花と観葉植物(葉っぱの岬)

花の種まき

種まきの季節

春まき

春の4月から5月頃にまかれ夏から秋に花を咲かせるものが多いです。草花ではヒマワリや朝顔などがこの季節にまかれます。夏の暑さには強いのですが、冬の寒さで枯れる一年草が多いです。夏の暑さが来る前の6月までに植えつけた方が、水やりの管理がしやすく根もつきやすいです。

秋まき

秋の9月から10月頃にまかれ春に花を咲かせるものが多いです。草花ではキンギョソウやスイートピーなどがこの季節にまかれます。ヨーロッパなどの涼しい地域に生息しているものが多く、夏の暑さで枯れる一年草が多いです。寒さには強いので暖地では秋まきされますが、雪が降り積もるような寒地では春にまかれる事が多いです。種袋を見ると暖地、温暖地、寒地と時期が分けて書かれているので、自分の住んでいる地域に合った時期に種がまかれます。植え付けは本格的な寒さが来る11月まで終わらせるのが理想的なので、それまでに苗を大きするのがポイントになります。

夏まき

ストックやハボタンなど暑い時期に種がまかれるものもあります。秋にも行えますが観賞できる時期が遅くなってしまうので、夏にまいて冬に観賞できるように育てられます。暑い時期に種まきするので、涼しい日陰で行ったり日の当たる所では遮光ネットで日よけして行われます。水の管理など手間がかかるので、種まきに慣れてから行うと失敗が少ないと思います。

用意するもの

種をまく容器

土を容器に入れて種をまく場合に必要です。市販されている育苗箱でもよいし、土が入れられて底から水が抜ければ何でもよいです。うちは以前、発泡スチロールの底に穴を開けて利用していました。

育苗箱

種まきの土

雑菌がなく肥料分の少ないものがよいので、市販されている種まき用の土を使うのがよいです。もし細かい種でなければ赤玉土(小粒)6、ピートモス4ぐらいの土を使ってもよいです。発芽したばかりのものは病気に弱く、古土には病気が潜んでいる事があるので使わないようにします。
種まきの土

ポリポット

花屋さんへ行くとポット苗が売られています。種まきから同じものを作るのに必要です。花屋さんで多く見かけるポットの大きさは9cmですが、自分は土の節約のため7.5cmポットを標準に、大きい種をまく場合は9cmを使用しています。ポットが小さいほど根詰まりが早いので、植え付けも早めに行わないといけないです。
ポリポット
左9cm、右7.5cm

種まきの予備知識

覆土について

植物によって覆土をしなくてはいけない嫌光性種子(暗発芽種子)と、してはいけない好光性種子(明発芽種子)があります。どちらでも発芽するのも多くありますが、種袋に土を被せるかどうか書かれているので、その通りに行わなないと失敗してしまう事があります。

覆土する前の種をばらまいた状態

発芽適温について

種袋に発芽に理想的な温度が書かれています。これは土の中の温度なので実際の気温より低い温度になります。15度から20度と書かれたものはやや低めで気温が高いと発芽し難い事が分かり、20度から25度と書かれたものは気温が低いと発芽し難い事が分かります。

発芽日数

植物によって発芽するまでの日数に違いがあります。普通は1週間から2週間すると発芽するものが多いですが、中には数日で発芽するものや1カ月以上必要とするものがあります。発芽するまでは土を乾かさない事が大切です。

細かい種

種の大きさが1ミリにも満たない細かいものがあります。まき難くジョウロで水を与えると種が流れるので、大きいものと比べるとやり難いです。細かい種は平鉢にまいて、受け皿に水を溜める腰水という方法で行う事が多いです。発芽するまでは乾燥しないよう新聞紙をかけ、発芽したら外します。種まきし材として売られているピートバンを利用するとまきやすくなります。

平鉢の腰水

大きい種

指で摘まめる大きさがあるとまきやすく、ジョウロで水を与えても流れないので容易に行えます。種が固いものは、そのまままくと発芽し難いものがあるので、一晩水に浸けたり表面をやすりで少し削ってまいた方がよいものもあります。

一晩水に

混合の種

複数の花色が混じった種が売られています。色によって発芽する早さが異なるものがあるので、早く発芽したものだけを残すと、同じ色ばかり咲く事があります。 発芽の早いものも遅いものも苗を作った方がよいです。

砂質を好む植物

砂質土壌を好み湿り過ぎると発芽し難くなるものもあります。土に細かな川砂を2割ぐらい混ぜると発芽率がよくなる事があります。

種のまき方

種が重ならないようにまくのがポイントです。種が重なると同じ所から芽が出るので、後で間引がやり難かったり、お互いの芽が日を浴びようと競争してヒョロギョロトと高く育ったりします。

ばらまき

種が細かいものから小さいものをまく時に行われ、花の苗を作る時に行われる最もポピュラーな方法です。指で種をつまんで重ならないようばらまいたり、古いハガキなどを二つ折りにして種を乗せ、反対側の手で手首を軽く叩いてまいたり、使い終わった調味料の空き瓶に種と砂を混ぜて入れ、振り掛けてまかれたりします。種をまく前に水を与えておくと、種が流れるリスクを減らす事が出来ます。
ばらまき

点まき

大き目の種をまく時に行われます。指先で2、3カ所の穴を作りそこに一粒ずつまいたり、直径3cmぐらいの穴を作ってそこに2〜5粒ぐらいまき、双葉になって葉が触れ合うようになったら、元気なのを1本だけ残すように間引きします。花壇に直接まかれたり、ポットを利用して行われたりします。花壇で行う場合は、種袋に書かれた間隔を開けてまきます。
点まき

すじまき

小から中ぐらいの種をまく時に行われます。支柱などを使って筋状の溝を掘りそこに種が重ならないようにまきます。
すじまき

種まきの種類

箱まき(育苗箱)、平鉢(浅い鉢)

草花の種まきでよく行われる方法で「ばらまき」される事が多いです。中くらいの大きさの種は育苗箱に、細かいものは浅い平鉢にまかれ、鉢底から給水させる事が多いです。本葉が2,3枚になったらポットに仮植えして苗を作ります。庭でも同じように行えますが、強い雨で種が流れたり、虫に葉が食べられる事があるので、容器を軒下などに置いて目の届く所で管理できます。秋は特に虫が多いので防虫ネットをしておくと安心です。

育苗箱を使った箱まき

平鉢

直まき

庭や鉢に直接まいて育てます。種が大きく芽が出やすいものを対象に行われる事が多いです。庭では2週間前に苦土石灰、必要なら腐葉土や完熟堆肥などを混ぜて耕しておきます。鉢植えでは定植用の花の培養土などを利用して種をまきます。
直まき

ポットまき

大粒の種や箱まきで移植の時に根を壊されるのを嫌う草花に向いています。直まきでもよいのですが、強い雨で流れたり虫による被害が出る事があるので、ポットのまま軒下などの目が届く所で管理できます。ポットの大きさは9cmを基準に、小さ目なら7.5cmぐらいを目安にするとよいです。「点まき」で2、3粒ぐらいまいて、元気なのを残すように間引きします。
ポットまき

その他の種まき方法

セルトレイ

小さな容器が並んで沢山の苗を作る事ができます。小粒から中粒の種をまくのに向いていて、本葉が数枚出たらポットに仮植えしたり定植します。用土は種まき用の土がよく、粒が大きい赤玉土などが多いと、取りだした時に根鉢が壊れやすいです。
セルトレイ

ピートバン、ジフィーセブン

ピートモスが圧縮された物で作られ、水に浸けると膨らみます。底の受け皿から水を吸わせ保水性が高いので水切れし難いです。ピートバンは沢山の種がまかれる大きさで、細かい種をまくのに向いています。覆土が必要なものは角を3cmぐらい折ってその部分が使われます。ジフィーセブンは一鉢用で、穴に種を入れて周りのピートを崩して覆土します。

ジフィーセブン

ジフィーポット、ジフィーストリップ

ポットやセルトレイの形をして素材は圧縮ピートで出来ています。根が張ったらそのまま土に植える事が出来、根がデリケートな移植を嫌う草花に向いています。

ジフィーポット

切って使うジフィーストリップ

新聞紙を使う種まき

比較的大きな種を、濡らした新聞紙に挟んで明るい日陰に置くと、しばらくすると発芽するものがあります。芽が出て葉が出てきたら元気なのだけ選んでポットなどに仮植えします。この方法はテレビでメロンの種まきが紹介されているのを見て知りました。キュウリでもよく発芽するので、ウリ科の植物は大体大丈夫だと思います。この方法は元気な芽だけを選べるのがメリットです。小さい種は扱い難いので、大きな種の方が向いています。管理は新聞紙が乾かないよう毎日霧吹きなどで湿らせるようにします。もし種が余ったら試しにやってみるのも面白いと思います。

種を濡らした新聞で挟みます

発芽する種があります

種まき後の管理

水やり

発芽するまでは乾燥させないようにする事が一番大事です。小さな種はジョウロで上から水を与えると、流れ出てしまう事があるので、平鉢にまいて受け皿から水を与える腰水灌水するのがよいです。発芽後は日に当てて、多少乾かした方が根が水を求めて伸びやすいですが、あまり乾かし過ぎないように注意してください。

置き場所

できるだけ明るい日陰に置いて発芽させます。日陰のない場合は新聞紙や遮光ネットを覆って利用するとよく、土の乾燥を防ぐ効果もあります。発芽したらヒョロヒョロと貧弱にならないよう、日光に当てますが、急に長く日に当てると弱ってしまう事があるので、遮光ネットを利用したり少しずつ慣らして行きます。

遮光ネット

間引き

双葉が隣の葉と触れるようになったら、元気なのを残すように間引きをします。放置するとお互いの芽が競争して、ヒョロヒョロと茎が長くなって徒長してしまいます。方法は指やピンセットを使って地面を軽く抑えて引き抜いたり、元を糸切り鋏で切ってもよいです。 あまり密集してまくと間引き作業が大変なので、引っ付きすぐないようにした方がよいです。また数が少ない種は、間引くと数が減るのでゆとりのある間隔にまいた方がよいです。

間引き前

間引き後

肥料

種には養分が含まれているので、芽が出てしばらくは必要ありません。発芽して本葉が2,3枚出て茎がしっかりしてきたら、2000倍ぐらいと薄めの液体肥料を1週間から2週間に1回ぐらい与えます。本葉の揃わない小さい頃に肥料を与えると枯れてしまう事があるので注意してください。

防虫ネット

種まきをしてせっかく芽が出てきたのに、虫から食べられてしまうことがよくあります。主に新芽を食害する害虫はナメクジ、バッタ類、蝶や蛾の幼虫から食べられてしまいます。虫が入らないようネットを被せておくと安心です。また地面に置くより高い棚に置いた方が被害が少ないように思えます。
防虫ネット

仮植え

箱や浅鉢に種をまいたものは、そのままだと窮屈になって生育が悪くなるので、本葉が2,3枚になったらポットに仮植えします。行う時は無理に土を落とさなくてもよいので、できるだけ根を切らないように注意します。用土は定植用を利用して、肥料は葉が伸びるようになってから与えます。

箱まきの苗

ポットに仮植え

秋の残暑

夏から初秋に種をまいて仮植えした後、残暑による日の強さで葉が萎えてしまう事があります。遮光ネットで日差しを和らげておくとよいです。また濃い肥料は根を傷めるので避けます。

遮光ネットで日よけ

予備のポット苗

花壇へ苗を植え付けた後、虫に食べられていくつか枯れてしまう事があります。念のためポット苗を余分に作っておくとよいです。

台風対策

秋に直まきしてせっかく芽が出たのに、台風の大雨や強風で駄目になってしまう事があります。念のため予備にポット苗を作っておくと安心です。また、台風のシーズンに咲く草花を庭に植えておくと、強風で茎が折れたり、支柱を立てていても葉がちぎれて痛んでしまう事もあります。庭だけではなく、鉢やプランターなどにも植えておくと、室内などに入れて避難させる事ができます。

私事の用土節約

数が増えると結構沢山の種まき用の培養土が必要になります。自分は節約するために箱まき、平鉢、ポットの下半分ぐらいに定植用の安上りの土を、残りに購入した種まき用の培養土を入れています。また、ポットの大きさは9cmが標準的ですが、自分は主に7.5cmを使って土を節約しています。定植用の土は使い古しだと病気が残っている事があるので、新しい土を使っています。

下の方は定植用の土

上の方は種まき用の土

植え付け

根が回ってきたら植え付けます。早過ぎるとポットから根鉢を抜くと土が壊れやすく、遅すぎると根がパンパンになって根詰まりします。ポットの大きさと葉バランスが丁度良い頃がよいです。春まきの場合は苗が小さくても暑さが来る前の6月までに植え付けた方がよいです。秋まきは寒くなる前の11月になっても苗が小さい場合は、来年の春に植え付けてもよいです。また少し寒さに弱いものは霜よけしたり、ポット苗のまま冬を軒下で越させて春に植え付けてもよいです。その他は花苗の植え付け方の項目をご覧ください。
苗の植え付け

楽天通販店

園芸店で売られていますが通販店でも購入する事が出来ます。比較的商品が豊富なお店を選んで紹介してみました。

種まき資材が豊富なお店

ガーデニングどっとコム

花の種が豊富なお店

菜園くらぶ

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