花と観葉植物(葉っぱの岬)

ポトス

学名:Epipremnum aureum
別名:オウゴンカズラ(黄金葛)
科・属名:サトイモ科・エピプレムヌム属
原産地:南太平洋ソロモン諸島
分類:常緑つる性植物
寒さ:弱い(種類によって5度〜8度以上)
暑さ:強い
日照:明るい日陰
耐陰性:あり
通販:楽天市場にあり

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ポトス(ゴールデンポトス)

大きなポトスの葉

ポトスはツル性で葉の美しい観葉植物です。写真はゴールデンポトスという耐寒温度が5度ぐらいと比較的強く、生育も旺盛な種類です。葉の色は緑色で、斑ははじめは黄色をしていますが、だんだんと白くなってきます。ポトスという名前で出回っているのは、このゴールデンポトスの事が多く、和名、オウゴンカズラはこれから名前がつけられています。野生では葉の大きさが1mぐらいになるそうで、写真は25cmぐらいの大きさになりました。育てるのは熱帯の植物なので寒さに弱いですが、それを除けば比較的容易に育てる事が出来ます。増やすのも容易で吊り鉢やヘゴ仕立てなど色々な仕立て方ができるのも魅力です。

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作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
場所 明るい室内(5度以上) 半日陰 明るい日陰 半日陰 明るい室内(5度以上)
植え替え 適期
挿し木 挿し木
切り戻し 切り戻し
肥料 肥料
鉢の水やり 控えめ 鉢土の表面が乾いてきたら 控えめ

ポトスの種類

黄色い斑の入るゴールデンポトスの他に、斑の色が白いタイプや葉がライム色をしたものもあります。やや冬の寒さに弱く室内の気温が8度以上あった方がよいものもありますが、それを除けば基本的な育て方は同じです。冬に8度以下になっていまう部屋では、ビニール温室の中に入れておくと、暖房を切った後も気温が下がり難く、また湿度がありそれを好むので葉の痛みが少なくなります。

ポトス・エンジョイ

ポトス・マーブルクィーン

ライムポトス

ポトスの育て方

春から秋の置き場所

薄日が差すような明るい所を好むので、窓のある明るい部屋に飾るとよいです。少しぐらい暗い部屋でも育ちますが、蔓が伸びるのが遅くなったり、斑が減って葉の色が悪くなる事があるので、たまに明るい所に移動してあげるとよいです。春や秋の日差しの弱い時期はレースカーテン越しの日光に当てると、葉が美しくなり生育もよくなります。夏は日差しが強く葉が焼けて茶色くなりやすいので、初夏からの強い日差しには当てないようにします。また冷房の風は空気が乾燥しているので、直接当たらない所に置くようにします。
4月中旬から10月中旬
室内または戸外の半日陰(夏の強い日差しは避ける)

冬の置き場所

冬の寒さには弱いので、戸外で育てているものは秋が深まってきたら室内に入れます。冬の夜間は最低温度が8度以上ある、できるだけ暖かく明るい所に置きます。暖房を切ると夜の窓際は冷え込むので、カーテン越しや少し離した所に置くとよいです。部屋は床よりも天井の方が暖かいので、明るい棚の上に置くのもよいです。暖房の風は空気が乾燥しているので、直接当たらない所に置くようにします。
10月下旬から4月上旬
室内の日当たりのよい所から半日陰(最低温度は8度以上で管理)

春から秋の水やり

春の5月から秋の10月頃は生育する時期なので、鉢土の表面が乾いてきたら鉢底から出るぐらい与えます。

冬の水やり

秋が深まってくると、徐々に水を吸い上げる量が減って来て、真冬はあまり水を吸わなくなってきます。春から秋のような感覚で水を与えると、土がいつも湿った状態になって根を腐らせてしまいます。鉢土の表面が白く乾いているのを確認してから鉢底から出るぐらい与えるようにします。与える時は午前中の暖かい時間に、水を少し温めて与えるようにします。春になって暖かくなると土の乾きも少しずつ早くなってくるので、水やりの回数も徐々に増えてゆきます。 

葉水

湿度の高い所を好むので、霧吹きで葉水を与えながら育てると、葉色も生き生きとしてきます。また、冷暖房の効いている部屋は空気が乾燥しているので、葉水を与えて保湿してあげるとよいです。冬は水が冷たすぎるので、少し温めて与えた方がよいです。

肥料

5月、7月、9月に緩効性の化成肥料を与えるとよいです。順調に生育しているものは5月から10月まで定期的に液体肥料も追肥するとよいです。良く生育していないものは、根の状態が悪い場合があるので与えない方がよいです。夏は液体肥料が濃いと根が傷む事があるので、薄めにして与えた方がよいです。秋が深まると生育が止まるので春まで与えないようにします。

切り戻し、整枝

蔓が伸び過ぎてしまったり、長く育てていると途中の葉が減って見苦しくなる事があります。蔓の途中を切ってやると、簡単に芽が出るので、節を残すように切り戻すとよいです。時期は4月から7月頃まで行えますが、切ってから脇芽が20cmぐらい伸びるのに2カ月ぐらいかかるので、4月から5月頃の早い時期に行った方が早く蔓が伸びます。切り戻し後は暗い所だと新芽の伸びが遅いので、できるだけ明るい所に置いた方がよいです。切った先は挿し芽や水挿しにして増やす事が出来ます。また伸び過ぎて邪魔な蔓は時期を問わずいつでも切る事が出来ます。

切り戻し前

切り戻し後

切り口

増やし方(挿し芽、水挿し)

挿し穂の用意

時期は5月から8月頃、葉を1、2枚つけてハサミで切り分けます。葉茎の下に気根があるので、その部分を土の中や水に浸けると根が伸びてきます。

挿し芽

挿し穂を30分ぐらい水に浸けて吸わせ、土に埋めるだけで根が出てきます。平鉢に数本差したり、ポットに1、2本ずつ挿してもよいです。葉にある茎のすぐ上から新芽が出てくるので、そこがやや上に向くように挿せばよいです。用土は小粒の赤玉土や鹿沼土の単用でもよいし、あればビートモスを2割ぐらい混ぜると保水性がよくなります。直射日光の当たらない明るい所に置いて、乾かし過ぎない程度に水やりをします。1ヶ月ぐらいすると根が伸びているので鉢に定植します。

水挿し

コップなどの容器に水を入れ、茎に着いている気根が水に浸かるようにします。明るい部屋に置いて水を1週間に1回ぐらい交換すると、1カ月ぐらいで根が伸びてきます。そのまま机の上などに置いてしばらく観賞してもよいし、鉢に植え付けてもよいです。

水挿し後の植え付け

1カ月もすると根が伸びて葉も成長してきます。ポットなどに仮植えしてもよいし、そのまま土に植えるだけもよいです。芽が伸びてきたら肥料を与えて通常の管理をします。

水挿しで伸びた根

植え付け前

植え付け後

花壇に蔓を埋める

もし花壇がある場合は、日差しを避けた所の土に蔓を埋めておくと、葉が沢山茂ってきます。埋める蔓は切り戻したものなど、適当な長さでかまいません。9月までに掘り上げて、根の付いた蔓をいくつかに分け、数個の鉢植えを作る事ができます。

蔓の数を増やす

もっと蔓の数が欲しくなる事があります。蔓の途中を切ると複数の脇芽が出て増える事がありますが、1本しか伸びない事もよくあるので確実ではないです。時期は4月から5月頃と早めに行った方が夏までに蔓が伸びてきます。もう一つは確実な方法で、水挿しなどで根を出させたものを、鉢植えの空いたスペースに小さな穴を掘って埋めるだけです。時期は5月から8月一杯まで行えます。

空いたスペース

発根した蔓を埋める

植え替え

2年以上植え替えていないものや、鉢の底から根が出て根詰まり気味のものは春に植え替えをします。時期は5月から6月頃に行うのが理想的です。根鉢を完全に壊すと何本かの蔓がバラバラになって植え替え難くなる事があるので、そうならない程度に根鉢の周りを3分の1ぐらい取り除いて植え替えるとよいです。用土は市販されている観葉植物専用の土でよいですが、自分で作りたい場合は赤玉土(小粒)6、腐葉土4ぐらいでよいです。もっと蔓の数を増やしたい場合は、水挿しや挿し芽をしたものを株元に一緒に植えるとよいです。

葉の減った鉢植え

長く育てていると根元の葉が減ってしまう事があります。葉のない部分を切り戻すと脇芽が出るのですが、沢山の蔓を切るとしばらく葉の少ない姿になってしまいます。そこで植え替えの時に葉のない蔓を鉢の周囲に這わせて土で埋め、葉のある部分だけを出して植え替える方法もあります。

葉のない蔓

蔓を埋める前

植え替え後の管理

植え替え後は日に当たると葉が萎えやすいので、風の当たらない明るい日陰に置くようにします。通常の管理は葉が伸び出してから行うようにします。

仕立て方(アーチ仕立て、吊り鉢など)

ポトスの仕立て方のページを参考にしてください。

冬の管理方法

冬はできるだけ暖かい部屋に置きます。棚の上など高い所の方が、床よりも冷えにくいのでよいと思います。暖房や空気の乾燥で葉が落ちる事があるので、暖かい時間に葉に霧吹きで葉水を与えながら育てると、葉が黄色くなって落ちるのをある程度予防できます。水やりは過湿になると根腐れする事があるので、水の与え過ぎには注意してください。この時期に肥料は与えないようにします。

冬を越えた春のポトス

冬を越えたポトスは全体的に幾分葉が少なくなっているものです。しかし、あまりにも下葉が落ちて見苦しくなってしまった場合は、根詰まりか根腐れをしている可能性があります。新芽が吹く頃の春に葉のない部分は切り戻して、新しい用土で植え替えます。

病気や害虫など

斑が少ない

斑入りの種類は光の強さで斑の多さが変わります。置き場所が暗いと葉緑素が増えて斑が少なくなり、明るい場所に移動すると斑が増えます。強い日光に当てると葉が焼けるので注意してください。

葉が黄色くあせて枯れこむ

強い日差しに当たって葉が日焼けすると黄色くあせて茶色く枯れ込んできます。強い日差しの当たらない明るい場所に移動します。

葉が黄色くなる

水の与えすぎによる根腐れ、水切れ、寒さのために葉が黄色くなって落ちる事があります。葉が全体的に減ってしまった場合は、春に葉の少なくなった蔓を取り除いて植え替えた方がよいです。

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