花と観葉植物(葉っぱの岬)

メダカの習性について

メダカは日本の他、中国などのアジアにも分布しています。日本にいるのはクロメダカと呼ばれるもので、北の方にいるのをキタメダカ、南にいるのをミナミメダカと呼ばれています。体が小さいので流れの速い川では生きる事が出来ず、流れの緩やかな小川や用水路、池や沼などに生息しています。一昔前までは水田や水路などに沢山群れて泳いでいるのを見かけましたが、数が減って平成11年に絶滅危惧種になりました。

水田で減った訳

メダカ
以前は水田と水路は繋がり沢山のメダカが泳いでいました。昔の水路は土を掘って作られ、水草や藻が沢山茂りメダカのとてもよい住処になっていました。流れは緩やかですが大雨になると流れは速くなり、それでも緩む所があったのでそこで流されないよう身を隠していました。時代とともにコンクリート化され、また地域によってはバルブを開くだけで水の出るパイプラインが作られるようになりました。コンクリートでできた水路は流れが速く、逃げる所もないのでメダカの住める所ではなくなってしまいました。

群れで泳ぐ

メダカ
サギやカラスなどの鳥から狙われやすく、水の中でもヤゴ、タガメ、ミズカマキリなどから狙われます。群れて泳ぎ身を守ろうとする習性があるので、飼育する時は5匹以上一緒に入れてあげるとよいです。

餌と水温

自然では口に入る大きさのミジンコなどの微生物や藻を食べます。睡蓮鉢などに入れておくと、夏のボウフラも食べます。飼育する餌は市販されているもので十分に育てる事が出来ます。水温の高い春から秋にかけて餌を食べ、特に夏は旺盛に食べます。しかし、水温の低い冬はほとんど食べなくなります。

人に慣れる

金魚のように口をパクパクして餌ねだったりはしませんが、初夏から秋の食欲旺盛が時期には人を見ると寄ってくる事があります。全てがそうとも限らず、中にはとても警戒心が強く近寄るとすぐに隠れてしまうものもいます。

寿命と産卵

メダカの卵
寿命は自然では1年から2年ぐらい、飼育すると3年から5年ぐらい生きます。それでもさほど長生きする方ではありませんが、卵をよく生むので繁殖力はとても強いです。産卵の時期は水温と日照時間が関係して地域に多少異なりますが、大体5月から9月上頃にかけてよく産卵します。水草に直接産むのではなく、受精されるよう卵をお腹に引っ付けて泳ぎまわり、その後水草に産み付けます。せっかく生んだ卵も狭いビオトープ内では親達にほとんどが食べられますが、水草が沢山あると見つからず何匹か大きく育つ事があります。それでも自然に繁殖させるのは難しいので、卵を孵化させて育てないと減ってゆきます。方法は慣れれば容易なので、もし興味があればメダカの稚魚の飼育をご覧ください。

冬眠

冬眠するメダカ
冬でも小さいメダカは暖かい日に餌を食べますが、親メダカは水温が5度を下回ると、冬眠したかのように底にじっとして泳ぎ回らなくなります。お腹がすかないのかと心配になりますが、寒くなる前に沢山食べて脂肪を蓄えるので、ほとんど食べずに越冬する事が出来ます。気温の低い日は氷が張る日もありますが、表面が凍るぐらいなら全然大丈夫です。浅いビオトープでは凍る日が続くと氷が厚くなってしまうので、薄いうちに取り除くようにした方がよいです。暖房が効いている暖かい部屋では、水温が高いので冬眠はせず餌も食べます。

姿が見える春から秋

メダカ
ビオトープでは春になって暖かくなると、姿の見えなかったメダカも出てきて餌を食べるようになります。5月頃になると日が長くなり水温も上がるので、子孫を残そうと産卵が始まり、初夏になると食欲は旺盛になり、産卵は日が短くなる9月上旬頃まで続きます。この時期は水草から卵を取って増やせるよい季節になります。秋が深まり水温が下がると食欲は徐々に衰え、真冬になると姿が見えなくなります。

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