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シンビジュームの育て方

シンビジューム/シンビジウム

■学名:Cymbidium
■科・属名:ラン科・シンビジューム属
■原産地:中国、ネパール、インド、タイ、オーストラリア、日本など
■分類:多年草・非耐寒性
■開花期:1月〜5月
■草丈:30cm〜80cm
■花径:4cm〜8cm
■花色:白、ピンク、赤、黄色、橙色、緑、茶など
■用途:鉢植え、切花
■花言葉:飾らない心、素朴

シンビジュームの紹介

洋蘭の中ではとても丈夫で、日本の気候にもあって、とても育てやすいです。家にはかつて洋蘭を温室なしで育てていましたが、新しくサンルームを取りつけた冬、寒波の放射冷却で胡蝶蘭、カトレアは枯れてしまいました。しかし、シンビジューム、デンドロビュームは葉が少し痛んだだけで枯れず、寒さにとても強いです。通常シンビジュームは、最低気温が5度以上あれば越冬でき、冬のシクラメンと同じような環境で育つので、冬のシクラメンを育てる事ができればシンビジュームも育てる事ができます。花の姿もよく、花持ちもよく1つの花だけで1ヶ月ほど咲き、更に次から次へと花を咲かせるので、3ヶ月近く花を楽しむ事ができます。

作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花時期 開花
場所 室内の日向(5℃〜10℃) 遮光30% 遮光50% 遮光30% 室内の日向
植え替え 植え替え(花後)
芽かき 春の芽かき 秋の芽かき
肥料 肥料
鉢の水やり やや控えめ(蕾・開花中は乾けば) 表面が乾けば与える やや控えめ
フォアゴットンフルーツ


シンビジュームの育て方

冬から春に購入した開花株の管理

室内のなるべく日光の当たる明るい窓辺などに置きます。比較的寒さには強いのですが、冬に貰ったり購入したものは温室育ちなので、極端に冷え込むような寒い所は避けます。夜間の温度は10度〜15度ぐらい、昼間の温度が23度以下を保てるような所に置くのが理想的です。冬の夜間10度〜15度を保てない部屋では、寒さに急に当てるのは避けて、徐々に最低温度5度〜10度ぐらいの所に慣らせていきます。逆に高い温度は花もちが悪くなるので、昼間25度以上、夜間20度以上と温度の高い場所には置かないようにします。水やりは植え込み材料が乾いたら与えます。開花中の水切れは注意しますが、真冬の水の与え過ぎにも注意してください。肥料は開花中は与えません。

置き場

ソメイヨシノが咲く頃までは、室内のできるだけ直射日光の当たる場所に置きます。ソメイヨシノが散ったら、戸外の日光のよく当たる風通しのよい所に置きます。5月から10月までは遮光ネットで30%〜50%ぐらい遮光して育てます。薄霜が降りるようになれば室内のできるだけ日当たりのよい場所に置きます。つぼみや花が咲いている時期に2度以下の低温、25度以上の高温にさらされると花やつぼみに害がでるので注意します。冬の室内での理想的な気温は夜間5度〜10度ぐらい、昼間は23度以下の所が理想的です。

開花時期の違い

12月になって花芽が出たら、その後は、最低温度が10度ぐらいで1月から2月頃の開花、最低温度が7度ぐらいで3月頃の開花、最低温度が4度ぐらいだと4月から5月頃の開花になります。

水やり

生育期の春から秋は植え込み材料の表面が乾けば与えます。夏はよく乾くので毎日の水やりになります。冬はやや控えめに、乾いた翌日に与えるぐらいにします。蕾が見えてから開花したものは水切れさせないよう、表面が乾いたら与えます。冬の水の与えすぎは根腐れする事があるので注意してください。

肥料

比較的、肥料を好みます。4月〜7月頃まで骨粉入りの固形油粕などを置き肥をして、5月頃の新芽が出る時期から10月頃まで週に1回ぐらい液体肥料を与えます。

植え替え

シンビジュームの植え替え
洋蘭の土+軽石
洋蘭の土7+軽石3
シンビジュームの植え替え後(株分け)
植え替え終了(株分け)
2〜3年に1回を目安に植え替えます。時期は花後の新芽が伸び始めた頃に行います。通常4月頃に行いますが、まだ花のついている株は5月まで待って行うか、花を切り花として利用して植え替えを行います。用土は水苔、バークと軽石の等量、軽石やバークなどが入った洋蘭の土などを使用します。写真は株分けした時に植え替えたものです。用土はバークと軽石などが入った洋蘭の土に軽石を3ぐらい混ぜたものを使用しました。軽石を混ぜたのは単に用土節約のためです。

株分け

植え替え時大きくなり過ぎた株は株分けをして増やす事ができます。株分けは3バルブ以上で一株とするように株分けをします。時期は4月の早い時期に行います。方法はバルブをできるだけ避けて包丁などで丁寧に切り分けます。切り分けた際、葉の出ていない枯れたバルブは取り除きます。枯れていないバルブは養分になるので取り除きません。株分け後は1週間ぐらい半日陰で管理します。下は根詰まりで花芽が出ないので株分けしたものです。2つに分けようと思ったのですが、思ったより大きいかったので4つに分けて2つは人にあげました。
シンビジュームの株分け(2007/3月下旬)
根詰まりしたシンビジューム
根詰まりした株
シンビジュームの根
根詰まりした根

包丁で切り分け

二つに分けた
切り分けたシンビジューム
水に濡らして手で4つに分けた
シンビジュームのバルブ
バルブ

大きなバルブ(約10cm)

芽かき

春の芽かき

シンビジュームの花芽
シンビジュームの花芽
花後の3月から5月になったら、一つのバルブに1芽だけ伸ばすよう、他の葉芽は取り除きます。例えば6号鉢に3つのバルブがあれば3芽残すようにします。そうする事で花芽を着きやすくします。

秋の芽かき

10月から11月頃は花芽を残して、他の葉芽は全て取り除きます。そうする事でよい花を咲かせるようにします。花芽と葉芽はとても似ているので、分からない場合は葉の先が分かれて葉芽だと見分けが付いてから取り除きます。葉の先が分かれていない時に見分けるには、花芽は厚く丸っこい事、葉芽は薄い事で見分けられます。

支柱立て

花茎が伸びてきたら支柱を立てて、支柱に花茎を誘引させながら伸ばします。花茎を無理に曲げたりすると折れる事があるので注意してください。通常はまっすぐ上に伸ばすように誘引しますが、下に垂らしたり、胡蝶蘭のように曲げて誘引されているのを見る事があります。 シンビジュームの支柱立て
支柱立て

花茎切り

花持ちがよく、いつまでも花茎をつけておくと、株の栄養が花に奪われ、来年の花の開花に影響してくる事があります。花茎を切るタイミングは、 12月から2月頃に開花しているものは7割ぐらい枯れてから、3月から4月頃に開花しているものは3割ぐらい枯れてから切花に、その後の5月頃に開花しているものは8分咲きぐらいで切花に利用します。切り花は5度ぐらいの低温で管理すれば1ヶ月ぐらい持ちます。

病害虫

花にアブラムシが発生することがあります。スミチオンなどを散布して駆除します。