花と観葉植物(葉っぱの岬)

植物の益虫

主な益虫

植物の害になる害虫がいれば、植物のためになる益虫もいます。害虫を食べてくれるカマキリなどの虫や、受粉をして回るミツバチ、昆虫ではありませんが土を豊かにするミミズなどがいます。蝶は受粉する益虫ですが、植物の葉に卵を産み、孵化した幼虫が葉を食べてしまう害虫になります。

テントウムシ

種類が多く益虫と害虫のテントウムシがいます。益虫の方は肉食で、成虫も幼虫も同じものを食べます。幼虫はグロテスクな姿なので、駆除しないために姿を覚えておいた方がよいと思います。益虫は主にアブラムシ、カイガラムシ、キジラミを食べるものが多く、他にコナジラミ、ハダニなども食べます。種類によって食べる好みが異なり、ナナホシテントウはアブラムシを、アカホシテントウはカイガラムシを、中には「うどんこ病」の菌を好んで食べる体長が4mm前後と小さいキイロテントウやシラホシテントウもいます。寿命は数カ月から1年以上で生涯かなりの害虫を食べると言われています。足の関節から鳥などが嫌う黄色い液体を出して身を守っていて、摘まんだりすると手に液体がついて臭くなります。一度食べた鳥は嫌な臭いと模様を覚えていて、二度と食べなくなると言われてます。

ナナホシテントウ

ナミテントウ

アカホシテントウの幼虫

テントウムシのサナギ

害虫のニジュウヤホシテントウ

草食でナス科の植物の葉や実を食べる害虫です。班が28個あるのでこのような名前で、テントウムシダマシとも呼ばれています。冬は越冬して活動しませんが、春になると出てきてジャガイモなどの葉を食害し、夏にはホオズキ、ナス、トマト、ピーマンなどに被害が出ます。

カマキリ

目の前にある動く虫を捕まえて食べます。子供の頃はアブラムシなどの小さな虫も食べるようで、成虫になると駆除が厄介なバッタ類も食べてくれます。持つと噛みついてきますが、何もしなかったら噛まれる事はないので、邪魔な場合は長い枝などにとまらせて別の所に移すとよいです。寒さに弱い生き物なので、春の4月から6月にかけて卵から孵化し、秋の9月から10月頃に産卵して寒くなると寿命で死んでしまいます。塀の高い所や枝などに卵が産まれているので、見つけたらそっとしておくとよいです。雪の積もる地域では、高い所に産卵すると雪が多いシーズンに、低い所に産卵すると雪が少ないシーズンになるそうです。

カマキリ

ミツバチ

蜜を体の中にある蜜胃に溜め、花粉を後ろ足にある花粉カゴに引っ付けて花から花へと移るので受粉に大きく役立ちます。イチゴ栽培では受粉のためにハウスによく放されるのが知られています。西洋ミツバチと日本ミツバチがいますが、主に西洋ミツバチが受粉や蜂蜜を作るのに利用される事が多く、蜜を集めるのが3倍ぐらい早いそうです。花の蜜はそれほど甘くないですが、蜜胃で分解されたり巣で濃縮されて甘みが増します。足に引っ付いた花粉は蜂蜜と混ぜてローヤルゼリーに分解され、幼虫や女王蜂の餌になります。1匹の蜂が生涯集める蜜の量は小さじ1杯ぐらいだそうです。お尻に毒針がありますが、性格は大人しく一度刺すと死んでしまうので、見ているだけで刺される事はないです。

アシナガバチ

イモムシや毛虫と少々厄介な害虫を食べてくれる益虫です。花の蜜を吸うのを見かける事がありますが、何もしなければ襲ってくることはありません。刺されると痛いので、人の出入りする所に巣があった場合は駆除しなければ仕方ありませんが、特に害のない場所に巣を作っている場合はできるだけそっとしておいた方がよいです。

小型のイモムシを捕食

ミミズ

フトミミズは土の中の腐敗物を食べていて、糞になって出た土は団粒化されて土壌改善されます。シマミミズは土の中ではなく、敷き藁や堆肥の中などで有機物を食べて生きていてます。残飯の中でも生きられるので、ミミズコンポストにも使われています。2種類は似たものもいるので見分け難いですが、フトミミズは触ると体が跳ねるように動き、シマミミズは大人しく動くので区別がつきます。他にもヒメミミズという白っぽい体長が5mmぐらいのもいて、土の中を好むものや堆肥を好むもの、中には切れると2匹になるヤマトヒトミミズというのもいます。ミミズが土の中を這うと水はけがよくなり、糞や体から出るヌルヌルした体液には肥料分があるので、這った跡は肥えた土になります。体液には殺菌効果もあるので、乾燥させたものは漢方として売られており、煎じて飲むと熱冷ましに効果があると言われています。

トンボ

トンボは飛んでいる蛾やなどを食べてくれます。赤トンボと呼ばれるアキアカネは秋になると田んぼに産卵し、田植え前に水が引かれると孵化して幼虫のヤゴが育ち、梅雨頃になると稲に登ってふ化して涼しい山へ飛んでゆきます。秋になるとまた戻って来て産卵しますが、卵は水がなくても平気です。最近は農薬の影響で減ってしまったので、また増やす取り組みが行われている所もあります。

蛾を捕食

ミヤマアカネ

カエル

乾燥に弱いので雨の日や湿度の高い夜になると活動してヨトウムシなどの芋虫類やアブラムシも食べてくれます。大きな声で鳴くのはオスで、離れたメスを呼ぶのにアピールしています。とても大人しい生き物で掴んでも何もしませんが、あまり長く持っていると弱ってしまいます。

トカゲ、カナヘビ

トカゲとカナヘビは同じ仲間でよく似ていて、庭ではカナヘビをよく見かけます。舌を出したり引っ込めたりとグロテスクですが、性格は大人しく捕まえようとすると逃げてゆきます。見かけは悪いですが小型の芋虫類やバッタ類などを食べるので益虫になります。危険を感じると尻尾が切れ、切れた尻尾は活発に動き、それをおとりに逃げてゆきます。切れて無くなった所はまた生えてきます。

カナヘビ

ヤモリ

夜行性なので明かりのある窓などにへばりついて、光に寄ってくる小さな蛾などを食べています。足の裏には吸盤があって、垂直に登る事が出来ます。見た目が少し気持ち悪いですが、かわいい目をした大人しい生き物で、人に害を及ぼす事はありません。窓を開けると落ちてくる事があり、捕まえようとすると這うようにすばしっこく逃げてゆきます。

蜘蛛

家蜘蛛はハエやゴキブリを食べる益虫として知られています。戸外にいるものも害虫を食べる益虫になります。襲ってきたりしませんが、見た目が悪いので苦手な人も多いと思います。自分も小さなものは大丈夫ですが、大きなものは苦手です。糸を張って蛾などを捕まえて食べるものと、歩きながら虫を捕まえ食べているものがいます。よく庭で見かけるのは体長が1cm〜1.5cmぐらいの小さなコモリグモで、メスはお尻に卵を付けて歩き、ふ化した子供を背負って子守します。小型の虫を捕まえて食べ、アブラナ科につくコナガの幼虫も食べるそうです。庭で糸を張るものでは足長蜘蛛や黄金蜘蛛をよく見かけます。

コモリグモ

黄金蜘蛛

ハサミムシ

雑食性で落ち葉やアブラムシなどを食べています。鋏の大きなオオハサミムシは蛆も食べるのでハエの発生を抑えています。大人しい生き物ですが、尾には鋏があって挟まれる事があるので、邪魔ならスコップなどに乗せて別の所に移動させるとよいです。

その他

ハダニ、アブラムシ、アザミウマの天敵にクサカゲロウやヒメハナカメムシ、他にアブラムシが発生した所に産卵し、ふ化すると爆食するヒラタアブやショクガタマバエの幼虫などもいます。ヒラタアブは1cmぐらいの小さなハナアブで花の近くをホバリングをして飛んでいるのを見かける事があります。花の蜜を吸うだけで人を刺したりしないです。

ヒメヒラタアブ

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