花と観葉植物(葉っぱの岬)

クワズイモ

学名:クワズイモ(Alocasia odora)、シマクワズイモ(Alocasia cucullata)
科・属名:サトイモ科・アロカシア属
原産地:東南アジア
分類:常緑多年草
寒さ:弱い(5度以上)
暑さ:強い
日照:半日蔭
耐陰性:あり
通販:楽天市場にあり

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クワズイモ

クワズイモ

シマクワズイモ

シマクワズイモ

クワズイモの花

クワズイモの実

クワズイモは熱帯から亜熱帯に分布しているサトイモ科の多年草植物です。大きくなると徐々に茎が芋になるユニークな姿で、観葉植物として人気があります。名前の由来は食べられない芋なのでこの名前になっています。主に日本では観葉植物として売られているのはクワズイモ(A.odora)とシマクワズイモ(A.cucullata)です。鉢植えの葉はそれほど大きくなりませんが、自生しているものはかなり大きくなり、像の耳のような形をしているので西洋では(エレファントイヤー)と呼ばれる事があります。大きく育つと初夏から夏に変わった形の花を咲かせ、香りがよく夜になると強くなります。花後には赤い実が成って、種から増える事もできます。熱帯から亜熱帯の植物ですが、寒さには比較的強く育てやすいです。

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作業カレンダー(暖地基準)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
場所 室内の半日蔭(5度以上) 半日蔭 明るい日陰 半日蔭 室内(5度以上)
植え替え 適期 可能
株分け 適期 可能
肥料 置き肥など
水やり 控え目 表面が白く乾いてきたら 控え目

主な種類

クワズイモ(A.odora)

東アジア、東南アジアに自生していて、日本でも四国南部、九州南部、沖縄にも分布しています。自生しているものは高くなると2mぐらいになり、葉の大きさも60cmぐらいと大きいです。 白斑(variegata)の品種もあります。
クワズイモ
クワズイモ
白斑のクワズイモ
白斑

シマクワズイモ(A.cucullata)

中国、インド、ミャンマーなどに自生して、ハート形の葉は大きくなると30cmぐらい、高さは1mぐらいでクワズイモと比べると小さいです。鉢植えは葉があまり大きくならず13cmぐらいとかわいらしいです。
シマクワズイモ
シマクワズイモ
シマクワズイモの葉
葉の大きさ約30cm

インドクワズイモ(A.macrorrhiza)

東南アジア、ニューギニア、クイーンズランドの熱帯雨林に自生しています。日本では植物園に植えられている所があります。葉の大きさは180cmぐらいになり、高さは3mを超えこの仲間では最大です。全体的に深い緑色の葉をしていますが、茎が黒い(Black Stem)、白斑の(variegata)、葉脈が黄金色の(new guinea gold)などの品種もあります。

クワズイモの育て方

好む生育環境

樹木の下の明るい所に自生している熱帯植物です。気温と湿度が高く、強い日差しの当たらない明るい日陰を好みます。日本では春の4月下旬から秋の10月頃まで生育して、冬は寒さで生育が止まります。冬は5度以上ある室内で越冬させるのが理想的で、冷暖房の風は乾燥しているので、直接葉に当たると傷みやすいです。

春から秋の管理

置き場所

明るい日陰を好むので、室内では明るい所に置くとよいです。強い日差しに当てると葉が焼けやすいので、日が差す所ではレースカーテン越しに、夏はレースカーテン越しでも焼けるので明るい所に移動します。耐陰性が強いですが、あまり暗いと貧弱に育つので、できるだけ明るい所に置くのがよいです。戸外では強い日差しが当たらない明るい所に置くとよいです。

水やり、肥料

生育期の5月から10月頃までは表面が白く乾いてきたらたっぷりと与えます。高い湿度を好むので、たまに霧吹きで葉水をしてあげるとよいです。肥料は春から秋まで緩効性の化成肥料を置き肥したり、定期的に液体肥料を与えるとよいです。

植え替え

根がよく張る観葉植物なので、2年に1度を目安に植え替えします。時期は5月から6月頃に行うのが理想的ですが、8月頃まで行う事ができます。土は市販されている観葉植物専用の土を利用したり、赤玉土(小粒)6、腐葉土4など自分好みの標準的な土でよいです。根鉢の周りを3分の1ぐらい壊して、腐った根は取り除き、伸びすぎた根は短くします。必要なら株分けして、一回りから二回り大きな鉢に植え替えます。写真は寄せ植えしているもので、もし行う場合はクワズイモと同じ明るい日陰で育つのを一緒に植えた方が良いです。その他は観葉植物の植え替えのページを参考にしてください。
植え替え前(クワズイモ)
植え替え前
根鉢の周りを壊した(クワズイモ)
根鉢の周りを壊した
大きい鉢へ植え替え(クワズイモ)
大きい鉢へ植え替え

晩秋になったら

秋が深まって気温が下がってくると生育が衰えてきます。水も夏と比べると徐々に吸わなくなるので、土の乾きが遅くなって水やりの間隔も長くなってきます。肥料は生育が止まってきたら必要ないので与えないようにします。もし戸外へ置いているものは、朝晩の最低気温が13度を下回ってきたら室内へ入れます。

冬の管理

置き場所

寒さに弱いので、室温が5度以上ある明るい所に置くとよいです。日の当たる所ではレースカーテン越しがよいです。

水やり、肥料

冬は生育が止まって水をあまり吸わなくなるので、土の乾きも遅くなります。水やりの回数が多く土がいつも湿った状態になると、根腐れしやすくなるので、鉢土の表面が完全に白く乾いてから2、3日後に与えるぐらい控えめにします。冬は空気が乾燥して葉が傷みやすいので、葉に人肌ぐらいに温めた霧吹きを散布すると効果があります。葉水は暖房の効いている時や昼間の暖かい時に散布します。肥料は必要ないので与えないようにします。

冬を超えたら

冬の寒さで葉が枯れてしまう事がありますが、暖かくなると葉が伸びてきます。もし根腐れして株元がゆらぐようなら春の5月から6月頃に植え替えた方が良いです。 肥料や水やりは4月下旬から5月上旬頃に新芽が伸びてきたら、生育期と同じように与えます。

増やし方

容易な株分け

根元から出てきた子株を分けて増やす事が出来ます。時期は植え替えと一緒に、根のついた子株を切り離して植えるという簡単な方法です。シマクワズイモはあまり大きくならないので、3株ぐらい一緒に植えてもよいと思います。2年もすると茎が芋になってきます。
発生した子株(クワズイモ)
発生した子株
株分け後の鉢植え(クワズイモ)
株分け後の鉢植え

挿し木

株分けで増やすのが容易ですが、挿し木する事もできます。時期は5月から8月頃、芋になった茎を切断して、切り口を日陰で完全に乾かします。赤玉土(小粒)7、ピートモス3などの土を利用して、鉢植えに直接挿し木するとよいです。明るい日陰に置いて土を乾かさないよう水やりします。写真は庭に何気なく挿したもので、2ヵ月ぐらい経ってから鉢へ植えました。その他は挿し木のページを参考にしてください。
クワズイモの挿し木
挿し木
クワズイモの挿し木(約2カ月後)
約2カ月後

暖地では庭植えできる

寒さに弱いので、鉢植えで育てるのが理想的です。ですが暖地では庭植えすると越冬して大きく育つ事があります。試しに株分けで余ったのを鉢植えで少し大きくし、翌年に庭へ植えてみてもよいと思います。写真は大分市の柿の木の下、始めは何気なくシマクワズイモを植えてみると大きく育ち、次は試しにクワズイモを植えてみるとこちらも大きく育ちました。冬は葉が全て枯れ、暖かくなると葉が茂ってくる宿根草のようになります。植える時期は5月から6月頃、場所は夏の直射日光が当たらない明るい日陰に植えるとよいです。根が深く張るまでの2年間は、冬は霜よけして根を守ると安心です。管理は容易で、邪魔な葉や冬に枯れた葉を取り除くぐらいです。クワズイモは数年して大きく育つと花が咲き、実も成るようになります。
柿の木の下に植えた(暖地)
クワズイモ
クワズイモ
シマクワズイモ
シマクワズイモ
冬は葉が枯れる(クワズイモ)
冬は葉が枯れる

病気や害虫など

軟腐病

伝染する病気です。根が腐り、酷くなると芋が全て腐って柔らかくなります。まだ初期で健全な芋の部分があれば、腐った所をきれいに取り除いて、健全な所だけを挿し木して仕立て直す事ができます。腐った部分は伝染するので焼却処分します。
クワズイモの軟腐病
軟腐病

葉ダニ

葉の裏を葉ダニに吸われて、葉の色が白っぽくなってしまいます。空気が乾燥すると発生しやすいので、時々葉の表と裏両方に葉水を与えます。葉ダニがついた場合は殺ダニ剤で駆除します。

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