいです。缶スプレーのタイプは液が冷たく、近づけて散布すると葉に凍傷を起こす事があるので、30cm以上は離して散布します。

薬剤の購入

もし、薬剤をお求めなら楽天市場の悠彩堂 で大体揃います。噴霧器なら楽天市場 に色々なタイプが売られています。

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